エルフの姫様のプライドをベッドでたたき折った結果



 銀鳳ぎんおう商会のギルドマスターから、元王女のエルフ奴隷を購入した。

 のろい持ちだったんだが、俺の魔法【解呪】を使うことで、しゃべれるようになったわけだ。


 さて。

 俺は世界扉ワールドドアを使って、いったん異世界のばあさんの家へと帰ってきた。


「な、なんじゃ、この魔道具は!」


 扉をくぐっての、イージスの第一声。

 彼女は背の高い金髪の、スタイルのいいエルフだ。

 年齢はいくつくらいなんだろうか。


 姫様だからか、しゃべり方がちょっと古風だ。異世界ファンタジーにこんな日本風なしゃべりかた違和感覚えるけど。

 まあでも実際にイージスなど、異世界人って日本語しゃべってないんだよな。


 異世界語を俺の耳に届くときに、日本風に変換されてる感じ。

 だから、まあ一番適した形がこれってだけなんだろう。


「お、おい貴様!」

「え、なに?」

「今のはもしや、せ、世界扉ワールドドアではないのか!?」

「ああ。なんだ、知ってるのか?」


 まあエルフで、長生きしてるだろうし、知ってるか。


「し、信じられぬ……国宝級、いや、神話級のアイテムではないか。そのようなものを、貴様のような素性の知らぬ、卑しい輩がもっておるとは……」


 こいつしゃべれるようになったわけだけど、かなり口悪いな。


「あのね、イージス」

「呼び捨てにするな人間」


 腕を組んで、ふんぞり返っているイージス姫。

 これじゃどっちが主従かわからんぞ……。


「わらわのほうが年が上じゃ。1000は超えておる」

「ほぉ……」


 1000超えてるのに、見た目10代後半から20代前半なのか。

 まじでエルフって長生きなのな。


「人間よ、わらわを窮地から救ったことは褒めてやるぞ」

『ふはは、なんだこの女、奴隷の分際で偉そうではないか』


 フェンリル姿のフェリが面白そうに、大口を開けて笑う。

 確かに偉そうだなこいつ……。俺のが主人なのに。


「命令も、まあ首輪の魔法が効いているから、聞いてやってもいい。しかし心まで屈したわけではないし、貴様を主とは決して認めぬからな」


 マジで偉そう……。

 まあ、長く生きてる+元王族、相手は下等な人間、となれば、こんな態度になるんだろうなぁ。


 まあでもフェリも長く生きてる、すごい神獣なのだが、俺には好意的に接してくれてるが……。育ちの問題だろうか?


「ほれ、人間。早くわらわを部屋に案内せい」

「…………」


 うーん、この調子でずっと偉そうにされても困るんだが。


『そういうときは、命令するといいぞ』

「命令?」

『うむ。あやつには服従の魔法がかかっておる。主人からの命令は絶対に遵守する』

「それって永続的なもんなの?」

『いや、一時的だな』


 その都度命令してても面倒なだけだ。


『なると、手っ取り早く、相手に上下関係をたたき込まねばな!』

「上下関係って……どうやんだよ」

『閨をともにするにきまっとるだろう?』


 ね、ねや……って、おいおい、さっそくベッドインかよ。


『よいではないか、もとよりあの女は本物の性奴隷なのだ。抱いたところで何も問題はあるまい』

「まあそうだけど……」

「おい貴様! 何をぐずぐすしておるのじゃ! さっさとせぬか!」


 ……あー、確かにこの先、ずっと命令形で話されても、不快になるだけだな。

 よく知らない女からずっとこんな、きっつい態度と命令口調されるのも、不快感が大きい。


『それに主よ、吾輩は一つ、気づいたことがあるのだ』

「気づいたこと?」

『うむ。それはな、向こうの世界は、いろいろ発展してるということだ。こちらより、あらゆる面において、進んでいる』


 ? それって今更言うようなことか?


