第30話 花鎖 ベアニア
「リアン・ミーサーク」
「アザミ・アザミノ」
「「チェイン バトル!」」
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アザミノ4ターン目
「あれは!サクラさんのデッキ!」
「くっ…没収した私のデッキを使うとは!」
シズネの母親が苦しい顔を見せる。
自分のカードを使われている事に怒りを感じているのだろう。
シズネの母が戦えなかったのはデッキを取られてたからか。
俺は後攻で盤面はコネクト3、フィールドにモンスターなし。手札は5枚、墓地0枚、ライフは170。
アザミノは先攻で盤面はコネクト3、フィールドには"アシラギの若葉"。手札は3枚、墓地0枚、ライフは200。
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト3で"ニトロシード"と"ガーベンの茎"をチェイン」
「ソウルモンスター"
「バトルフェイズ、"ガーベンの茎"でソウルアタック」
40ダメージ。
「"ニトロシード"でソウルアタック」
40ダメージ。
「"アシラギの若葉"でソウルアタック」
40ダメージ。
全部で120ダメージを受け、俺の残りライフは50。
「ターンエンド」
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リアン4ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト4で"灼熱纏うベスラ"をチェイン」
「"灼熱纏うベスラ"のスキル発動、灼熱烈波。お互いのフィールドのコネクト3以下のモンスターは結合力(c)が変動しない」
体が燃えているリザードマンがスキルを発動すると陽炎が生まれる。
「そして、ストーリーカード(魔術)"龍の招集"をコネクト消費1で発動、自分のフィールドのモンスターが1体以下なら、デッキの上から3枚をドロー」
「さらに、ストーリーカード(魔術)"鎖編み"をコネクトを消費する代わりに手札を一枚捨て発動。デッキ一番上のカードをコネクトゾーンに置く」
「バトルフェイズ、"灼熱纏うべスラ"で"ガーベンの茎"を攻撃」
10ダメージを与えアザミノのライフは190。
「ターンエンド」
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アザミノ5ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
アザミノはカルナをコネクトゾーンに置いた。
「くそ…来ない!ターンエンド!」
いやなんで龍種のモンスター入ってないデッキにカルナ、入れてんだよ!強くても使えなきゃ意味無いだろ!
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リアン5ターン目
「大丈夫か〜?そんな雑魚デッキで!」
「…」
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「ストーリーカード(魔術)"龍の招集"をコネクト消費1で発動」
カードを3枚ドローする。
「さらに、ストーリーカード(魔術)"鎖編み"をコネクトを消費する代わりに手札を一枚捨て発動」
デッキの一番上のカードをコネクトゾーンに置く。
「そしてコネクト4で"エインドット"をチェイン。チェイン時スキル、リロード。山札の上から二枚を墓地に置き墓地の好きなカード一枚をデッキに戻してシャッフルする」
「バトルフェイズ、"エインドット"で"ニトロシード"を攻撃」
パーツを無理矢理つけたような錆びついた機械が体から銃身を出しでかい種を撃つ。
種は弾け飛び大爆発を起こした。
「"灼熱纏うべスラ"で"アシラギの若葉"を攻撃」
炎を纏ったリザードマンが剣に炎を纏わせ"アシラギの若葉"を切り裂く。
戦闘ダメージ20与えアザミノのライフは170。
「"
スキルダメージ10でアザミノのライフは160。
「ターンエンド」
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アザミノ6ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「"
"
「"
「鎖の称号持つ花の王よその絢爛なる姿で敵を惑わし縛り付け、串刺し、蹂躙せよ!」
「"花鎖(かっさ) べオニア"」
一輪の黄色い花が地面から飛び出した蔦に飲み込まれる。蔦から出てきたのは巨大な牡丹だ。
巨大な赤い牡丹の中心がラフレシアのように穴が空いており、そこから伸びる数多の鎖が蠢く。
「"花鎖(かっさ) べオニア"のスキル、花鎖(かっさ)。1ターンに一度、相手のフィールドの最後にチェインしたモンスターをこのモンスターのコネクトアイテムとして装備する。このモンスターに装備されているコネクトアイテムを墓地に送り好きなカードを一枚手札に加える」
"花鎖(かっさ) べオニア"の穴から鎖を伸ばし"エインドット"を鎖で縛り付ける。
ずるずると穴の中に引き摺り込む。すると地面から新しい芽が生える。
「"自然の恵み"を手札に加え、"自然の恵み"をコネクト消費1で発動。デッキの上からカードを二枚ドローする」
新たに生まれた芽が萎れる。
「バトルフェイズ、"花鎖(かっさ) べオニア"で"灼熱纏うべスラ"を攻撃」
"花鎖(かっさ) べオニア"は日を浴びエネルギーを溜める。根と鎖を地面に刺し花の中心を"灼熱纏うべスラ"に向け溜まったエネルギーをレーザーに変換し"灼熱纏うべスラ"を焼き払う。
戦闘ダメージ20を受け残りライフ30。
「ターンエンド」
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リアン6ターン目
「お前のライフ残り30しか無いぞ〜無謀だったって認めろよ〜!」
こいつめっちゃ煽ってくるな。
ビキ…
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト消費3でストーリーカード(イベント)"機械仕掛けの契約"発動。自分のソウルモンスターが金属生命種の時発動できる。自分の墓地のカードを三枚をデッキの一番下に好きな順番で戻しデッキの上から三枚を墓地に送る」
「さらにストーリーカード(魔術)、"
19枚をデッキに戻しシャッフルする。そしてデッキから19枚引く。
「ソウルモンスター"
このターンデッキにカードを戻した枚数は22枚。よって220のスキルダメージを与える。
白い時計が変形し砲身を覗かせる。青い光を放つと"
winnerリアン・ミーサーク
「何だと!?僕が負けるはずが無い!僕は偉いんだぞ!」
俺はアザミノに近づく。
煽りには煽りで返さなければならないのだ!
