第一刃亜種の舟盛りのような情報量⑨


ネット社会はナチスの総統にして独裁者のアドルフ・ヒトラーの言った嘘を百回言えば真実になるという言葉を、混迷の中、顕在化させる事が多い。


暗く尊ばれる情報より、明るくても、心地よいならばそちらを優先してしまう。


それを度外視出来るのが、格闘技の勝敗である、勝利と敗北をあべこべにしようという試みはどこまでも愚かな発想であり、自尊心の崩壊を防ぐための錯乱である。


なので、荒井喜美と百羅零子がリングの上に上がった時、あらゆる情報は無意味になった、この次の瞬間のあらゆる戦闘行動が、彼女達の新しい可能性として昇華するだろう、そこのレフェリーがファイトと言った後、お互いがお互いを殴りかかる。


その一方で、執務室オーナールームにまだ、魚鷹梅香が留まっていた。


その部屋へ、カツン、カツンと、ハイヒールを高らかに響かせながら歩く者。


ギリギリギリと地面となにかが擦れる音が同時にそれに続いていた。


長物を持った武器使い、これはあからさまな殺意だった。


その部屋の扉が開き、廊下にいた存在、コスプレ衣装の安物やゴシックロリータ専門店ですら扱わないような高級生地をふんだんに使った紫と赤のドレスをしている。


赤い両目は充血しているというより、ただ、キラキラと緋色に輝いていた。


長く伸びた銀髪のツインテール、額には蝶々のタトゥーがされている。


どこかしらの本物のお嬢様に一瞬見えたが、それにしては纏うオーラが禍々しさが異常である、どこまでも、異常であり、それはの二文字を連想させる。


ニヤリと笑った口の中の犬歯はどうしようもなく発達して伸びていた。


「あんた、本物の吸血鬼ヴァンパイアだね?」


魚鷹梅香は彼女にそんな問いかけをする。


「あら、その程度の事ぐらい分かってくれてうれしいですわ、人間って愚かですからね、、それを日本では忍法、五車の術の恐車の術と言うのでしょう?まぁ、わらわをエリザベート・バートリーと一緒にされたくないですわねぇ、流血の風呂ブラッドバスより、流血の戦闘区域ブラッドバトルフィールドですよ、クヒヒヒヒヒッ!!」


そして、彼女は斧を振り上げて、降り下ろそうとする。


「妾の異名は太古の最強エルダーチャンピオン、そして、世界を喰らう者ワールドイーター、そんな妾の異能は超念狂理バロック、妾の名前はアナト・アザミ・N・マザーハーロットです!」


その名乗りに魚鷹梅香はストーカーの単語で片づけようとしたが、体を分断された。


音速、高速、神速、それすらも超える魔物の速度は9999はあっただろう。


しかし、ナノマシンによって、高速再生して、再度、臨戦態勢を整えた。


「私がやっているのは健康のための太極拳だけなんだがね………」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る