第5話 正面から。
俺は街に入れてもらえず、無理やり入るのもどうかと思い一旦街を離れ、どうするか考える。
このまま落星で滅ぼしたいところだけど、子供を避難させないといけないしなぁ。
何か良い方法は無いか……ん?
最初から忍者で行けば、何やっても良いんじゃね?
邪魔する者は始末して、さっさと子供を避難させれば落星で破壊して終わり……よし、これで行こう。
俺は忍換装し忍者になると堂々と街道を歩いて門へ近づく。
忍者でここまで堂々とやるのは初めてだな。
全然忍んでないけど。
門番が俺を見て固まってるのを見ながら歩いて行き、近くまで来た所で門番に告げる。
「殲滅を始める」
「っ!? 全員戦闘態勢!! 怪しい奴が来たぞ!! 他の奴も呼べ!!」
と、隊長らしき者が指示を出すと詰所から兵士がワラワラと出て来てライフルを構え、銃口が全て俺に向けられた。
おお、ゾクゾクする!!
エデンメンバーと戦った時には、こんな殺気は感じなかったが、ライフルの影響かな?
まあ、忍び頭になるためにダンジョンで、オーガ達と戦った時の方が殺気は凄かったけど。
すると、先程アリバの時に話をした門番が、ライフルを構えニヤっと笑いながら口を開く。
「何者か知らないが、1人でやって来るとは馬鹿か? 自殺志願者かよ」
よし、あいつは最後に殺してやろう。
たっぷりと恐怖を味わえ。
俺は不動金剛術でこの場に居る全ての者を縛り、動けなくするとゆっくり歩いて近づき、隊長っぽい男の前まで行くと告げる。
「恨みは無いが死んでもらう」
不動金剛術で動けず何も言えない者達の首に、魔糸を巻き付けると一気に締め、首を落とす。
1人を残して。
残した男の前へ行き。
「拙者が1人で来た事が何か言っていたな? ん? お前達は兵器に頼り過ぎて動きが悪すぎる。次に生まれて来た時は、しっかり鍛えるようにしろ……じゃないと
そう言って威圧を放つと奴が、小便を漏らしたところで首を落とした。
するとそこで、他の兵士を呼びに行っていた者が大勢の兵士を連れて戻ってきたので、ライフルを構えようとする前に全員を不動金剛術で動けなくし、同じように首を落として始末する。
流石にこれだけ殺すと住民が気付き、悲鳴を上げると伝染するように混乱は広がっていく。
俺は門に魔糸を張り付け引っ張り、すぐさま閉じて誰も出られないようにすると強化法を使い範囲を広げた不動金剛術で住民の動きを縛る。
暫くそのままで居てくれ。
ここからは一気に片付けようと思い、増加法で分身を50体出し、街に散開させ子供を見つけ次第保護させるが、中には親が居る子供も居た。
しかし、虐待をしている親や、育児放棄している親、自分の子供を使って稼いでいる親ばかりなので、全員始末し子供を保護。
勿論孤児も居るので全員保護だ。
ちなみに保護と言っているが、全員何も言わせず影に沈めているだけで、特に説明は何もしていない。
なので、泣き出す子供も多いが、今は放置です。
他の門はまだ騒ぎになっていない内に閉め、不動金剛術で固定して出られないようにしたのでこれで誰も逃げられない。
そんな中、数人の探索者やプレイヤーが立ちはだかる。
「忍者って事は、誰かの依頼で動いているのか?」
「忍者が堂々と誘拐とは、珍しいな」
「あれ? この忍者、動画で見た事あるような?」
「ん? あっ! ハンゾウだ! 住人最強の忍者がなんでこんな所に居るんだよ!?」
「ああ! ハンゾウ! そうそう! って、なんでここに居る!?」
「ビビんな! こっちは10人以上居るんだぞ? 1人に負ける訳な……うそん」
「どこが1人? ねぇ? どう見たって20人以上居るんですけど?」
「これが分身! 流石忍者! じゃあ、俺は用事を思い出したので!!」
「あっ、私もバイトの時間だ!」
「えっ? じゃあ、俺もそろそろご飯の時間だし、失礼しまーす」
「え、は? いや、お前らどこ……たった1人相手に逃げるなよ!?」
「だからどこが1人なのよ!?」
「分身だから実質1人だろ!?」
と、プレイヤーが出て来たので分身で囲むと、さっさと去る者が続出し、数十人居たプレイヤーは6人になる。
プレイヤーは死んでも復活するから神託は無かったのかな?
それとも誠実じゃないとか?
まあ、どっちでも良いか、去るなら追わないが向かって来るなら始末する。
すると住人の探索者が駆け付け、分身を見て動きを止めた。
「な、なんじゃこりゃ? おい! どうなってる!?」
囲まれているプレイヤーに聞くと、男のプレイヤーが大剣を構えながら答える。
「忍者だ! 最強忍者! お前らも手を貸せ!」
「忍者ぁ? なんだそれ?」
「知らねぇのかよ。とにかく強いから手を貸せ!」
「本当に強いのか?」
そこで女のプレイヤーが答えた。
「数百人の異界人を相手に圧勝する程よ。気を抜けば殺されるわ!」
エデンメンバーと戦った時の動画を見たのかな?
「ほう、俺達はダンジョン40階層まで行った探索者だ。Sクラスの魔物と戦った事もある、そんな俺達より強いと? 俺達がこいつを殺してやるから今晩相手してくれよな?」
「誰がするか! キモイ! 全員でやらないと勝てないわよ」
「大丈夫だ、俺に任せておけ……お前ら! 行くぞ!」
『おう!』
そう言って住人探索者達は剣や斧、大剣を抜いて動き出そうとしたが、一歩も動けず。
替わりに住人探索者全員の首が、その場で落ちた。
「ヒッ!? 何したの!?」
分身で不動金剛術をして動けなくした後、魔糸で首を落としただけです。
「お前達は異界人だな?」
「そうだ!」
「そ、そうよ!」
「ならさっさとこの街から離れろ、巻き込まれるぞ?」
「な、何をする気なの?」
女プレイヤーが聞いてくるので、少し間を空けてから威圧を少し放ち答える。
『殲滅だ』
すると男のプレイヤーが。
「な、なんでそんな事をする? あんたの意思か?」
ここで神の意思と答えれば、危ない奴だと思われるだろうなぁ。
危ない宗教に入ってると思われそう。
なので。
「これは任務、故にそれ以下でもそれ以上でもない、分かったらさっさと去れ……死ぬ事になるぞ?」
プレイヤーは復活するしね。
殺してもいいけど、去るならそれはそれで問題無し。
今はこの国を滅ぼす事が先決だしな。
強いプレイヤーなら戦うが、こいつらはシルズより弱いだろうし、訓練にならないので戦う必要無しだ。
「じゃ、じゃあ、私も失礼しようかな」
「お、俺も」
「そこまで言うなら……俺も」
「私達はただダンジョン攻略をしてただけだしね」
「そ、そうだな、そろそろ他のダンジョンに行こうと思ってたとろこだし、丁度良いか!」
と、残った者達も去る事を選択した。
軽く頭を下げ分身の間を通り去っていくプレイヤー達を見送ると俺は、次の行動に移す。
傭兵ギルドと探索者ギルドに行かないとね。
あっ、プレイヤーも門から出られないけど……まあなんとかするだろ。
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