こいつには俺が前世で最もイラつく煽りを見せてやろう。
近づきながら頭を左右にぶんぶんと振り真顔で言う。
「あれぇ〜…俺〜…何か〜…やっちゃいましたぁ〜〜〜〜〜〜????????」
「へ?」
アザミノは俺の唐突の行動に困惑する。
後ろの皆んなも固まっている。俺の行動が理解できていないのだろう。
しまった!こっちの世界では煽りとして使えないのか!
俺はこの微妙な空気の中、固まっているアザミノからカードを二枚奪いシズネの母とサリアに渡す。
これで一件落着!
固まりから返ったヘレン先輩が「速く空港に向かいましょう!」と先を促す。
背後に足を再び引きちぎられる絶叫を聴きながら。
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空港に到着するとグランミディアの飛行機が既に発進の準備を進めていた。
皆んなが乗り込もうとする。
俺は体を横にずらす。
グサッ
血が滴る。
「ぐっ…」
「え?」
すぐにサリアが近寄って来る。
周囲から疑問の声が聞こえる。
「なんで…?なんで貴女がこんな事を…?」
シズネの母が混乱しながら相手に聞く。
この人が一番理解できないだろう。何故なら相手は……何年も一緒にいた
「リアン君…」
アヤメさんが俺を呼ぶ。
俺には見えていた。アヤメさんが殺る目をしていたのを。
だから態と横にずれシズネの母親の後ろに入り俺が刺された。
刺された理由は単純だ。見えてるけど俺には防ぐ手段が無いし体が追いつかない。日頃の運動不足のせいだ。
幸い刺されたのが腕で良かった。すぐにサリアが止血してくれる。
「答えて!」
シズネの母が珍しく大声を出す。
「貴女が…!貴女の旦那が…!私の兄さんを殺したから!」
再びナイフを握り締めシズネの母に襲い掛かる。
しかし今度はサリアが前に出ると腕を掴み投げ技で見事倒した。流石、武家の娘!
「ガッ!」
「どういう事ですか?」
シズネが聞く。
「貴女達家族を捕まえた日、兄さんは捕獲班だった!それを貴女の旦那は!殺した!」
シズネの母は思い出した。最初に突撃した男が首を掻っ切られたのを。旦那がシズネと妻を守るために行動した事を。
「あの時の…」
アヤメさんが涙を流しながら話す。
「そうよ、本当は…貴女に復讐する為に近づいた。けど貴女は家族のいない私に家族のように優しくしてくれた…。けど今貴女が娘といるのを見て…幸せそうなのを見て抑えられなかった…!」
アヤメさんの独白は復讐心とシズネの母親への感謝でごちゃ混ぜになっていた。
こう垂れるアヤメさんにシズネの母がゆっくりと近づき、アヤメさんを抱きしめる。
「ごめんなさい先生、あなたの家族を殺してしまって」
アヤメさんは顔を上げ、シズネの母の顔を見る。
「いくら謝っても許して貰えないかもしれないけど、それでも貴女にはこれからも私の近くで支えて欲しい」
「なんで…?」
「私も貴女の事、家族のように感じていたんです…だから私達と家族としてこれから生きていきませんか?」
「良いんですか…?私は復讐しに来たんですよ?」
「はい。貴女は私にとって復讐者ではなく希望でした。貴女が娘達と合わせてくれた。先生が良い便りを私に届けてくれた」
そう言ってシズネの母はアヤメさんの黄色ではない…アヤメの花のような美しい青紫の髪を撫でる。
するとアヤメさんはシズネの母に抱きつき子供のように泣き出した。
母に泣きつくように。
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後日、神咲から使者がやってきた。
「神咲は今、変わろうとしています。血統派の不祥事が公になりこれから神咲は良い方向に向かっていくでしょう。そんな時、皇族が居ないのは国民も不安になると思います。今までの待遇、誠に申し訳ありませんでした」
そう言って使者一同は頭を深く下げる。
「どうか神咲に帰ってきてくださいませんでしょうか?」
シズネの母はそれに了承し、シズネとアヤメを連れて帰ることになった。
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空港で俺達は別れの挨拶をしていた。
「シズネさん、リアンさん、本当にありがとうございました」
シズネから感謝を伝えられる。
「いいわよ」
サリアは照れ臭そうにぶっきらぼうに答える。
「どういたしまして」
俺はただ付いてきただけだけど感謝は受け取る。人に感謝されるのは気持ち良いからね。
「それとリアンさん。すいませんでした」
「なにが?」
「サリアさんと約束したんです。お母さんを助けられたらリアンさんに謝るって」
へー。そんな約束してたんだ。
「良いよ良いよ。気にして無い」
まじでどうでもよかったからな…。
「それでリアンさんはサリアさんの事、どう思ってます?」
サリアの事?
「友達」
「そうですか」
シズネはニコニコした顔をする。
「では、これからはライバルとして、よろしくお願いしますね!」
何故かライバル認定された。
俺のライバルだと?まずは俺にチェインで勝ってからにして貰おうか!
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