Episode 02 才能


 花火師見習いの少女、スズナさんを私の対面に座るように促したアキトさんが、そのまま彼女に紅茶と茶菓子を用意して、私の隣に控えます。


「はじめまして。私はナギサ、そして彼はアキトです。それでお願いとは何でしょう?」

「花火に使う魔石を採取したいの。けれど、アタシだけでは倒せないどころか、目当ての魔物がいるエリアまで行くこともできなくて。だから手伝って欲しいのよ」


「護衛のクエストということですか?」

「そうだけど、そうじゃないわ。お金はないから。見せられるのは見習いのアタシの花火だけ」


 それは……随分と無茶なことを言いますね。それにしては妙に自信を感じます。私の反応が芳しくないと思ったのか、スズナさんは言葉を重ねます。


「無茶を言っているのはわかっている。けれど、アタシには才能がある。なのに、女って理由で親はアタシに花火を作らせてくれないの。だから何とかしたくて」


 なるほど。現実世界であれ、仮想世界であれ、親はいつだって子供に自分を押し付けるのでしょう。

 私の場合、幸いにも不都合はありませんでしたが、スズナさんは抗っているのですね。


 それにしても才能があるですか……。この世界の才能とは称号です。となると、少し面白いかもしれません。情報を集めるのには有益そうです。


「十日後に見習い花火師のコンテストがあるの。そこで三位までに入れば、新たな花火師として認められるわ。それに、結果を出せば、親もアタシのことを認めると約束したから」


 その約束を取り付けるのにも苦労したのでしょう。彼女の語気からも想像に難くありません。成果を誇る気持ちも理解できます。

 ですが、だからこそ疑問は残ります。


「スズナさんは才子ギフテッドなのですか?」

「ええ、そうよ」 

「才能があるというならば、戦闘面でも有利でしょう。見習いで三位に入るくらいの素材は集められるのではないですか?」


 星立人シュテラのステータスが判明する時期はまちまちですが、およそ五歳頃と言われています。時折、最初から称号を持つ子供もいまして、その子供たちは才子ギフテッドと呼ばれます。


 夢見人わたしたちの初期称号に比べて、『才能』や『加護』系統の称号が多い傾向にあるとも言われます。初期から称号持ちの確率は夢見人と然程変わらず、星立人も多く住む東都でも才子ギフテッドはいない年の方が多いそうです。


 称号はレアな分、効果は強力です。私たちの能力からも分かる通り、極めて有利な状況を生み出せる程度には。おそらく、意味があるからこそ称号となるのでしょう。


 見習いの試験にそこまでの素材が求められるとは思えませんし、たとえ戦闘向きの才能でなくても他の方よりはとても有利なはずです。

 私たちに助力を求めることにどれ程の意味があるのでしょうか。


「確かにアタシの実力だけでも三位にはなれるかもしれないわ。けれど、アタシは一位になりたいの。素材さえあれば、アタシは負けない」

「……自信は、あるのですね。なぜ一位になりたいのですか?」


「世界を、変えるためよ。まだアタシたちの街には女が花火師になるのは良くないという風潮があるわ。それを無くしたいのよ。これから先、花火師を目指す子供たちのために」


 男女の差がなくなることはありません。ですが、なくすことのできる部分が多くあることも事実です。とりわけ、スキルやジョブ、ステータスのあるこの世界では。


 一度決まった風習は中々変えられず、子供の力ではどうにもできません。そして、きっと大人になれば子供の頃のことは淡い靄の中へと消えていってしまいます。


 だからこそ、彼女のように抗う者は好感が持てます。その是非を判断するほどの情報を私は持ち合わせていませんが、彼女の実力が命運を分ける景色というのは見てみたいものです。


 アキトさんに視線を移すと、一つ頷いてくださります。その意味するところは私に任せる、いつも通りということですね。


 改めてスズナさんに向き直ります。


「わかりました。私たちはスズナさんの手助けをしても良いと考えています」

「ほんとう!?」

「ええ。ただし、条件が二つあります」

「アタシにできることなら」

 一呼吸おいて、私は一つ目の条件を提示しました。


「一つはスズナさんのステータスの確認を行わせてください。全ての情報を見せていただければ、協力させていただきます。ただし、私たちの情報は最低限しかお教えできません」


