第34話 鉄鎖 クオンタム
突如襲撃して来た白いコートを来た少年はリアンだった。
こんな所で何してるのよ!?
特徴的なポロンに聞き覚えのある声。
しかし確かめようとしても誤魔化された。
怒りが湧いて来た。私は目を細める。
リアンは私の怒りに気づいたのかフードを取って謝る。
それで良いのよ。
彼は何かを探してる様子だった。聞くと鍵を探してるらしい。
しかし何の鍵か聞いても答えてくれない。
そして奪いに来たと言っていたので誰が持っているか聞くとカルナが持っているらしい。
私は深い溜息を吐きカルナに鍵を渡してくれないかと交渉すると拒否された。
どうやらあのロボットは危険らしい。
しかしリアンはびびってるのかとカルナを煽る。
そしてチェインで決着をつける事になった。勝手に決めるなと思ったがいつもの事だ。気にしない。それに今回は新デッキでの初めてのバトル。リアンの変な笑顔に当てられ笑みが出てくる。
「「チェイン バトル!!」」
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サリアターン3ターン目
私は先攻で盤面はコネクト2、フィールドにモンスターなし。手札は4枚、墓地0枚、ライフは200。
リアンは後攻で盤面はコネクト2、フィールドにモンスターなし。手札は5枚、墓地0枚、ライフは200。
「ドロー」
カードを引いた後何もせずにターンエンド。
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リアン3ターン目
まじかよ!チェインしてこない!?
速攻デッキでくると思っていたが、よみが外れた。
今、グランミディアの環境最強なのはモンスターのみの速攻デッキだ。先攻を取って、"べスラ"を出せば速攻は止まるが、後攻になるとコネクト4の"べスラ"が間に合わない。そして、そもそも"べスラ"を引けるかも分からない。つまり今このゲームは先行速攻が最強だ。
そういえば前世でも、じゃんけん負けはプレミと言われていたな。
しかし、これで"べスラ"と"土砂崩れ"が死に札になってしまった。
俺が内心焦っているとサリアはドヤ顔を見せていた。かなりムカつく。分かっててやったな。
俺はドローし、"灼熱纏うべスラ"をコネクトする。
だが
「ストーリーカード(魔術)"鎖編み"
カードを一枚捨て一枚コネクト。
「コネクト4で"ジム"と"疾風ゼイリード"をチェイン」
スキル、リロードで二枚カードをデッキから落とし、墓地から一枚をデッキに戻す。その後、疾風加速で一枚ドロー。
「バトルフェイズ、"ジム"と"疾風ゼイリード"でソウルアタック」
戦闘ダメージ80でサリアのライフは120。
エンドフェイズ時、
「ターンエンド」
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サリア4ターン目
リアンは速攻で来ると思っているから態とデッキを変えてやったらまんまと引っかかった。
それに私もカンザキのカード見てるから"土砂崩れ"の存在も知ってるわよ。流石にあのカード持ってる相手に速攻は使わないわよ。
そんな事を思っていると自然と顔がニヤける。なんだか楽しくなって来て鍵の事なんか忘れ、いつも家でやっているような感覚になって来ていた。
「ドロー」
「コネクトフェイズ。セット」
「メインフェイズ」
「コネクト0で"繋がれた龍像"、コネクト4で"疾風ゼイリード"をチェイン」
スキル、疾風加速で一枚ドロー。
「バトルフェイズ、"疾風ゼイリード"でリアンの"疾風ゼイリード"を攻撃」
"繋がれた龍像"のスキル、龍気で結合力(c)の上がった"疾風ゼイリード"は空中でのドッグファイトを制し、牙で相手の翼を噛みちぎる。
バランスを崩し、降下する相手の"疾風ゼイリード"を追撃し上から翼で首を落とす。
戦闘ダメージが20でリアンのライフは180。
「ターンエンド」
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リアン4ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「ストーリーカード(魔術)"龍の招集"発動」
デッキから三枚ドロー。
「コネクト4で"バイコード"をチェイン」
スキル、リロードで二枚落とし、墓地のカードをデッキに戻す。
あーこれ絶対
「バトルフェイズ、"バイコード"で"疾風ゼイリード"を攻撃」
俺が諦めたように言うと態とらしく「正解」と返ってくる。
「ストーリーカード(イベント)
"バイコード"が横からの炎に焼き殺された。
「"ジム"で"疾風ゼイリード"を攻撃」
結合力(c)がお互い40なので相打ち。
"ジム"は"疾風ゼイリード"に体当たりをするとそのまま自爆した。
エンドフェイズ時、
「ターンエンド」
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サリア5ターン目
「モンスターも無し、セットも無し…無防備ね」
彼女はいつになく上機嫌だった。
カードをパチパチと鳴らす。俺と家でやってる時の癖だ。外ではやらないようにしているらしいが…こいつ楽しくなっちゃってるな。
「コネクト4で"龍の石像 カル"と"スフェイラホーンドラゴン"をチェイン」
「スキル、龍の合図でデッキからWチェインモンスターを手札に加える」
これで彼女の次のターン、カルナが出てくる。次のターンで決めに来る気だな。
「バトルフェイズ、"龍の石像 カル"でソウルアタック」
「"スフェイラホーンドラゴン"でソウルアタック」
戦闘ダメージ120でリアンのライフは残り60。
「ターンエンド」
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リアン5ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ、セット」
「メインフェイズ」
「コネクト4で"エインドット"をチェイン」
次のターンでカルナ出てくるから攻撃した方が良いと思ったが、これ"アリシア協定"読みで攻撃しなくていいのでは?
