第6話 高校3年生①
初キスの翌日から僕は、山本のことを「乙葉」と下の名前で呼ぶようになった。
乙葉は、下校中はもちろん校内でも僕にくっついて歩いてくるのもあって、クラスメイトだけではなく先生達の間でも、僕達が付き合っていることが諸バレだった。
「お前ら幸せなのはいいけど、ちゃんと勉強しろよー」とか「1組の中村匠さん、しっかりやることはやりなさいね」とか親みたいな事を言ってくる先生も中にはいて、正直しんどいのも事実だ。
そんな感じでみんなに見守られながら、僕達は順調に付き合い続けあっという間に高校3年生になった。
「たっくんは、どこの大学に行こうと思っている感じなの?」
「んー、全然まだ決まってはないけど、親の期待通り公務員になれればそれでいいかなって」
僕の父親は、市役所で働く公務員だ。それもあってか母親は昔から僕に、将来は父親と同じ職業についてほしいと言い続けている。
今思えば、高校1年生の頃なんかは、男子が集るイコール(好きなAV女優は誰だ)とか(〇年〇組の誰々さんの胸がデカすぎて揉みたいよな)とかバカみたいな話ばかりしていたけど、高校3年生になり、みんな一気に気持ちが大人に近づくのか、バカみたいな話をする人数も減り、将来はこうなりたいと明確なビジョンを出すようになった。
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