 ステータスは究極の個人情報です。幾ら変化するものであっても他者に全情報を開示するものではありません。それ故に、これは随分と無茶な条件です。


「アタシの情報が対価ということ?」

「そうですね。貴方の才能を確認するためでもありますが」


 考え込むスズナさんは視線を私から魔動二輪へと移し、次にアキトさんの様子も確認します。私たちの実力を計算しているのでしょう。


「フレアリザードは倒せる?」

「その程度であれば、倒せるかと」

「……わかった。見せるわ」


 二つ目の条件を聞く前にそう決断したのは、彼女なりの決意でしょうか。頷いた彼女はシステムウィンドウを操り、私たちに情報を開示しました。


『システム』は一種のスキルでもあり、機能の解放には時として熟練が必要です。ウィンドウを他者に可視化し、こちら向きに移動させることも誰にでもできることではありません。


 私はアキトさんを呼び寄せるようにしてから、そこに記されたステータスを確認していきます。

「確かに、才能がおありのようですね」


 ステータスは一万程度。魔力は一万五千に届かないくらいです。私も同世代の中では優秀なつもりですが、魔力を除いては私をゆうに超えています。


 そして、その称号の欄には『創造の才』と『炎の加護』という二つのギフトがCランクを示していました。


 私たちの称号のせいで凄さをわかっていただくことは難しいかもしれませんが、称号は一つ持っているだけでその称号が何であれ一目置かれる程度のインパクトはあります。


 先祖に称号持ちがいようものなら、一般的な家庭であれば末代まで語り継いで然るべきくらいの誇りとなるでしょう。


 たとえ隔絶した才能と能力を持つアキトさんであっても伝説や神話級の称号を得たことには大きく偶然の要素が絡んでいることは間違いありません。

 あるいは彼にとってはそれもまた必然なのかもしれませんが。


 さておき、スズナさんの才能には驚かされます。想像を大きく超えていたといって良いでしょう。


「これほどの才能があれば、二つ目の条件は難しくないかもしれませんね」

「それで、その条件は? ステータスを見せた以上、もう後には引けないけれど」


「そうですね。二つ目の条件は……やるからには圧倒的な才能を証明してください。ただの一位ではなく、圧倒的な一番を。私はそれだけの成果を求めます」


 優雅にそして些か偉そうに、私は条件を突きつけました。それが当たり前であるかのように。

 初夏の風が爽やかに髪を揺らし、世界の空気が入れ替わるような涼しさを覚えます。


 スズナさんは少し驚いたように目を開き、まもなく破顔しました。初めて見せた心の緩んだ彼女の笑顔は、夏の花のように晴れやかなーー


「任せておきなさい」


 期待に足る表情でした。


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 スズナさんに案内されて私たちは街道を逸れた森の中を進んでいきます。道は狭く、古い獣道を利用した簡素なものです。


「あまり時間的な余裕はありませんね」

「そうね。魔石を使って花火を作るのにも丸一日は欲しいわ」


 幾ら才能があっても失敗することもあります。数日は制作に必要でしょう。それでも少ないと言わざるを得ないところです。


「なるべく急ぐことにしましょう」



 この世界の花火は魔石を球状に加工し、その魔石の中に幾度かに分けて、魔力を込めていきます。深みを出すためには一度に魔力を込めるよりも幾度かに分けて魔力装填をするのが良いとのこと。

 現実世界の花火と作り方が大きく異なるものの、火薬の代わりに魔力を使う分、表現の幅は広がります。


 どちらも良いところがありますが、類似の別物と考えた方が良いかもしれないとの旨を雑誌で目にしたことがあります。

 その記事では現実世界の花火師の方が、こちらの世界では魔力を使うやり方で活躍しているという話でした。エネルギーの基本が魔力のこの世界では、電気も火も魔石を介して用いているのです。


 星掛けや玉貼りなどの工程がない分、製作時間は大幅に短縮されますが、それは大量生産できることを意味しません。


 緻密な魔力操作と高度な集中力がクオリティに直結しますので、人間側に限界があるのです。また、この世界の花火はその性質から、職人というよりも芸術家に近い側面も持ちます。


