僕が平和の国の女王になるまでのお話、カーテンを開けばそこには知らない世界が広がっていた、男だと思っていた僕はこの世界ではどうやら本物の女の子で、しかも何処かの皇国のお姫様らしいのだが
第10話 History of White Snow Empire
第10話 History of White Snow Empire
この本を開けば、何か後戻りが出来ないような気がしたが、その不安よりも僕自身彼女について知りたいという願望の方が勝っていた。
そう……これを読めば彼女(ユートピュア)の過去が少しでも明らかになる。
それに瓜二つの顔を持つ僕が、この世界で生きて行くために、今後の処世術として必要になることに間違いはない。記憶喪失だとなっている僕には、大変有難い一冊だ。
だが、この本って物凄く分厚い……読むのに何日掛かるのやら、それに題名は読めたけど、中を開いてもスラスラと読めるのだろうか?
ん? 題名が読めた? 何でだ! 何で題名を読むことが出来たんだ(驚)
徐にページを開いてみる。
中は表紙とは違い、結構紙が黄ばんでいるのが分かった。これはおそらく、ローゼンマリアさんが何度も何度も、繰り返し本を読み返した証拠なのだろう。
……不思議な事に文章が読める。
言葉が通じたとしても、文字までイコールとは限らないから、まさか文字まで読むことが可能だとは思わなかった。チートスキルという奴だろうか?
しかしまた面白いのは、まるで文体が英文の様に僕には見えた。
Of all the cities that bloomed along the Legaris and Legris rivers in ancient White Snow, none was grander than the Crystal.
Located north of Velmond.
The Crystal City has very high walls were surrounded for protected against the Devil's army. This wall was not only protected and also very beautiful sculptures on.
The spectacular magical ice gate was called ' Camellia' framed one entrance to the City.
Why this gate was named ' Camellia' ?
Its because Utopure wish this city protected by Eternal Love.
In fact, this was taken as a flower name either, Camellia has the meaning of ' Eternal Love'. ……
なるほど、ホワイトスノウ皇国が有る場所は、ヴェルモンドの北の位置に有り、その中でもクリスタルと言う都市はレガリス川とレグリス川沿いで栄えたどの都市よりも大きいらしい。
またその都市の周りにはとてつもなく高い壁に覆われており、主に魔族に対しての防壁の役割を持ち、また美しい彫刻も施されていると説明されている。
この都市に入る唯一の門はカメリアと呼ばれ、何故そう呼ばれてるかと言うと、ユートピュアがこの都市を永遠の愛に守られる事を願ったからで、またこの名前はカメリアと言う花から取り、その花の花言葉は”永遠の愛”と言う事だ。
まるで外国語の翻訳をしているみたいで、正しく読めているのかは? 分からないが、まあおおよその意味はあっているので、問題は無いだろう。
しかしさすがにこんなに分厚いと速読が出来ても時間が掛かりそうなので、一旦本を閉じた。
するとそれを待っていたかの様に、彼女は眼をキラキラさせて僕に尋ねた。
「どうでしょうか?」
「すいません、自分の国の本なのでしょうけど、文字を忘れてしまっているのか? スラスラ読むことが出来なくて、まるで外国の国の本を読んでいるみたいで、翻訳をしながらじゃ無いと読めそうに無いです」
「ああ、ごめんなさい。これはホワイトスノー国の歴史について説明をしている本なのですが、この編纂者は貴女の国の人間では無いので、当然書かれている言語も違うんですの。なので、スラスラ読めないのは当然ですわ」
「そうなんですね」
「はい、あとさっき影響を受けたってのが、このページのところです。」
細くて繊細な硝子細工のような指でページを捲ると、小さな唇は弾む感じで楽し気に言葉を語り、艶っぽく対象のページの文字を指てなぞった。
The White Snow Empire was incredible only because of a woman.
Her name was Utopure.
Sounds like as if a cross between ' utopia ' and ' pure '.
She was the most beautiful and smart lady in the World. …………
Her hobby was reading books. As a child ,she was called a bookworm. When she was twelve, already finish reading almost of all books in the national library of the WS.
She decided to learn another language in order to read books from another country.
Not only learned human language also study the other tribes as well.
Every person in the Empire was astonished when she mastered and spoke the language of the demons. …………
差し示された箇所を読むと、これはユートピュアの紹介がされていた。名前の由来の解釈が、自分が当てずっぽうで考えた発想と同じで……若干引いたが、容姿についての説明の後の内容には物凄く興味を惹かれた。
本を読むのが趣味で、12歳迄に国立図書館の本を読み終え、他の国の本も読むために、世界を旅し、他の国の言語も学んだと書かれていた。
それよりも何よりも凄いのは、彼女が魔族の言葉までも習得してしまったことだ。
その他にもあらゆる魔法について精通していたり、建築学、薬学、生物学と色んな分野でも博士号を取得しているのには、もう開いた口が塞がらないほど驚いてはいたが、それは心の中にだけ留め、彼女の前では平然を装っていた。
だって仮にもこの人物はいま僕と言うことになっているのだから、内容を見て驚いていたら怪しまれることになる。
せっかく心を開いてくれて、彼女とは仲良くなれそうなのだから……
実際目の前にいるローゼンマリアさんは、一切疑うこともなく、100%僕をユートピュアさんだと思い込んでいる。
それに僕を見る彼女の熱い視線が一段階上がった気がする。彼女は自席につかず、腰を浮かして、若干前のめりになりながら、質問良いですか? と言わんばかりに頭の横の高さに手を上げていた。
ここは学校じゃないんだけど……ローゼンマリアさん(汗)
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