第22話 妖花刀
「それでサリアが裏切り者はシズネだって言った後、サリアがシズネが君を裏切った事に怒ってシズネは私が殺すって言ったんだよ」
いや殺す必要は無いだろ。
「サリアがあんなこと言うなんて珍しいよ。相当気に入られてるね」
「ただの友達ですよ」
そんな事を話しているとスタジアムに到着した。
前世のサッカースタジアムよりデカい。
中に入るとヘレン先輩がこっちと誘導してくれる。
誘導された先にはVIP席が用意されていた。
名家すげー!
俺も座っていいのか聞くと「君は今狙われてるから」と言われた。
確かに普通に観客席に座ってて襲われたら被害が凄そう。
席に座ると丁度準決勝が始まるタイミングだった。
大きな音と共にサリアとシズネが入場して来る。
サリアはこちらを見ると少し顔を綻ばせ、隣にヘレン先輩が居ると気づくと睨み始めた。
ヘレン先輩が手を振っている。
この人嫌われてるのかな?
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大きい音と共に入場する。
実況がマイクで声を上げると、観客もウォー!!と声が上がる。
盛り上がりは十分。
これから始まる試合は準決勝。しかし私はこの大会に不満を持っていた。お膳立てされ出された大会。そして目の前の相手。
シズネ・フロード。リアンを裏切った人間。
遂にこの時が来た。この女を私は殺す。
どんな理由があろうと許さない。
実況が開始の合図をする。
「それではお二人方名乗りをお願いします!」
「サリア・コンティノール」
「シズネ・フロード」
私は殺意を込めながら叫ぶ。
「「チェイン」」
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サリア4ターン目。
サリアの盤面はコネクト3、フィールドにモンスターは居ない。手札は四枚、墓地0枚、ライフは200。
シズネの盤面はコネクト3、フィールドにモンスターなし。手札は5枚、墓地1枚、ライフは200。
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト4で"灼熱纏うベスラ"をチェイン」
「そして、ストーリーカード(魔術)"龍の招集"をコネクト消費1で発動、自分のフィールドのモンスターが1体以下なら、デッキの上から3枚をドロー」
「更に、ストーリーカード(魔術)"鎖編み"をコネクトを消費する代わりに手札を一枚捨て発動。デッキ一番上のカードをコネクトゾーンに置くわ」
「バトルフェイズ、"灼熱纏うベスラ"でソウルアタックよ」
「"繋がれた龍像"のスキル発動龍気、自分のコネクト4以上の龍種が攻撃する時、そのモンスターの結合力(c)を10上げるわ」
"灼熱纏うベスラ"の結合力(c)は50となっている。よってシズネのライフは150。
うまくいったわね、リアンに教えてもらった序盤の動き。
コネクトが4貯まったら"灼熱纏うベスラ"で速攻のケアをし、"龍の招集"で"鎖編み"を引きコネクトを消費せずに手札を一枚増やす黄金
「私はこれでターンエンドよ」
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シズネ4ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト4で"花武者 五右衛門"をチェイン。"花武者 五右衛門"のチェイン時スキル華舞。ソウルモンスターが植生種のモンスターならデッキから一枚ドローします」
「次にコネクト4で"花武者 義央"をチェイン」
「バトルフェイズ、"花武者 義央"で"灼熱纏うベスラ"を攻撃。"花武者 義央"の攻撃時スキル発動、剣術。バトル中結合力(c)を10上げます」
"花武者 義央"は蔦が人の形をし鎧を着た、不気味な姿をしていた。"花武者 義央"は腰に下げている刀を抜くと"灼熱纏うベスラ"を切り刻む。
サリアは戦闘ダメージを10もらい、ライフは190。
「続いて"花武者 五右衛門"でソウルアタック」
サリアは40ダメージをくらい、ライフは150となった。
「ターンエンドです」
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「なんでアンタはリアンを裏切ったの?」
「何の事ですか?私は最初からカンザキの人間です」
「最初から裏切るつもりだったのかしら?」
「そうですね。でなければあのような男と関わろうとは思わないですよ」
「…そう」
サリアの目がスッと細められた。
サリア5ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「"疾風ゼイリード"をコネクト4でチェイン。チェイン時スキル発動、疾風加速。デッキから1枚ドロー」