 私は現実世界の花火も大好きですし、芸術作品も好んで見ますから、こちらの世界の花火を見るのはとても楽しみです。


「どこへ向かうのですか?」

「アルチェリア鉱山よ。フレアリザードの魔石が欲しいの」


 鉱山ですか。鉱山などの半閉鎖型エリアは強い魔物が放置されやすい場所になります。

 魔物は駆逐しても自然発生的に生まれ、ある一定のエリアに魔物が存在しないという状態が長く続くことはありません。


 空間に満たされるエネルギーがその行き場を失い、魔物やダンジョンになるのだと言われています。逆に、魔物がある程度存在する状態ではエネルギーは循環し、より強力な魔物が発生するということは滅多にないというのが定説です。


 故に、ある程度強い魔物がいるエリアで、人里に影響を与えないエネルギーの溜まり場というのは生活環境を安全に保つ上で大切になってきます。


 鉱山の魔物は鉱山の外に出て来る必要がなく、有事の際には攻めやすいことから余程の鉱脈でない限りは放置されます。魔物を狩って、鉱物を手に入れることもできますし。


 その一方で、無秩序に狩ることは推奨されません。エネルギーの行く先がなくなってしまいますから。


「管理されている鉱山ではないのですね?」

「ええ。適度に上級花火師が狩りに行くくらいの場所よ。余所者が荒らすとトラブルになるかもしれないけれど、誰かのものってわけでもないわ」

「なら、適度な素材回収を心掛けましょう」


 魔物を狩り尽くすなどということは東都のような大都市近郊でもない限り早々起こりません。正直、素材はできる限り回収しておきたいところです。


 ただ今回はスズナさんのサポートが目的ですから、彼女が心置きなく花火作製に取り組めるように気遣うべきでしょう。


「出来ればなんだけど、花火の素材は私の炎の魔法で倒したものを使いたいの」

 その願いは彼女が同行するという前提から、ある程度予想できたことでした。道案内にしても護衛の負担を考えると必要性は低いと言えますから。


 故に、その願いは叶える方針で話を進めます。

「トドメだけで良いのですね?」

「ええ。出来る限り」

 最初から最後までアシストに徹するようにという話でない分、やりやすいですね。倒せるかと訊かれた時点でその線は薄いと思っていましたが。


 アルチェリア鉱山はスズナさんが苦戦するくらいには危険なエリアということもあり、街道からは離れています。


 現在地からは二日程。スズナさんの住む町「エアリオ」からも同様です。というよりも、私たちとスズナさんが出逢った場所はエアリオから馬で半日もかからない距離のようです。


 彼女の馬は軍馬というわけでもないので、街道沿いの森で待っていてもらっています。私とアキトさんで結界を張っておいたので、余程のことがない限りは大丈夫でしょう。


 私たちは道中の魔物をアキトさんに任せて、お話しながら歩きます。街道付近の魔物の強さは大抵が普通の大人より強いくらいですので、アキトさんの敵ではありません。


「やっぱり、ナギサたちは夢見人トラオムなのね。魔動二輪に乗っている人なんて中々見ないもの。時折お金持ちの夢見人トラオムが乗っているくらいだわ」

「私の運転でよろしければ、帰りにでも乗ってみますか?」

「良いの!? ありがとう。ナギサ」


 普段はアキトさんに運転してもらっていますが、私も運転の練習はしてあります。私の場合、『風の精霊術』を使いつつ、魔動二輪へ魔力を供給する必要があるため、速度はあまり出せません。


 とはいえ、大抵の馬よりは速いでしょう。アキトさんに馬に乗って頂けば、おそらくはちょうど良い形で町へと行けます。


 スズナさんとお話しながら歩いているうちに、気がつけば日が傾いてきていました。魔物のレベルも警戒する程ではなくとも、少しずつ高くなっているようです。


 予定より大分速く進んでいるとのことですので、一度休憩をとるために寝床を用意します。特に手間はなく、開けた場所を見つけて、簡易なコテージを『倉庫』から取り出すだけで完成です。


