妖刀がやばすぎた剣



 現実にて。

 新しいスキル【神器錬成】を使ったところ、剣道の竹刀がなんかすっごい武器に変わった。


「妖刀って……これブレイバ君つかえるのか……?」


■妖刀ヤマタノオロチ(SSS):この世のありとあらゆる毒を生成する。使い手が使用者ランク未満だと、呪いをウケる。


 ほらー。やっぱりそうじゃん。


「もうちょっとマイルドな武器を作ろう」


 竹刀のスペアが確かまだあった。

 そっちをまた神器錬成で作ってあげるか。


「ま、今日はもうおしまいだけどな」

「なんでっすか?」


 JKなぎが俺に尋ねてくる。

 彼女は魔力切れ起こしたことないからわからないのか。まあしょうがない。


「神器錬成するとかなり魔力もってかれて、頭痛くなるんだよ」


 痛い思いをしてまで神器を作ろうとは思わん。


「なるほどっすねー。で、その妖刀? ってやつはどーすんすか?」

「俺が使おうかな。剣ってあんま使う機会無いけど」


 魔法が便利すぎてな。

 それでもまあ、いちおう作ったし、使ってみるか。


「つっても……どんなもんなのかな威力って」

世界扉ワールドドアで異世界行ってためしたほうがよくねーっすか?」

「もう今日は魔力使いたくないんだよな」


 ……と横着したのが、駄目だった。


 ばあさんの屋敷は田舎の山のなかにある。

 雑木林の前に立つ俺。


 妖刀を振り上げて、軽く下ろす。


 ひゅっ……!


「うん。なんもおきない。もうちょっと強く振った方が良いのか?」

「!? か、か、かいと……さん……あれ……」


 なぎが腰を抜かして、目の前を指さす。

 そこには……雑木林が……。


「な、ない……」


 生い茂っていた森の緑が、一瞬にして消えたのだ!


 スキル明鏡止水がなきゃ、普通にびびってたわ。


 あんなにたくさんあった木が全部枯れ果てているのだ。


「軽く振っただけで、山まるまる緑が消えるなんて……おっそろしいっすねこれ……」

「は、早めに再生しないと!」


 治癒魔法で直ぐに戻すことができた。

 頭痛いとか言ってる場合じゃなかったからな。


 しかし……やばすぎんだろ、妖刀。

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