05.ここまでがプロローグ、はじまる第二の人生

 ……次に目を覚ましたとき、俺は、なぜか館のベッドに寝ていた。


「なんで!?」


 わけがわからん!

 だ、誰が運んでくれたのん……?


「万里ばあさん……?」


 そうだよ、ここはばあさんの屋敷なんだから、彼女がここにいてもおかしくない。


 でも、姿を表さないのはどういうことだ?


「ばあさん……なにやってんだよ」


 まだあの人の仕業とは決まってないけど、俺の中では確信があった。

 ばあさんは、なんかわからないけど、この異世界にいる。


 失踪扱いだったのは、異世界にいたから。

 そう考えれば辻褄があうんだ。


 ……問題は、彼女が姿を現さないことと、彼女の正体だ。


「まあ、もう本人に聞くしかないわな」


 切り替えてこ。

 さて、ベッド脇に、いろんなアイテムが置いてあった。

 ドラゴンっぽい鎧や、剣、大きな牙に宝玉?


「あのドラゴンの、ドロップ品か?」


 だとしたら、倒した俺が使う権利がある、よな?

 ためしに俺は近くにあった、宝玉を手に取って、等価交換を発動。


「お金にしておこ」


 空中に魔法陣が出現。


「ここに、いれろってか……?」


 俺は魔法陣に、宝玉を突っ込んでみると……。


 チャリンッ♪


 古式ゆかしい電子決済音が鳴るとどうじに、俺の目の前に……半透明の窓が開く。


【黒竜王の宝玉:5,000,000円】


「いち、じゅう……ひゃく……ご、五百万ぅううううううううううう!?」


 う、うそぉおお……!

 あんなワンパンで倒した竜から、ドロップした品が……五百万円だって!?


「まじで、あれすごいドラゴンだったのかも……すごいレベルアップもうなずけるな」


 しかし……すげえ、会社を首になってから……。

 この家で、異世界に来て……俺の人生は、180度変わった。


 すごい魔法、ばあちゃんの館やアイテム、武器、そして異世界チート能力。


「はは……すげえや、異世界……」


 こうして俺は、新しい人生をスタートすることになったのだった。

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