主要登場人物紹介(第一章終幕時点)
○『竜斬り』ビトー
19歳。くすんだ灰色の髪、瞳。
片刃の大剣・
幼い頃罹った疫病のせいで、首から右上半身にかけて火傷のような痕がある。
同じ疫病で、両親を失くしている。自分も死の危機に瀕していたが、病から救ってくれたリコとリコの父親に大恩を感じている。
魔人の魔法により『竜の喚巫女』にされてしまったリコを助ける為、獣人の剣術『竜斬剣』を十年の修行の末に会得し、更に奥義ともいえる『真技・龍斬剣』を修めた。
年齢の割りに少年のような素直さだが、リコに危害を加える者には容赦ない。
○『竜の喚巫女』リコ・スグリィ
22歳。長い黒髪、深く黒い瞳。
端正な顔立ちと、染み一つ無い白い肌、細長い手足と、見た人に神秘的とさえ形容される美しさを持つ。だが、普段はその容姿を晒さないように黒いフード付きの外套を着ている。
11年前、医師であった父とともに疫病の蔓延した村を訪れ、ビトーと出逢う。村が疫病から救われた後も滞在を続けたが、薬草取りに出掛けた際に、白髪の魔人に『竜の喚巫女』にされてしまう。
その後、召喚された竜にビトーが怪我を負わされた事を期に、父娘共々村を出る。
『竜の喚巫女』として人々に疎まれ、恐れられる半生を送ってきた為に、常に諦観と憂いと哀しみを抱えて生きてきたが、ビトーとの再会で本来の性格を取り戻しつつある。
だが、まだ申し訳なさが先に立ってしまうところがある。
○フキ
38歳。竜斬剣の剣士で、『先生』の弟子。10年前、旅の途中、リコに召喚された竜に襲われたビトーを助け、命を救う。ビトーが『先生』の下で学ぶ切っ掛けとなった。
◆ロトリロ王国…大陸中央からやや北西の山岳地帯に位置する国。大陸10カ国中8番目の広さ。
法術先進三カ国の一つ。
○『凛雨の騎士』フラン・ロッティナ
24歳。肩の辺りで切り揃えられたストレートの金髪、濃い青の瞳。
本名フランチェスカ・ロッティナ。ロトリロ王国で四人しかいない『称号騎士』の一人。
尊敬する叔父『蓮湖の騎士ブルーノ・コンティス』が殺害された為、犯人を追って国外へ旅に出た。
○ルカ・ジャントーニ
16歳。クセのある茶色の髪と、青みがかかった黒い瞳。
フランの従者で、騎士を目指している少年。兎の獣人で、優れた聴覚と脚力を持つ。長い耳は、普段は三角帽子の中に隠している。
獣人で騎士になれた者はいないため、だからこそより騎士に相応しい言動を意識している。
◆プレミラ王国…大陸北東部から東部にかけて位置する国。10カ国中2番目の広さ。
街道の整備により国内の流通が活発で、経済的には割りと裕福な方。
○ルデマ・アルアレス
32歳。プレミラ王国首都リンドナルの商人。一代でそれなりの財を成したやり手で、本人も己の有能さを自負している。
国内の地方都市と首都との交易を主な生業としているが、リンドナルの裏側の商売にも精通しており、『教団』の事も知っていた。
ビトーへの恨みを晴らす為、腕利きの傭兵である『バスティアン小隊』に依頼しようとするが、交渉の際に『教団』の名を出してしまった為、バスティアンの九芒星が発動し何処かへ飛ばされてしまった。
○エッケイン
29歳。相棒が竜に殺されてもリコの心配をする良い人。
ルデマと袂を分かった後、旅の途中で走竜に襲われ、ビトーに助けられる。その後もビトーを放っておけずに追いかけた良い人。
現在は首都リンドナルに滞在。
○ニッキー
レスタルの町の明るい女の子。かわいい。
○マニー
レスタルの町のちょっと引っ込み思案な女の子。かわいい。
○『金眼』マルティン・デルゴー
27歳。金色の瞳と、乾いた銀髪、浅黒い肌の痩身の男。元は他国の出身。
二本のダガーと風の法術を武器に戦う。二年前までは凄腕の殺し屋として、リンドナルの裏社会で名を馳せていた。とある依頼で訪れたレスタルの町でリコと出会い、薬屋の常連となる。密かに町の周りの竜を狩り、生計を立てていた。
ビトーとの戦いの後、和解し、魔人について調べている。現在は、『バスティアン小隊』を探っている。
