第3話 君は僕で僕は君(3)
うるは:い、今なんて?
銀河:好きだって言ったんだよ
うるは:………
銀河:あれ?驚かないの?
うるは:緊張し過ぎると声出なくなるんです
銀河:役者さんとしては致命的じゃない?
うるは:そうじゃなくて
銀河:何?
うるは:ドキッとしてしまいました
銀河:……そう?
うるは:この間会ったばかりなのにどうしてでしょうか?
銀河:わからないよ、僕にもわからない
うるは:あの日、銀河さんはなんで公園に居たんですか?
銀河:あの日…執筆がスランプで上手く書けなかったから公園に居たんだ
銀河:でもセミの音がうるさかったから集中出来なかった
うるは:……私も同じです。
銀河:え?
うるは:最近なかなか思うように演技が出来なくて練習してたんです。でも同じくセミの音がうるさかった
うるは:どこか行って何か刺激になるものでも探そうかと思った時
うるは:素敵な小説を書く、あなたと出会いました
銀河:……僕も同じだよ
うるは:……え?
銀河:僕も何か刺激を求めてどこかに行こうとした時に偶然君に会ったんだ
銀河:そして、君の素敵な演技に出会って君に恋をした
うるは:……私、恋ってどういうことかわからないんです
銀河:……僕もそんなに多く恋してきたわけじゃないよ
うるは:ふふっ。やっぱ私たち似たもの同士ですね。
銀河:うん。じゃあ君の素敵な言葉をまとめて一つの言葉にしてみよう
うるは:なんですか?
銀河:君は僕で僕は君
うるは:……どういう意味ですか?
銀河:君が言った痛みを半分に。幸せを2倍に出来る関係のことだよ。僕達は似たもの同士だ
うるは:なるほど!いいですね!
銀河:君は僕で
うるは:僕は君
うるは:ふふっ!なんかワクワクしますね!
銀河:あははっ。そうだね
うるは:これからもよろしくお願いします
銀河:うん、こちらこそよろしくお願いします
0:そして月日が経つ
銀河:君は僕で
うるは:僕は君
銀河:おはよ、うるは。早かったね
うるは:お、おはようございます!ぎ、銀河君!
銀河:まだ慣れない?あと敬語も
うるは:あ、ああ!ごめんなさい!
銀河:ほらまた
うるは:ああぁぁ、まただ!なんとお詫びをしたら…
うるは:もう、前歯3本折ります!
銀河:や、やめなよ!君、仮にも役者さんなんだから顔は大事に!
うるは:やらせてください!折れた歯はあなたに渡すんで形見にでもしてください!
銀河:形見が歯なんて呪いだよ!
0:また月日が経つ
うるは:君は僕で
銀河:僕は君
うるは:遅くなってごめんね。銀河君
銀河:いや、珍しいね。うるはが遅れるなんて。10分くらいだけど
うるは:セリフ読みながら電車乗ってたら乗り過ごしちゃった
銀河:あー僕もよくやるよ。小説書いてるとつい集中し過ぎて乗り過ごしてしまう
うるは:やっぱやるよねー。さすが似たもの同士だね
銀河:うん。やっぱそうだと思った
銀河:(うるはとの日々は1年が過ぎる)
銀河:(毎日笑って、毎日楽しんで、毎日幸せを感じる。そして)
銀河:(毎日、繋がっていると思える)
銀河:(僕らは似たもの同士で、二人で一つ)
銀河:(ずっと心が繋がっているんだ。)
銀河:(だから、この合言葉を作って良かったと思う)
銀河:(君は僕で僕は君)
0:ある日のこと
うるは:ん〜〜!美味しい
銀河:………
うるは:ねえ、銀河君、こっちのお団子食べた?
銀河:……うん
うるは:銀河君?
銀河:あぁ、ごめん。
うるは:ぼーっとしてどうしたの?
銀河:次書く小説のこと考えてた
うるは:物語書くのって大変だね
銀河:ううん。物語の中に自分が入り込んじゃってダメだ
うるは:大丈夫
銀河:うるはは?この間オーディションを受けたって言ってたじゃん
うるは:まだ結果は出てないよ。どうなんだろうね
銀河:うるはなら大丈夫だよ、きっと
うるは:わかんないよ。すごく有名な舞台のオーディションだったから、多分ダメだよ
銀河:でも最終オーディションまで通ったんだからすごいじゃん
うるは:すごくないよ!受からないとダメだもん。あーもうどうしよ〜今から緊張してきた!
銀河:今緊張してもしょうがないよ
うるは:もう!このお団子丸飲みして喉に詰まらせて死にますー!
銀河:や、やめなよ!掃除機無いから喉に詰まったお団子取り出せないから!
うるは:……っ!じゃあ銀河君がダイソーンになってくれる?
銀河:意味深にこっち見ないでよ。僕に吸引力はない
うるは:……あ、電話だ
うるは:ごめん、出てくるね
銀河:うん
うるは:はい。はい。
うるは:………え?
うるは:はい。わかりました
銀河:うるは?なんの電話だったの?
うるは:………
銀河:ん?
うるは:受かってた
銀河:……え?
うるは:オーディション受かってた!
:4話に続く
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