第36話 上位スキル

 地上に転移した俺は、そのままダンジョン前の広場に寄った。


 ダンジョン前の広場には、様々な店が立ち並んでいる。

 

 ダンジョン内での食糧を扱う店、探索者は基本ダンジョンに入る前にここで昼食やら夕飯を買うのが一般的だ。


 そしてポーションや探索に使えるアイテムなどが売っている店や武器防具の店がある。

 他にも色々商売する店があるが、基本的にはこの3種の店は必ずある。


 俺が向かったのは武器屋で、サクヤの矢を買いにきた。

 防具もそろそろ新調しようか考えてはいるが、現在は保留にしている。

 次のB級の眷属が「龍装」を使える眷属だとしたら、防具になる可能性が高いと考えている。


 リトスはアクセサリー、ディーンは足に装備するグリーヴ。

 次はおそらく、籠手とか鎧とかの上半身だと思うんだよね。

 だから防具はB級の眷属を見てから整えることにした。


 そして武器屋でミスリル製の矢を30本ほど購入した。

 矢は一本で5000円とかなり高い。

 合計で15万程になったが、C級探索者の割引で少し安くはなった。


 俺の所持金の方は問題ない。

 E級で一ヶ月潜ってた時に換金したお金と、ボス報酬のインゴットの分で200万ほどは貯まっている。


 


 そして家に帰ってきた後、夕飯やら2日ぶりの風呂を済ませた。


 寝る前に俺とリュートのスキルのレベルを上げてしまおう。


 そして余っているオーブで、俺のスキルレベルを上げた。

 現在の俺のステータスがこれだ。


 ______

 名前 天霧 英人

 Lv 50

 HP:6250/6250(5000+1000+250)

 MP :5800/5800(+800)

 龍気:124000


 筋力 :6250(5000+1000+250)

 耐久 :6250(5000+1000+250)

 器用 :5800(5000+800)

 敏捷 :6250(5000+1000+250)

 知力 :6250(5000+1000+250)

 

 スキル

 ・武術系

 剣術Lv10、弓術Lv5、槍術Lv5、斧術Lv5、短剣術Lv5、盾術Lv5、魔闘術Lv10、投擲術Lv10、

 ・魔法系

 火魔法Lv10、水魔法Lv5、風魔法Lv5、地魔法Lv5、光魔法Lv5、闇魔法Lv5、回復魔法Lv5

 ・強化系

 HP増強Lv1、MP強化Lv8、筋力増強Lv1、耐久増強Lv1、器用強化Lv8、敏捷増強Lv1、知力増強Lv1、

 ・耐性系

 上級火耐性Lv1、上級水耐性Lv1、上級風耐性Lv1、上級地耐性Lv1、上級光耐性Lv1、上級闇耐性Lv1、猛毒免疫Lv1、麻痺免疫Lv1

 ・特殊系

 気配察知Lv1、気配隠蔽Lv1、魔力察知Lv1、魔力遮断Lv8、危険察知Lv1、再生Lv1、MP自然回復速度上昇Lv6、神速思考Lv1、夜目Lv10、遠視Lv10、言語理解Lv1


 エクストラスキル

 龍剣術Lv10、龍闘術Lv10、龍圧、龍感覚、龍の心臓   


 コアスキル

 ・召喚・送喚・スキルガチャ・武装ガチャ・眷属召喚・ビルドシステム・インベントリ・龍脈回路・ネームド・魔石分解・魔石合成・武装合成・功績・部隊編成

 ______

 

 まず強化系のスキルが、MPと器用以外は上位スキルの「増強」に変わった。


「増強」系のスキルは固定で1000の上昇値に加えて、割合で数値が上昇する効果だ。

 割合は俺の素の値にかかるみたいで、今は素の数値5000の5%が上昇している。

 

 ______

 ・HP増強

 HP1000上昇。

 Lv1毎にHP5%が追加で上昇。(最大50%上昇)

 ______


 次に「耐性系」が全て上位スキルに進化した。


 ______

 ・上級火耐性

 火に対するダメージを50%軽減

 さらにレベル1毎に3%軽減率が上昇(最大80%)。

 自身のスキルで発生した火によるダメージをさらに20%軽減。

 ただし熱以外の影響は軽減できない。

 ______

 

 完全には無効にできないが、自分のスキルのダメージは最終的に無効にできるスキルだ。


 「熱以外は軽減できない」というのは、焔爆撃エクスプロージョンなどの爆風が発生するタイプの火魔法は、熱くはないが吹き飛ぶと言った具合だ。


 他の耐性スキルも、自爆しないような効果になっている。


 そして特殊系がいくつか上位スキルになっているが、初期スキルの効果をさらに拡張したスキル効果になっている。


 ちなみに上位スキルは、必要な魔石が10倍に跳ね上がっているため、これ以上のレベル上げはできなかった。


 例えば「HP強化Lv10」の状態から、「HP増強Lv1」にするのに10個。

 そしてレベル2にするには20個必要になる。

 最終的に550個のオーブが必要になる。

 ガチャで言ったら220000回引けば、全ての上位スキルのレベルが最大になる。


 まあ、魔石が必要なのは今更だ。

 地道に上げて行くしかない。


 上位スキルがあるのは今の所、強化系、耐性系、特殊系の三種類で、武術系と魔法系は進化できない。


 一般的な俺以外の探索者も、同じように武術系と魔法系には上位スキルが無い。


 今後俺のレベルアップで解放される可能性はゼロでは無いけど、あまり期待しない方がいいだろう。


 そして新しく習得した龍スキルは「龍の心臓」と言うスキルだ。


 ______

 ・龍の心臓

 龍気を使用する際の龍気のロスを軽減する。

「???」の効率を大幅に上昇させる。

「???」使用時の体への負荷を軽減する。

 ______


「???」の部分はスキルの名前だろうか?