○ダレン・コッペル辺境伯
37歳。コッペル辺境伯領の領主。
カリスマ性のあった前領主である亡き父と比べられる事も多いが、自分は父とは違うと割り切っていて、実務においては父以上の才を持つ。
コッペル領の中心都市トメンレアが竜に襲われた際、解決したビトーの言葉を受け、民を守る為に、自領をより良くするように奮闘中。
○『ナイトメア』バスティアン
38歳。サイドを刈り込んで、上を逆立たせた白髪。
『赤い悪夢』の異名を持つ傭兵隊『バスティアン小隊』の隊長。
胸に九芒星を刻まれており、彼から『教団』の事を探ろうとすると発動し、質問者を何処かへ連れ去ってしまう。その発動にバスティアン自身の意思は関わりない。
○ハビィ・エルリート
バスティアン小隊隊員。17歳。カールした栗色の髪と、同じ色の瞳。
小柄な少年だが、遭遇したディーディエはハビィが強者である事を即座に見抜いていた。
○アールマン・エニライ
バスティアン小隊隊員。26歳。黒髪のもじゃもじゃ頭の、大柄な男。
単純で大雑把な性格。
○ルク・ショウベル
バスティアン小隊隊員。22歳。短髪のアッシュブロンドの上に、赤いスカーフをバンダナの様に巻いている。
丁寧な口調で、理知的なタイプ。
◆剣都ソーディン…大陸西部のデフェーンと南西部のイルディリムの国境沿いにある、都市国家。国土の広さは当然、10カ国中10番目。聖戦剣の総本山。
○『聖戦十二階段・第三段』ゼップ・ヴァルター
白髪と白髭の老剣士。ソーディンのトップである『聖戦十二階段』の中では、二番目の古株。
堅苦しいことは好きではない、自由と酒を愛する剣士。その取っ付き易い性格と、長年の活躍で、他国にもファンが多い。
○セイジ・サーグナー
19歳。茶色い髪と焦茶の瞳。
聖戦剣の剣士で、ゼップの弟子。明るく、師匠にもずけずけと言いたい事を言う。
リリアンと同じ孤児院の出身で、ゼップに才能を見出され、弟子入りする。
○『聖戦十二階段・第二段』ウィルシード・シュクルット
20歳。白金色の髪と、エメラルドグリーンの瞳。
『聖戦十二階段』最年少でありながら、最強格の一人。(尚、聖戦十二階段の段数は強さの序列ではない。)
見目麗しい姿で、女性人気が高い。イルディリム皇国の皇女ラフィーナと、秘密の恋人関係、というゲームを遂行中。
◆トゥルコワン法国…大陸のほぼ中央に位置する。10カ国中5番目の広さ。
法術先進三カ国の中でも、最も研究が盛んで、優秀な法術士が多い。
○リリアン・サナリー
15歳。二つ結びにしたふわふわの赤茶色の髪と、緑の瞳。
セイジと同じ孤児院の出身。セイジに憧れていた。魔力の潜在量を買われ、トゥルコワン法術学院に特待生として入学するが、法術が全く出来ず、落ちこぼれ扱いだった。
トメンレアでルカと出会い、そしてビトーやリコと会った事で、魔力の使い方を覚え始める。
魔力が強いものだけが出来る魔力石の目利きを行った事で、その才能をパトリスに見出される。
○パトリス・パティールラ
45歳。トゥルコワン法術学院の筆頭教諭であり、トゥルコワン法術庁の官僚。上司にあたる法術学院長は、師匠でもある。
トゥルコワンで、ある法術研究の責任者をしており、その開発の為トメンレアで魔力石を大量に得ようとしている。
○ベルナール
41歳。トメンレアに駐在する、トゥルコワン外史。
パトリスに協力し、魔力石をコッペル領から確保しようとしている。
◆メノテウス公国…大陸中央部からやや南東より、四方を強国に囲まれた盆地にある小国。
10カ国中9番目で、都市国家ソーディンを除けば最も小さい国。
○『破軍』レオーネ・スティファーノ
30歳。長い黒髪を無造作に束ねている。身長2mを超える大男。
メノテウス唯一の将軍で、圧倒的な個の力で公国を護り続け、防衛戦無敗を誇る。
豪快な性格で、部下にも国民にも慕われており、公王にも頼りにされている。
○モリナ・パラシオス
23歳。編み込んだ茶色の髪は、解けば腰まで届く。
