第4話
「マジかよ」
俺は絶句しながら、銃を構えたまま、そのまま対象を追いかけるように、走り出す。
幸いにも拡張現実には、対象の姿が、映っていた。
俺は片方の目で現実と、もう一方の目でサーモグラフィーの世界を走る。
「ウィンストン」
「どうしたんだい、ヘックス?』
「今、ヤツを追っている。 動きは追えているか?」
『ああ、ちゃんと地図にも記録されているよ』
ウィンストンは明るい調子で言った。
俺は小走りだけでなく、勢い良く走り対象との距離を詰めようとした。
対象は立ち止まったり、走りだしたりとを繰り返す。
俺は対象が停まる度に、銃を構えようとした。しかし、すぐに走りだし、照準が定まらないでいた。
「くそ、いい加減にしろよ」
俺はやけになり、はしりながら、銃を構え、引き金を引いた。
銃弾が発射され、対象に向かうが、なぜか当たった感じがしなかった。
「何なんだ、一体」
俺は狼狽しながらも、後を追いかける。
「くそ。待ちやがれ」
俺は小声で悪態をつきつつ、対象を追いかける。
対象は姿をみせることなく、サーモグラフィーの世界だけで姿を表していた。
『ヘックス』
「なんだ、ウィンストン」
『この先は行き止まりになってる。 しかもすこしおおきな広場がある』
「それはいいニュースだ」
俺は追い掛ける足を早めた。
対象は一定の速度で、走って行く。
俺はハンドガンではなく、携帯していた連射式の小銃に武装を変えて、引き金を引いた。
銃弾が、対象に当たり、サーモグラフィーを使わずとも、見えるようになり、現実世界に姿を再度あらわした。
対象は足をとめ、痛がるように顔を空にむけて上げた。
やったかと思い小銃を構えて、引き金を引こうとした。
仕留められるかそう思った瞬間だった。
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