第一刃亜種の舟盛りのような情報量⑦


緋走が運営する闘技場とうぎじょう執務室オーナールーム、バッファローの剥製と魚鷹梅香がいた。


「バアサン‥‥‥」


彼女に話しかける。


そんな彼女は生むも言わさず物を渡す。


伽羅きゃらはベトナムの一部地域でのみ産出される、素晴らしい香りを持つ香木です。足利義政や織田信長など名だたる武将たちも好んで焚いていたと伝わっています。限られた資源のため現在では大変貴重なものとなっており、未だに価格上昇が続いています。伽羅はどんな香り? 伽羅はどんな香りかというと、非常に奥深く濃厚で、言葉では言い表せないような良い香りです。 常温でもほのかに香りますが、火をつけるとさらに幻想的でまろやかな芳香を放ちます。 少し甘さが感じられる優しい和の香りが代表的ですが、スパイシーな香りなど種類もさまざま。伽羅は、沈香の香木の芯から精製する、樹脂分の多い、良質の香である。 香木の意のサンスクリット語tagaraの音写「多伽羅」の略とする説と、黒沈香を意味するkalaguruの音略とする二つの説がある。 インドでは、仏を供養する荘厳のために香を焚いたり、身体に香粉を塗ったりし、また薬剤としても用いられた。その伽羅であった。


「どうも、ありがとうよ‥‥‥」


緋走は複雑そうな表情をした。


「ふんっ、お前の暴虐という欲望のためのハッピーバースデーってやつさ」


彼女の言葉は含みのある言い方だった。


「お前が格闘技マニアってのはなんていうか想定外のようでそれだけは狂気の沙汰って訳でもないようだね、お礼参り一つにいらない定理しんりがくが多かった、まぁ、お前は田舎街の不良との戦闘では満足感は得られないだろう、都会の闇を好む破壊する嘘つきメフィストフェレスだよ」


それに緋走はこんな事を言う。


「FINAL FANTASYをやった後でも俺はこう思う、それでも世界には様々な幻想ファンタジーが未開拓されている、俺はそれがどんな場合であっても好きなだけさ、問題あるか?」


魚鷹梅香はそれに対してこう返す。


「‥‥‥魔王として君臨したい気持ちも分かるが、お前は本来、ただの凡人だったよ」


彼を今更、凡人と形容する者は少ない。


緋走はそんな雑談を済ませて、VIPルームに向かう、途中、大噛正矢とすれ違うがあえて無視する、VIPルーム、その中で待っていたのは双橋仁九郎、羽影、ヤマトタケルで優勝して日本一のつわものと呼ばれる雷瀬覚がいた。


「緋走、極道の王、覇陸神はりくしん日裏派手無ひうらはでむと対となる覇海神はかいしん、亜王堂婆娑羅の孫‥‥!」


と、双橋仁九郎はそんな解釈を吐露する。


それに雷瀬覚は興醒めしつつある。


しかし、羽影はいつにもましてうきうきしていた。




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