 一階がリビングダイニング、二階が寝室です。寝室は私とアキトさんの部屋が一部屋ずつの計二部屋で客人を招く設計ではありません。


 大きくなりすぎると設置できる場所が限られてしまうので最低限といった感じです。あとは軍資金の問題も勿論あります。


 今日はスズナさんが私と同じ部屋で寝ることになります。幸いにも私のベッドは大きめですから、二人程度なら余裕です。


 私とアキトさんで二重に結界を張れば、防衛面での心配は早々ないでしょう。今日のエリアは危険も少ないので、夕餉はバーベキューになりました。


 スズナさんの『炎魔法』で火をおこしていただいて、網の上に処理を事前に済ませておいた肉や野菜を置いていきます。


 基本的に肉体労働をしないことが仕事の私は、ほんの少しだけお手伝いをするくらいです。一応、料理はできますよ。できないこととしないことは違うので、色々と練習してきましたから。


 ただアキトさんは料理を私の仕事と思っていないようですので、私は見ていることの方が多くなります。練習として料理をするのと、生活の上で必要な料理は違うということでしょうか。


 今回手伝わせて貰えるのもバーベキューだから、といったところだと思います。皆でお肉を焼いたりするのも楽しいですからね。


「美味しいわ。とっても」

 本当に美味しそうに食べるスズナさんに私たちも自然と笑顔になります。

「それは良かったです」


「正直、私と同じ年齢で私より明らかに凄い人がいるなんて思ってなかったわ」

「無理もありません。スズナさんの能力であれば」

「世界って広いのね。貴方達に逢えて良かった」


 最前列を走るのはきっと大変なことです。アキトさんも悩んでいた時期があります。並ぶ者すらいない孤独に意味を見出すことはきっと難しいことなのでしょう。


 彼女の晴れやかな表情からはこれまでの苦労が窺えます。才能があるからといって大成するとは限らないのは、どちらの世界でも同じです。


 過剰な成果を期待され、対価は乏しい最前線は才能以上に環境を求めます。その点、明確な目標があった彼女は成長という観点では恵まれていたというべきでしょうか。


 私は、最前列を走れることを羨ましいと思ってしまいます。その苦心を間近に見てきて尚。ナルシーは孤独に強いのです。えっへん。


「私たちもスズナさんに逢えて良かったと思っていますよ」

 アキトさんもそうですよね、と視線で問いかけます。

「ああ、花火には期待している」


「ありがと。良いものを見せるわ。大人にも、誰にも、負けないくらい」

 スズナさんはこれまで幾度となく花火を作ってきたそうですが、フレアリザードほどの良質な魔石を使った経験はありません。


 可能であれば、練習するための時間と材料を確保してあげたいところです。本人は一発勝負でいくつもりとはいえ、確実を期して。


「二人は、どうしてそんなに強いの?」

 ステータス上規格外のスズナさんに、私が強いというのは不思議な話です。私たちのステータスを知らないといっても、何となく感じ取られるものかと思っていました。


『高等分析』を使わずとも、アキトさんはおおよその強さならば、目で見て感じ取れる気がすると言っていました。私も精度は劣りますが、相手の強さを感じ取ることができます。


『鑑定』系のスキルを持っているかの違いでしょうか。スキル自体はトラブルの元ですので、人には普通は使いませんし、抵抗レジストも強いのですが。


 あるいは、『神聖』による『秘匿』や桁外れの魔力によって、私の能力は誤認されやすいのかもしれません。『風霊結界』は魔力を大量に使っていますので、見た目では強さがわかりにくいところがありますし。


