第7話 カードの見方

昨日、グランと戦った事で先生に呼び出された。


なぜ呼び出しを食らっているのか分からなかったが、本来他国の生徒とチェインをする事は禁止らしい。


他国とは戦争状態なので無闇にチェインをしてカードを晒すなといことらしい。


自国しか持ってないカードやデッキレシピなどがあり戦略を読まれない為に国家機密になっているカードもある。


事情を説明しながら俺の他にもチェインをしていた奴がいたとチクッといた。


先生は事情を理解してくれ、その生徒も呼び出すらしい。


ざまぁみろ。


俺が教室に戻ると授業が始まっていた。


今日はカードの見方についての授業だ。


「チェインのカードは大きく分けて3つあります。1つ目はモンスターカード、2つ目はストーリーカード、3つ目はイベントカード」

「1つ目のモンスターカードについて説明します。モンスターカードは場に出して攻撃し、相手のライフを削る役割を持つカードです。まず左上の数字はコネクト数と言い、コネクトゾーンにあるカードの枚数によりチェイン(召喚)できるかを確認します」

「モンスターカードの左右についている半円に鎖のマークが付いている場所をチェインマーカーと言い、チェイン(召喚)する時は横のチェインマーカーが揃うようにしてチェイン(召喚)して下さい」

「イラストの下に書いてある文章はそのモンスターのスキルです。スキルは出した時に発動したり、攻撃する時だったり常在スキルもあります。常在スキルは基本コネクト0のモンスターが持っているスキルですね」

「左下に書いてあるc10というのは結合力の事です。結合力を簡単に表記する為、cになっています」

「結合力の右に書いてあるのが種族で、使用するカードの条件等に使用されます」

「2つ目はストーリーカードについてです。ストーリーカードは補助や相手の妨害の役割を持っているカードです。ストーリーカードの特徴はコネクトを消費するという点です。左上の数字の数、コネクトゾーンのカードを左から順に墓地に置く事で、ストーリーカードを発動する事ができます。コネクトはチェイン(召喚)に必要な物なのでストーリーカードを使用する際は注意して使ってください」

「ストーリーカードには分類があり、魔術、イベントのニ種類あります」

「最後にイベントカードについて詳しく説明します。イベントカードは分類上ストーリーカードと同じカードなのですが、違う点があります。それはコネクトゾーンに裏向きにセットする事ができる点です。セットされたイベントカードは左上のコネクト数がコネクトゾーンにあるカードの枚数に足りていれば発動できます。それ以外にも、ストーリーカードの様にコネクトを消費して発動する事もできます。セットするタイミングはコネクトフェイズにセットできセットした次の相手のターンから好きなタイミングで発動できます。しかし、発動するタイミングが記載されているカードもあるので注意して下さい」


先生は実物のカードをタブレットに写して見せながら説明してくれたので凄く分かりやすかった。


「ここまでで質問がある人はいますか?」


「はい」


そう言って手を挙げたのはシズネだった。


「Wチェインモンスターについての説明をお願いします」


「フロードさんは勉強熱心なのですね。ですが、Wチェインについては2年生の範囲なので少しだけ話します」

「Wチェインモンスターとは1体のモンスターに2体のモンスターがチェインする事です。Wチェインをする時、既にチェイン(召喚)されているモンスターカードに重ねてチェイン(召喚)する事で成立します。それ以外は基本モンスターカードと変わりありません」


Wチェインモンスターについての説明を終わると丁度、授業の終わりのチャイムが鳴った。


「今日はここまでです。次の授業目ではフィールドの見方について説明します」


そう言うと先生は教室を出て行った。


昨日夜遅くまでデッキを組んでいたので眠い。


だが、眠気より早く組んだデッキを使いたかったのでサリアに声を掛けた。


「サリア、今日バトルしない?」


「いいわよ」


サリアがそう答えたので他の人も来るかなと様子を伺っていると


「誰も来ないわよ」


と言われた。


昨日はサリアがカードショップに行くと言ったらみんな着いて来たのに何でだと疑問に思っていると


「あんた、避けられてるのよ」


と言われた。


「何で?」


「リアンが他国の生徒とチェインした噂が広がって、不良認定されたのよ」


驚いた。他国な生徒とチェインするだけで避けられるほどになるとは思わなかった。


まぁいっか。


チェインはサリアが付き合ってくれるので対戦相手に不足はないし、サリアに用事があったらネット対戦に籠もればいい。


ネット対戦は自分のデッキをスキャンして自動でデータ化してくれる。


便利な時代になったなと思っていると


「私もお相手して宜しいでしょうか?」


「いいよ」


被験体2人目ゲット


折角なので昨日のカードショップでやろうということになり2人と一緒に昨日のカードショップへ向かおうとしたところで、


「おいおい、リアン君よー。お前最近調子に乗ってんじゃねーの?」


話し掛けてきたのは昨日、最初に声を掛けてきたチャラい系の男3人組である。


俺は何故そんな事を言われているのか分からなかったから、とりあえず


「そんな事ないですよ〜」


とごま擦りしながら答えた。


「は?こいつやばくね!」


「キモすぎ〜」


3人の内、1番背の高いリーダー格の男が前に出た。


「お前舐めてるだろ」


相手は俺が舐めていると思ったのか俺の胸ぐらを掴みながら言った。


まぁ、正直舐めてる。


相手は中学生だ。


俺は前世で大学生だったから、ガキが喚いてるとしか思えない。


ここは大人な対応で余裕を見せつけてやる。


「あぁ?かかってこいやー!」


自分で言った事に驚いた。我ながら煽り耐性が無さすぎる。


しかし、カードゲーマーたる者ガキだろうと容赦なくボコボコにするものだ。


俺達はカードショップに行き、チェインをする事にした。

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