 こういった他のスキルに影響するような能力は初めてだな。


 ロスが軽減されると言うことは、龍気の消費が減ったりするんだろうか?

 それとも単純に、威力が上がるとかか?


 まあ、ちゃんと検証しておく必要があるな。


 そして残りのオーブでリュートのスキルを上昇させた。


 ______

 名前:リュート

 種族:龍人族

 Lv 41

 HP:4100/4100

 MP :3875/3875

 龍気:4100/4100


 筋力:3075

 耐久:3075

 器用:3875(+24%)

 敏捷:4075(+6200+24%)

 知力:3075

 

 スキル

 ・武術系 

 龍短剣術Lv10、短剣術Lv10、魔闘術Lv10

 ・魔法系

 闇魔法Lv10

 ・強化系

 MP強化Lv8、器用強化Lv8、敏捷強化Lv10

 ・特殊系

 気配遮断Lv10、魔力遮断Lv8、魔力感知Lv10、気配感知Lv10、MP回復速度上昇Lv10、思考加速Lv10


 ・装備

「双龍の短剣」

「瞬風のグリーヴ」(Lv52、敏捷値+6200)

「トパーズ・リング」(Lv24 器用値+24%) 

「サファイア・リング」(Lv24 知力+24%)

 ______

 

 リュートはMPと器用のスキル以外はレベルが最大になった。

 上位スキルにするのはまだ先になりそう。

 その代わり、「部隊編成」の効果で「龍装」がパーティーメンバーにカウントされなくなったので、追加でジュエルドラゴンを二つ「龍装」している。


 本当は全ての指に「龍装」を装備したいところだが、試したら剣が振りにくくなったのでやめた。

 両手に一つずつ装備している状態だ。


 指輪が邪魔にならない魔法職のビルドだったら、知力の値が上昇する「サファイア」を全ての指に装備しても面白いかもしれない。

 10本の最大レベルの指輪を装備したら、それだけで知力が1000%上昇する。

 とんでもない威力になりそうだな……

 

 さて、やることはこれくらいかな?

 明日は三つ目のC級を攻略しないといけないから、さっさと寝るかな。


 いつものようにリトスを召喚し、ベッドに横になるとすぐに眠ってしまった。

 



 そして翌朝。


 庭で日課のトレーニングをしていると、鈴が声をかけてきた。


「お兄ちゃん? お兄ちゃんのファンが来てるよ!」


「ん? ファン?」


 誰だ? そんな知り合いいたかな……


 誰かが俺に会いに来たようだけど、誰だろう?


 そして鈴の後ろから、見覚えのある人物が出てきた。


「やあ! ミスター英人! このアーサーが君に会いにきたよ!」


 なんだアーサーさんか……というかアーサーさんは俺のファンなのか?


「この可憐な少女はもしかしなくても、ミスターの妹のプリンセス鈴嬢だね! 会えて嬉しいよ! 僕はアーサー、将来は――」

 

「アーサーさん、今日はどうしたんですか? と言うかなんで俺の家知ってるんです?」

 

 話が進まないので無理やり要件を聞いた。

 

「ミスターは有名だからね、家は調べれば直ぐにわかるさっ。そんなことより……今日はミスター、君に用があってね。単刀直入に言おう、僕とバディを組まないかい?」


「バディ? パーティーなら基本は断っているんですよ。申し訳ありません。俺はソロで続ける予定です」


 バディは多分パーティーのことだ。

 バディなんて言葉を使ってる人は多分この人くらいだろう。

 

 パーティーを増やすなら、俺の場合は眷属を増やした方がいいだろう。


 ルアンという人物がまた現れるかもしれないし、他の人を巻き込む訳にはいかない。


「そうか。今日は断られてしまったが、また日を改めるとしよう! それではミスター、またくるよ! 麗しき鈴嬢も、また会おう!」


「いや……今日たまたま断ったわけじゃ……」

 

 俺の話を聞く間も無く去ってしまった。

 なんなんだあの人……


「あの人アーサーチャンネルの人だよね? お兄ちゃんが助けた」


「そうだよ。というか、なんで知ってるの?」


「私リアルタイムで見てたもん。あの変な馬もちゃんと見たよ?」


 そうだった……俺がアーサーさんを助けた時は、動画がずっと配信されていたんだった。


「そうだったのか……あの馬はディーンって名前なんだ。今度紹介するよ」


「本当 ! ? 今度っていつ? 今じゃダメなの?」


「今日はちょっと急がないといけないから、また今度な?」


 そう、今日は三つ目のC級ダンジョンを攻略する予定だが、野営はしないで1日で攻略する予定だ。

  

 眷属も増えたし、ディーンとリトスのレベルも上がっている。

 道中は最低限の戦闘で終わらせて、ダンジョンを走り抜ける予定だ。

 いつもの夕飯の時間には帰ってきたい。


「はーい。いってらっしゃい! 頑張ってねお兄ちゃん!」


 鈴の激励を背に、俺はC級ダンジョンへ向かった。

 

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