ヤンデレ堕ち
第11話 デート!ざんまい……
俺たちが付き合い始めて約一ヶ月がたった────────
そして、俺たちはというと、付き合ってからほぼ毎週、デート、デート、デートざんまいの生活だった。
登下校も毎日一緒だし、あぁ、シュンが恋しいわ………。同じクラスのはずなのに、なんでかなぁ。
そして俺たちは……
「……君っ。葵君っ。ねぇ。聞いてるの?」
「………あ、あぁ」
「ところでさぁ。今日はどこ行きたい?私はねぇ……」
今日も今日とてデートである。はぁ、そうそうにマンネリ化しないか心配だ……。
さて本題に戻ろう。どこ行きたい、か……
……。最初のうちはすぐに答えられたんだけどなぁ。ううん。
「私はねぇ、最近駅の近くにできたばかりのデパートに行きたいなぁ……行ったことないし……」
デパート?最近できたのかぁ。行ったことないけど、おもしろそうだし、天音となら別にいいかなぁ。
「天音が行きたいなら、デパート行こうか?俺も行ったことないしな……」
なので天音に同意して微笑むと、天音も嬉しそうに微笑みながら俺の手を控えめに引いた。
「ありがと。じゃあ、時間あまりないし早く行こうか……」
「あぁ」
もう一度しっかりと手を繋ぎ直し、俺たちはゆっくりとデパートへと向かった。
────────────────────
「これは……」
正直、想像以上だった。想像以上に、でかいデパートだった。
天音も初めて来たのか、大きく目を見開いて固まっていた。
と、とりあえずどうしようか……。天音はそのまま動かないし……。こ、声かけてみるか?
「お、おーい?あ、天音?」
「……はっ?!わ、私はなにを……」
良かった、気付いてくれたぁ。その事に俺は、ほっとした。
「あ、はは。大丈夫?とりあえず服とか見てご飯でも食べてく?」
「あ、うん。ごめんね、ありがとう……行こうか……」
「そうだな……」
俺は天音と手を繋いだのをしっかりと確認しながらいろんな店を見て回った。
───────────────────────一時間後くらい?
俺たちはとある服屋で立ち止まっていた。「むむむ。どうしよう、どっちがいいかなぁ
……はぁ」
理由は簡単。天音の服選びをしているからだ。
俺、そろそろヤバいんだけど。なんでって
?ああいや、別に買い物が嫌なわけどはないんだよ?ただね?…………めっちゃトイレ行きたい。
仕方ないだろ?でも、真剣に選んでるみたいだしなぁ、邪魔するのも悪いし……。
「葵君はどっちがいいと思う?」
「……え、あ、あぁ。俺?俺は……こっちかな?」
少し悩んでから俺は、紺色のシンプルなワンピースを指差した。ちなみにもう片方はレースがたくさんあしらわれた少し派手なデザインのワンピースだった。
シンプルな方が天音にはあっているような気もする。
「葵君はこっちか……うんっ。葵君がそう言うならこっちにしようかな?じゃあお会計行って来るね……」
そう言い残し、天音は小走りで会計に行ってしまった。急いで俺も天音の後を追いかける。
────────────────────
「……ふぅ」
あのあと俺たちは会計を済まし、二人してトイレに行った。ついでに自販機でジュースも買った。
「天音、このあとどこでご飯食べる?」
「う、ううん。ま、迷うよぉ……お腹すいたぁ……」
まあ、調べるか、と思い俺がスマホを取り出すと、少し遠くの方に人混みが見えた。
……中心にいるのは、ビラ配りの人?
「天音、行ってみる、か?……あれ?いな、い?」
振り向くともうすでに天音の姿はなく、とても静かだった。そう言えば、さっきから天音の反応がなかったな。
なぜか、どうしても気になってしまったので、俺は天音にラインだけして、人混みの方に向かった。
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