第6話
「お前は何者だ?」
俺は思わず、呟いてしまった。
目の前に、風景の中から、突如、一つ目の鎧を来たロボットのような物が現れた。
しかし、ひとつ目はマスクだと俺は直感で感じた。
一つ目は電磁パルスにやられ、透明になるのを保てなくなったのか、所々、透明になりかけている。
自分に起こっている事を整理しているのか一つめは自分の身体をじろじろと見ていた。
俺はふと一つ目が握っていた刃物を見て、自身の直感で背筋が寒くなったのはあれが原因かと思った。
一つめは頭を一度、横に振ると手にした獲物をこちらに向けた。
「やる気かよ」
俺は奥歯を噛みしめながら、姿は見えたから、やってやると思った。
躊躇無く、一つめに引き金を引いた。
銃弾は一つめに勢い良く、飛ぶがソイツは手にした獲物で銃弾を弾く。
「マジかよ」
俺は思わず声が出てしまうが、直ぐさまアサルトライフルに持ち換え、一つめに引き金を引く。
連射した弾丸は、一つめに向かうがかなり早い反応速度で、打ち落とす。
ロボットの可能性があるかもしれないと思いながらも、引き金を引く。
一つめはすぐに反応し、銃弾を払い落とす。
「クソ」
俺は悪態をツキながら必死で考えた。
もし機械なら電磁パルスで一発でおわりになっていたはずだ。
しかし、今でも動いている。
アンドロイドだった場合、それも違う。
相手は何かしら、武装した人間のはず。
ならば倒す手段があるはず。
アサルトライフルが弾切れを起こしたのをすぐさま、次の弾倉を取り出す。
そこに隙が生まれたのか、一つめは此方に向けて間合いを一気に詰め、刃物を勢い良く、こちらに向けてきた。
俺はアサルトライフルの金属の部分を刃物に向けて振り下ろす。
金属のぶつかる音がし、俺は一つめをしっかり睨む。
一つめは此方をみているのか、見ていないのか、無機質な顔をみせていた。
すかさず、アサルトライフルを一つめの顔面にめがけて、横にないだ。
アサルトライフルは一つめの顔をとらえ、一つめは体勢を崩す。
俺はそのまま、隙をいれず、前蹴りを入れる。一つめは後ろに倒れるかとおもいきや、そのまま、バック転をし、サーカスの一員みたく、着地した。
そのまま、刃物を此方にゆっくりと向けた。俺はライフルを向け、一つめのを見据える。一つめは片目に近いところが壊れたのか、壊れた隙間から目が覗いていた。
やはり予想した通り、人間だった。
「やっぱりか」
思わず声が漏れたが俺は引き金を引く。
其れと同時に、目の前の敵は勢い良く此方に切りかかろうとした。
俺が撃った弾丸が、一つ目に向かってとんでいくが、すべてはじき落とされる。
すぐに一つ目から距離をとり、ライフルヲもう一度撃つ。
やはり人間とおぼしき目の前の敵は弾丸を目にもとまらぬ速さで打ち落としていた
多分、何度やっても、あの機械じみた、動きのヤツとの決着は着かない。
俺はそう考え、次の相手がこちらに突っ込んでくる時を狙うことにした。
左手にナイフを持ち、片手でアサルトライフルを持ちながら、迎撃の態勢を取る。
向こうは勢い良く突っ込んでくると、刃物を振りかぶった。
俺は振り下ろされた刃物をアサルトライフルの身体の部分で受ける。
金属のふれあう音が響き、目の前の敵と対峙する。
敵はしっかりと破損した部分から俺の事をみていた。
「何が、目的だ?」
俺は歯を食いしばりながらいった。
一つ目は何も応えず、アサルトライフルにはさまった刃物を押しつける。
このままライフルごと斬ろうと考えているのか?
俺はそう思い、ナイフを手にした方を相手の脇腹めがけ突き立てようとした。
しかし相手はわかっていたのか、俺の腹に向けて前蹴りをはなった。
モロに蹴りをくらい、息がとまりかけ、吐きそうになりながら、後ずさりする。
「ふっ……!」
短く息をはくとそのまま、ライフルを構えた。しかし、相手は俺よりも早く、刃物を振り上げていた。
俺はかかったなと思い、ライフルを捨てると、思いっきり地面をけり、空いた手で、スタンガンを取り出す。
相手は一瞬、虚をつかれたのか、驚いたような反応をみせていたが構うことなく、タックルをしかけた。
そしてそのまま、装甲が薄そうな脇にめがけスタンガンを食らわせた。
バチバチという、音とともに、機械じみた敵は身体をガクガクとふるわせ、振り上げた刃物を手から落とした。
そしてそのまま、勢い良くうしろから倒れた。俺は肩で息をしながら、相手の姿をみつつ、スタンガンを構えていた。
もしかしたら、気絶していない可能性があると思い、俺は慎重に、一つ目の身体をつま先で小突く。
何回かやっても起きない。
俺はそうっとゆっくり跪き、相手の破損した仮面のような物に手をかけた。
そして顔の部分に手をかけはずすと中から正体が現れた。
「こいつは……」
目の前の敵は浅黒い肌をした顔立ちの整った人物。
よくみると女性だった。
『ヘックス、だいじょうぶかい?』
気の抜けた声が聞こえ、俺は応えた。
「大丈夫だ。だが……」
俺は足下で寝転がっている人物をみて、口を閉じた。
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