公国所属の法術士で、若いが国内トップクラスの法術の使い手。レオーネのお目付け役的な立場であり、よく城内を駆け回って探している姿が見られる。
◆イルディリム皇国…大陸の南西部一帯を治める。10カ国中最も広い国土を持つ。
○『天使姫』ラフィーナ・ファン・レンストラ
16歳。少しオレンジの入った茶色の髪と瞳。
イルディリム皇国の第四皇女。皇女としての学習では、姉妹の中では最も優秀であるが、全てを退屈に感じており、他の姉妹との折り合いが良くない。代わりに、その明晰さ故に話が合うため、腹違いの二人の兄には可愛がられている。
自分の退屈さを消してくれる相手として、恋人にウィルシードを指名する。
○レンストラ皇
55歳。第19代イルディリム皇。王朝としては、大陸で最も長い。
ラフィーナと同じ色の髪と長い髭がトレードマーク。
○セドルフ・ライドンク
50歳。騎士団長。イルディリムの称号騎士は七つの隊の隊長を務めており、それを束ねるセドルフは『騎士の国』の騎士の頂点である。その為、かなりの権力者。
皇家への忠誠心は厚いが、より騎士団の力を増大したいとも考えている。
○『烈花の騎士』バーテリウス
28歳。イルディリム騎士団・烈花隊の隊長。
御前試合でウィルシードに遅れをとったが、勝者を本心で称える人格者。
◆『商団』…魔人の組織の一つ。本部はグアルディル王国にあるが、各国に幹部を配置している。
○『商団長』ピノ
真紅の髪と、薄紫の瞳。艶やかな美人。
見た目は40歳手前位だが、魔人の寿命は人間の三倍はある為、実年齢はもっと高い。
表向きは人間として、ウィーグリー商会の代表をやっている。裏では魔人の組織『商団』の団長で、『商団』で得た竜の素材を、ウィーグリー商会で販売するのが主な仕事。
魔人としては珍しく宝石や服飾、芸術、豪華な食事など、人間の文化での贅沢が好きで、その為のお金を稼ぐのも大好き。
商才だけでなく、実際の強さも『商団』最強で、それ故、力自慢の魔人達が大人しく従っている。
○セインド
ピノと同年代。黒髪のオールバック、薄紫の瞳。
ピノの参謀を務め、『商団』の幹部を纒めている。
魔人の中ではかなり冷静で知性的な人物だが、ピノのように人間の贅沢に興味はなく、その意味では非常に魔人らしい。
○ディーディエ
見た目は20代前半。濃い紫の髪と瞳だが、リンドナル滞在中は金髪碧眼に変えていた。
『商団』のプレミラ担当幹部。
戦闘法は拳闘がメイン。魔人の中でも特に魔力が高く、生粋の武闘派。力に対する拘りが強い。
ピノの強さに憧れを抱いており、彼女を超える事が目標。
ビトーとの戦いで重傷を負い、現在療養中。
○ラシナ
見た目は20歳前後の女性。襟元で切り揃えた少し赤みがかった茶髪、薄紫の瞳。
潜入、偵察など特殊工作を担う、商団特務隊の一員。
ピノの命を受けた特務隊長グエルヤが、ディーディエの下へ派遣した。
攻撃魔法は使えないが、竜の通信網を拡大・情報を集約する等、特殊な魔法が使える。
○ドロモ
見た目は30代半ば。小柄で、
ディーディエの直属の部下だが、強さに重きを置くディーディエの事を「先祖返り」として内心見下していた。
しかし彼も魔人としての強さで人間を馬鹿にしており、ある意味古き魔人の性質を色濃く持っていた。
魔法と魔人の身体能力で戦うが近接戦闘は素人であり、ビトーに敗れた。
○スレイ
見た目は20代半ば。大柄で、戦斧を武器とする肉体派。
ドロモとは逆にディーディエの事を尊敬している。
竜を嗾けてトメンレアを襲わせるが、ビトーに返り討ちにあい、自身も重傷を負うが、ボニーの治療で一命を取り留めた。
○ボニー
見た目は20代後半。金色の短髪、濃い紫の瞳。
細身ながら鍛え上げられた肉体を持つ男性だが、立ち居振る舞いと言葉使いは女性。
『商団』には少ない治癒魔法の使い手。ディーディエが少年の頃から、無茶ばかりする彼の治療役だった。
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