神器錬成
『条件を達成しました』
『スキル【神器錬成】を獲得しました』
「お、おお……? なんか、新しいスキルを覚えたぞ」
場所は現実の、俺の家。
勇者ブレイバくんの武具一式を換金したら、新しいスキルを取得したようだ。
俺には【異世界のまれびと】という称号がある。
これの効果で、俺は常人を遥かに凌駕した成長速度を得られてるのだ。
「し、しかし……150億ってやばいな」
「やばすぎっすよ……税務署が動くんじゃないっすかね」
同居人JKの
「いや、電子マネーだし……そもそも異世界で得た金なんだが……」
それともかく。
150億円。宝くじ何回分だよ。まじで、これ。
「ちょおー大金もちっす! すげえっすよ!」
「う、ううむ……なんか申し訳なくなってきた」
俺より若い子から、150億円分の武具をもらったって思うと、ね。
『ならばその新しいスキルで、武具を作ってやるのはどうだ、我が主よ』
のフェリが、あくび交じりに言う。
た、確かに……そうだ。
「せっかく手に入れたスキルだ。活用してみよう」
■神器錬成(SSS):特定のアイテムをよりしろに、術者の魔力を吹き込むことで、神器に変換する。作られる神器は、変換前の素材、術者の付与する魔法・スキルに影響を受ける。
「付与魔法のすごい版みたいなもんか」
「よりしろってなんすかね?」
「素材となるアイテムってことじゃないか?」
ブレイバ君には武器と防具をプレゼントしよう。
武器……剣、剣か。
「あ。そうだ、あれを」
俺は土蔵へと向かい、物を取って、戻ってくる。
「これ、剣道の道具っすか?」
畳の上に置いたのは、俺が高校時代使っていた剣道の竹刀および防具だ。
「そう。俺、高校の時剣道部だったんだよ」
「はえー……意外っすわ」
「まあ弱小剣道部だったんだがな。数えるくらいしかメンバーいなかったし。顧問がOGだったし」
「卒業生っすか?」
「そう。ちょーおっかないひとでさ。今何してるのかな、
まあそれはさておきだ。
「竹刀を神器に変えるか。まあ……神器ってよくわからんが」
■神器(?):神のつくりしアイテム
……わ、わからん。
「まあいいや。神器錬成」
竹刀の上に、半透明なプレートが出現する。
手のひらの形をしていた。ここに手を乗せて魔力を吹き込めってことだろう。
また、魔法も付与できるみたいだな。
俺は無属性魔法の、【
「よし……ぐ、ぬぅううううう!」
こ、これ結構魔力が必要だぞ!
付与魔法なんかの比じゃないレベルで、魔力が吸い取られる……!
やがて……俺の身体から、今まで感じたことないくらいの魔力が吸い取られた。
かなり頭痛がする。いっつぅ~……これ連発はできんぞ。
「! 界人さん! 見てください、これ!」
ただの竹刀が、それはそれは見事な刀に変化していた。
■妖刀ヤマタノオロチ(SSS)
「おお、なんかすごそうな剣になったぞ」
「SSSランクってすげーっすよ! さすが界人さんっす!」
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