「そして、"疾風ゼイリード"にコネクト5でWチェイン」
「"旋風フェルムート"!」
"疾風ゼイリード"が光に包まれる。そして、光の中から全身緑色の鱗に覆われたドラゴンが現れる。
「"旋風フェルムート"のWチェイン時スキル旋風走破。デッキの上から二枚をドロー」
「"旋風フェルムート"で"花武者 義央"を攻撃」
「"繋がれた龍像の"スキル発動龍気、自分のコネクト4以上の龍種が攻撃する時、そのモンスターの結合力(c)を10上げる
」
"旋風フェルムート"が吠えると雨が降り出し風が吹き出す。
"旋風フェルムート"は一気に空を駆け上ると途端に落ち始める。だんだんと加速していき嵐と共に"花武者 義央"に突っ込む。
"花武者 義央"は蔦が引き裂かれボロボロと崩れていった。
シズネに戦闘ダメージ20与え、ライフは残り140。
「ターンエンドよ」
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シズネ5ターン目
「ドローです」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト4で"花武者 義央"をチェイン」
「そして…コネクト5で"花武者 義央"にWチェイン」
「華々しく散る花弁は神が咲く国カンザキに栄光と繁栄を齎す。国の勝利の為に!」
「"花武将 義宗"!」
蔦で作られている"花武者 義央"を更に太い蔦が覆っていく。そして現れたのは右の腕の上に更にもう一本腕を生やし、鎧を着た武将の姿であった。
「これで終わりではありません。ストーリーカード(コネクトアイテム)、"妖花刀 桜渦剣蘭(おうかけんらん)"を"花武将 義宗"に装備します」
いつの間にかフィールドに桜の木が咲いていた。"花武将 義宗"は桜の木の幹に腕を突き刺す。引き抜くと桜の花びらが散っていく。
"花武将 義宗"は淡い桜色のオーラを纏う刀を握っていた。
「"妖花刀 桜渦剣蘭(おうかけんらん)"は装備した時、手札を好きな枚数捨てます。そして捨てた枚数×10結合力を上げます。手札は一枚なので一枚捨て結合力(c)10アップします」
そう言ってカードを一枚捨てる
「バトルフェイズ、"花武将 義宗"で"旋風フェルムート"を攻撃」
「"花武将 義宗"の攻撃時スキル、ニ腕。攻撃する時、結合力(c)20上げます」
「更にソウルモンスター"妖花刀の鞘"のスキル、花紅柳緑(かこうりゅうりょく)」
「装備モンスターの攻撃時、結合力(c)を10上げます」
「"花武将 義宗"の今の結合力(c)は90!行きなさい"花武将 義宗"!」
"花武将 義宗"は右の二つの腕と左腕で"妖花刀 桜渦剣蘭"を持ち上段の構えをとる。
そして、一刀のもと巨大なドラゴンを切り伏せた。
40ダメージを受けサリアのライフは110。
「"花武者 五右衛門"でソウルアタック」
更に40のダメージを受け残りライフ70。
「ターンエンドです」
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サリア6ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「コネクト6で"ガエルロック"をチェイン」
「チェイン時スキル発動、溶岩弾。相手のコネクトゾーンの最後にコネクトしたカードを破壊する」
"ガエルロック"が溶岩の弾丸を"花武将 義宗"に放つ。"花武将 義宗"は"妖花刀 桜渦剣蘭"を構え溶岩の弾丸を切り裂いた。
しかし、刀は半ばから溶けて破壊されてしまった。
「ストーリーカード(魔術)"龍の招集"をコネクト消費1で発動、自分のフィールドのモンスターが1体以下なら、デッキの上から3枚をドロー」
「私はこれでターンエンドよ」
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シズネ6ターン目
「ドロー」
「コネクトフェイズ」
「メインフェイズ」
「バトルフェイズ、"花武将 義宗"で"ガエルロック"を攻撃」
「"花武将 義宗"の攻撃時スキル、ニ腕。攻撃する時、結合力(c)20上げます」
"花武将 義宗"は腰に下げた刀を抜くと"ガエルロック"の背後に回り、手足を切断する。身動きの取れない"ガエルロック"の首を刈り取るとひび割れたように破壊された。
戦闘ダメージ10を受けライフは60。
「"花武者 五右衛門"でソウルアタック」
ソウルアタックをくらい残りライフ20。
「次のターンで終わりにさせて頂きます。ターンエンド」
シズネはフフッと勝ちを確信した笑みを浮かべる。
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