閑話3:螺旋VSマルボ。
Side:螺旋
変なプレイヤー達と戦う事になった俺の相手は、大きな斧を背負った黒髪の男。
皆と少し離れた場所で対峙する。
「傷男、あんたは格闘系か?」
「ああ、ちなみに俺の名は螺旋だ」
「螺旋か……俺はマルボ、魔術導師だ」
「魔法使い系でハルバードを使うとはな。変わった奴だ」
「面白いだろ?」
「まあ、今まで会った事は無いな」
「話し合いはこれぐらいにして、さっさとやろうか」
そう言うと奴は、背中のハルバードを取ると肩に担ぐ。
「そうだな、ブッ飛ばしてやるよ」
そう言いながら俺は、両拳をぶつけ気合を入れる。
キジ丸に作ってもらった籠手に魔力を流し、戦闘態勢に入ると奴は、怪訝な表情をし。
「あんたのその籠手、ダンジョン産か?」
「いや、フレンドに作ってもらった物だ」
「良いな。俺も頼もうかな」
「俺に勝ったら紹介してやるよ」
「そいつは有難い、な!!」
奴はハルバードを両手で持ち、地を蹴り物凄い速さで迫って来ると、少し手前で振り下ろし、目の前の地面に叩きつけ、その衝撃で大量の石や土が襲い掛かってくる。
俺は咄嗟に後方に跳び何とか躱すが、石や土の中から大きな岩が突然飛び出し迫って来たので、拳に剛気を纏い殴って砕くと奴がその後ろに居てハルバードを横に振り抜いてきた。
全身に魔力を流しながら腕をクロスし、ハルバードの刃を籠手で受け止めるが、俺の身体はそのまま持って行かれ、吹っ飛ばされてしまう。
空中で身体を回転させ地面に着地した瞬間、足元に魔法陣が現れ、土の太い針が大量に飛び出して身体に届いた瞬間、全ての針が砕ける。
全身に剛気を流し硬質化したのだ。
「ほう、今のを防ぐとはやるな」
「接近戦をやりながら魔術を使うか、かなりやりづらい」
「だろ? 魔法使い系なら離れて戦うとどうしても思ってしまうから、接近戦にこっちから飛び込めば、相手は混乱する」
「それが狙いか」
「って訳じゃねぇけど……普通の戦い方をしても面白くないだろ?」
「……ああ、そうだな」
俺は最近制御が出来るようになってきた神気を全身に流し、金色の光を纏う。
すると感覚が研ぎ澄まされ、世界が静かになる。
「なんだそれ? 見た事無いな」
「行くぜ」
「ああ、いつで……っ!?」
俺は地を蹴り一瞬で奴の懐に入ると神気を左の拳に纏い、奴の腹に打ち込む。
すると奴は吹っ飛ぶ事なくその場で血を吐き出し、俺の肩に手を置き。
「へっ、やるじゃねぇか……良いパンチ…だ」
そう言うと光の粒子になり消えた。
螺旋流・弾突(だんとつ)
ゼロが流派に名前を付けたらスキルになるって言ってたからな。
俺も付けてみたらスキルになったのだ。
弾突は魔力でも出来る技で、纏った魔力か神気で魔纏にし、更に殴った瞬間、内側に流し込み内部を破壊する。
マルボの体内は、全身がグチャグチャになっていただろう。
だが、こんなものじゃハンゾウにはまだまだ勝てない。
もっともっと鍛えないとな!!
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