誘導するか。
「サリア頼む!次のターン、カルナで攻撃して!」
そう言ってターンを終了した。
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サリア6ターン目
「ドロー」
「サリア頼む!次のターン、カルナで攻撃して!」
「…」
リアンがお願いをしてきた。
この言葉にどんな意味があるか。リアンは策があるとき大体そう言って私を騙した。しかし、今回は騙されはしない。
何かあるとして可能性は二つ。
一つ目はブラフで何の意味もないカードをセットした。
二つ目は"
しかしここで私がすべき選択は…
"スフェイラホーンドラゴン"で攻撃して"
次のターンでカルナにWチェイン…。
いや駄目だ。これで次のターンにリアンが
考えろ。ここで取れる最善策。
サリアは目を瞑る。
「どうしたサリア?ここからがチェインだろ!」
そうだ。ここからだ。ここからがチェインの面白いところ!
目を開くとサリアの瞳は燃えるように輝いていた。
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ、スフェイラホーンドラゴンにコネクト6でWチェイン!」
「鎖の称号持つ龍の王よ、カルナの名の元に神を喰らえ!」
「龍鎖 チェインカルナ!」
「ようやく出番か!」
炎と共に現れたカルナが咆哮を上げる。
「龍鎖 チェインカルナのスキル、龍鎖。相手のモンスターを一体選び、そのモンスターの結合力(c)を0にし、攻撃とスキルの発動ができない」
サリアは指を指し示す。
「対象は
「はぁー?」
俺は思わず声を上げていた。
コイツやりやがった!玄野をカルナのスキルで縛る事で次のターン俺が
「バトルフェイズは行わない」
「ッ!ストーリーカード(イベント)"花吹雪"このターン自分が受けるダメージを0にする」
「外れたわね。これでターンエンドよ」
これでリアンの勝ち筋は潰した。やっぱ金属生命種のデッキじゃ駄目なのよ。やっぱりリアンには最強種である龍種のデッキを使って欲しい。それでこそリアンの実力が発揮されるから。そんなデッキを使って他人に馬鹿にされるのは私が気に食わない。私が目を覚まさせてやるわ。
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リアン6ターン目
危なかった。あの時点で"花吹雪"を使わなかったらこのターン俺はコネクトできなくて負けていた。
彼女はこれで勝ち筋を潰したと思っているのだろう。
ビキ…ビキビキビキ…。
…残念!俺の負け筋は"
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト6で"エインドット"にWチェイン!」
「なっ!?」
「意思無き者達よ!我が意の下に!鉄の威を示せ!」
「──"鉄鎖 クオンタム"!」
「"鉄鎖 クオンタム"のスキル発動、鉄鎖。このモンスターは戦闘で破壊されず、このモンスターがフィールドに存在する限り、相手はコネクトゾーンにカードを置けない」
「はぁ〜?何よそのふざけたスキルは!」
「バトルフェイズ、"鉄鎖 クオンタム"で"龍鎖 チェインカルナ"を攻撃」
本来なら相打ちであるはずの王達の戦いの最後は…鉄の王が唯一体立っていた。
「見たかカルナ、これがお前が馬鹿にした力だ」
俺にはこの時、一つやりたい事ができた。
「これでターンエンド」
あとはゆっくりでいい。ゆっくり慎重に…勝つ。
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サリア7ターン目
「ドロー」
くっ…。勝ち筋はあるけど、これじゃジリ貧ね。
「コネクト4で"カンティアブラックウィング"をチェイン」
黒い翼を持つ竜が威嚇の咆哮を上げる。
「"カンティアブラックウィング"のスキル、瞳卦の翼。このモンスターがチェインした時相手に20ダメージを与える」
"カンティアブラックウィング"がその巨体な黒い翼を広げる。翼には蝶の羽に刻まれているような巨大な目の模様が異様に輝いていた。
リアンのライフは残り40。
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リアン7ターン目
「ドロー」
一枚カードを引くと…。
「クククク…アハハハハハ!これだからチェインはやめられねーな!」
俺は海老反りになりながら大声で笑う。一頻り笑ったあと口を開く。
「はい、リロバ!」
「はぁーあんた引き強すぎ…」
サリアが呆れたように言う。
コネクトを行わずコネクトフェイズを修了する。
「メインフェイズ」
「コネクト消費3でストーリーカード(魔術)"
墓地の枚数は12枚。よって12枚をデッキに戻し、デッキから12枚カードを引く。
「エンドフェイズ時、玄野のスキル発動。
青い閃光が走る。
winnerリアン・ミーサーク
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