 訂正は必要ないでしょう。正確な情報は秘匿するべきです。それに、魔力や称号などを含めれば、私が強いというのも嘘とは言えませんから。


「そうですね。私は世界中を巡って、誰も見たことのない景色を見たいのです。そのためには、誰よりも強くなりたいとは思っています」

「そういうことだ」


「……私もいつか世界中を巡って、花火を見せたいわ。そのためにはもっと頑張らないと、ね。まずは街で一番の花火師になって、旅ができるくらい強くもならないと」


 新しい夢。人との出逢いが世界を広げ、希望の光を灯します。才能は理由さえあれば、自ずと磨かれるものです。彼女はきっともっと強くなるでしょう。



 そうして夜も更けてゆき、私とスズナさんはベッドに入ります。スズナさんは天蓋付きのベッドが落ち着かない様子で、しばらくはお話をすることにしました。


「ねえ、訊いていいことかわからないけれど、ナギサとアキトってどういう関係なの?」

「幼馴染みですよ。大切な」


「それって騎士の子とお姫様的な話? ナギサって何か余裕があるし、寝間着の防御力も凄いし」

「いえ、私たちは対等ですよ」


「そうは見えないけれど。アキトからはその、ナギサへのちょっと怖いくらいの忠誠を感じるわ」

「何かを得るには、何かを失うものです」


「あれだけの能力ちからがあっても、色々あるのね」

「あればこそでしょう。アキトさんも……貴方も」

「そうかも、しれないわね」


 真っ暗な夜空に昇る欠けた月が孤独を語るように、月光を窓から落とします。十日後は新月。花火を打ち上げるには最適な黒き夜となるでしょう。


「でも、ナギサは余り悩まなさそうね」

「ふふ、そうですね。後悔や葛藤は苦手なのかもしれません」

「アキトの気持ち、少しだけ解る気がするわ」


「どういうことでしょう?」

「やっぱりナギサは強いってこと」

 スズナさんが強い私を望んでいることはその表情から伝わってきましたので、微笑みを返しておきます。


「ねえ、ナギサの世界のこと教えてよ」

「そうですね。では明日もありますし、夢で見せましょうか? 私のスキルで」

「そんなことできるの? それって凄くない?」


 凄いと言えば凄いかと。使い道も案外あるものかもしれません。夢を見せるスキル『夢彩色』。ユニークスキルとして良かったのかどうかはまだ判断しかねるところです。


「私自身には使えないので、何とも。ですが、評判はそう悪くありません。使ってみても良いですか?」

「ええ、お願いするわ」


 では、詠唱を行いましょうか。スズナさんに目を閉じて、睡眠の意思を持っていただきます。

「色彩は、眠りの世界を謳う。黎明は、未だ知らず。天霊は、夜を願う」


 透明な、精霊術の淡い光がスズナさんを包みます。魔力を込める程に解像度の上がる夢の世界。私はその世界を構築するために非言語情報を設定していきます。


 彼女に見せるのは、私たちの世界。夏の街。夜の祭り。そして、空。管理空調による澄み渡る空気は闇夜の空を鮮やかに映し出します。


 花火は……今は見せないでおきましょう。彼女が望んだならばまだしも、かえって可能性を狭めてしまいかねませんし。


 どんな夢になるか、あとはスズナさん次第です。魔力を最大限込めても私に操れる範囲は限られています。


 それは、私の望む世界を見せる力。

 そして、彼女の望む世界を見せる力。

 二つの望みを満たす夢を、記憶に焼き付ける力。


「夢彩色」

 その声はスズナさんには届きません。既に彼女は夢の世界です。彼女がどのような夢を見ているのか、私にはわかりません。


 ただ、その寝顔は安らかで何処か幸せを感じる美しさを湛えていました。




 ーーーーーーーー


 ソラノ スズナ

 STR 9821 VIT 9785 INT10742

 AGI 9909 ME 15692

 Job:花火師(基本職)

 Skill:炎の心得C+ 魔力操作D 花火作製D-

 打上げ術式D 多重詠唱 F

 Job:魔導師(基本職)

 Skill:炎集砲フレアUN 炎魔術B 炎魔法B 炎強化C 水魔法F

 Job:勉強家(下位職)

 Skill:学習補助F 効率化F 並列思考E+

 速度強化E 精神安定E

 Title:【創造の才C】【炎の加護C+】


 水無渚 

 STR 2574 VIT 2892 INT 4102

 AGI 4136 ME 75120

 Job:精霊師(上位職)

 Skill:風雅龍陣C 風の精霊術D+ 水の精霊術E

 夢彩飾UN

 Job:冒険家(基本職)

 Skill:遠見D 鑑定D 看破E+ 倉庫D 解読UN

 Job: 星読(下位職)

 Skill:始言E 願星F 祝詞F

 Title:【神聖A】


 七尾彰登 

 STR 24081 VIT 33062 INT 25170 

 AGI 20325 ME 31617

 Job:守護者(上位職)

 Skill:空太刀UN 守護S

 凍土解放UN 機工結界D+ 未来視B-

 Job:召喚師(上位職)

 Skill:ゴーレム召喚B+ ゴーレム錬成A-

 自立能B 高等分析A- 効率化B

 Job: 大侍(上位職)

 Skill:魔法剣C 瞬動D+ 威圧D 斬空刃D+ 桜千閃C

 Title:【愚者S】【守護者S】









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