第3話 TF仲間現る
朝、ボクはいつもの時間に起きた。
「いてて。ちょっと筋肉痛だな…」
とりあえず朝食をとって、今日は…、散歩でもしに行こうか。そう思って住み家の入口まで行くと、いきなり目の前に誰かがいた。
「おはようございます」
そのニワトリはボクに向かって敬礼していた。
「ど、どちら様ですか?」
「ああ、失礼しました、初めまして。ボクの名前は『トック』です。本日はキミに会いたくて来ました」
「ボクに会いたくて?どういうこと?」
「実は、ボクもTFができるんですよ」
トックはそう言うと、TFをし始めた。
身体が大きくなり、羽は腕の形に近くなり、足も伸び始めた。次第にトックは、細マッチョのニワトリ獣人になった。
「うわっ!かっこいい!まるでヒーローみたいだよ」
思わず叫んでしまった。
「えへ、そう言っていただけると光栄ですよ」嬉しそうに笑った。
「ですが、あなたのTFはさらにすごいと聞きました。良ければ見せていただけないでしょうか?」
「うん、いいよ。フンッ!」
ボクは全身に力を込め始めた。
メキメキッ!ボコッ!バキッ!ゴキッ!
凄まじい音を出しながらマッチョトカゲ獣人にTFしていく。筋肉、血管がバキバキに膨れ上がっていく。胸板は厚くなり、腕の太さが増していく。身体全体のサイズが大きくなる。
「す、凄い……。さっきまでとは全然別人のようです」
ボクを見て目を丸くするトック。
「へへっ、ありがとう」
「ところで、ボクたちは何をすればよいのでしょう?指示さえ頂ければ全力を尽くさせていただきますが」
そう聞かれたので答えた。
「うーん、そう言われて見ればやってもらうことってない気がするなぁ」
「それじゃ、私はあなたとトレーニングがしたいです!」
「そうか、ボクと一緒に身体を動かした方が気分転換になっていいよね」
そう言いながらボクは部屋にある道具を使って筋トレを開始した。
「フンガッ!!」
掛け声を発しながらダンベルを持ち上げる彼の姿を見て微笑ましい気持ちになる。ボクも気合いを入れなおし、汗をかいていった。
2人で運動した後、彼は家に帰ることになった。
「それでは、ボクはこれで」
彼は帰り際に、力こぶを作って見せた。それを見たボクも、力を込めて腕を曲げてみた。するとそこには、ものすごい大きさの力コブができたのであった……。
「相変わらずすごい筋肉ですね、憧れます」
彼はそう言って去って行った。その背を見送るとボクは元の姿に戻るのだった。
「ふわぁ、疲れたなぁ。寝よ」
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