『ま、抱けばわかるだろう。おいエルフ女』

「わらわに命令するな、獣風情が」

『ふん。おぬしの主人が貴様との性行為を望んでいるぞ』


 じろり、とイージスが俺をにらみつけてくる。


「まったく、汚らわしい男よ。出会ってまだ知らぬ女を抱かせろとは?」

「いやあんたは、そういう奴隷なんだろ?」

「あんた? わらわはイージスだ。敬意を払わぬか、下等な人間が」


 ……あー、なんだろう。

 腹立ってきたな。なんか。


「【イージス、命令だ.抱かせろ】」

「ぐあ……!」


 イージスの身体から、くたぁ……と力が抜ける。

 なるほど、これが奴隷魔法なのか。


 ふらふらと立ち上がって、俺のそばにやってくる。

 ……ふわりと、めちゃくちゃ良い匂いがした。


 彼女が嫌な顔をしながら、俺にくっついてくる。


「あ……ぐ……あ……わ……わらわ、を……抱いて……くだ、さい……」


 ものすごく嫌そうな顔でそう言う。

 奴隷の魔法で、言いたくもないことを言わされてる感じなのだろう。


『くく、そんな強がりがいつまで通用するかな、エルフ姫?』

「なんじゃと?」

『いっとくが貴様の知ってる男と、そこの我が主とでは、物がちがうぞ?』


 もの?


「ふん。わらわとて房中術は心得ておる」


ぼーちゅー?


「王族は一定の歳をとると、王族教育の一環で、男と寝るのだ。子を作るため必要な訓練じゃ」

「ああ、あんた処女じゃないのな」 

「当然じゃ。わらわをそこらの生娘と同じにするでない」


 ふん、とイージスが鼻を鳴らす。


「貴様に買われてしまった以上、仕方ないから満足させてやろう。だがわらわが王族教育でならった房中術は、そんじょそこらの男なら、秒も立たずに昇天してしまうぞ? 貴様の粗末なものがどれくらい持つかな」


 ……なるほど、セックス術みたいなもんか。 

 それ込みで、イージスの値段が憶とかいう、バグった値段だったのな。


「まあいいや。ほら、ベッドこっちだから」

「ふん! どれ見せてもらおうか。貴様の粗末で貧弱なものを」


    ★


 で、2時間後。


『主よ、どうだったー?』


 ひょこっ、とフェリが顔をのぞかせる。

 ベッドの上では、全裸のイージスが白目をむいて、気絶している。


「いやこいつ……ザコすぎない?」


 あんだけ大口叩いてた分際で、始める前からノックダウン寸前だったんだが。


『くく……やはりな……』

「どういうこと?」

『主よ。この世界は現実と比べ諸々、未熟だといったろ?』

「ああ、そういやそうな」

『それはセックスについてもなのだ』


 え、どういうことだ……?


『この世界は、現実と違って性に対する技術と経験、知識が不足しているのだよ。現実はほれ、AVや本などで、行為を手軽に学習できるだろう?』

「ああ……。そっか、こっちには学習するお手本みたいなのがないのか」

『しかり。ゆえに、性行為はどうしても、口伝や、親からみたいな、狭い知識の伝承となる』


 確かにこのエルフ、前戯も知らなかったもんな。


『またこちらの女は自慰を知らぬのだよ』

「まじかいな……」


 だからあんな、ちょっと触っただけで魚みたいびくんびくんと、飛び跳ねていたのか。


『そして最大の違いを教えてやろう』

「おう。それは?」

『異世界人は、現実の人間と比べ……あそこが……小さい!』


 ……。

 ………………。

 ……………………。はぁ?


「え、あそこって、これ?」


 俺の【息子】を指さす。


『そう。たぶん食ってるものの違いなのだろう。異世界人の男はみな、ポークピッツみたいなもんで、すぐに出してしまう。一方で、現実の人間たるおぬしのそれは大きく、また、長く持つ』

「な、なる……ほど……」


 異世界人のあそこって小さくて、精力もあんまなのか……。

 まあフェリが言うとおり、食事の質が向こうとこっちとじゃ違うもんな……。


『結果、そこの偉そうにしてたエルフ女は、生娘みたいに嬌声をあげながら、果てまくったというわけじゃな。さすが我が主よ!』


 そうだったのか……。

 まあ、普段は偉そうにされても、ベッドであんだけ弱々のザコだったのを思えば、多少悪口も我慢できる、かな?

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