優秀な姉と比べられるのが怖くて個性を消した妹さん
優秀な姉「ではない方」
ずっとずっとそんな空気に目をつぶり耐えてきました。
でも自分を見つめてくれる殿方が現れます。
私の名前を呼んでくれます。姉の付属物ではない私を見てくれます。
諦めていた幸せ
手を取り合って前を向きます。
出来上がってしまった「空気」は大きく前を塞ぐけど
あなたとなら前を向ける
手を握っていてください
私頑張ります。
頑張る女の子は可愛いのです。
恋する乙女は強いのです。
繊細な心 見えない圧力
素晴らしい表現力 美しい言の葉で描き上げられた物語
空気まで描ききる筆に感動してください。
『余りもの』『じゃない方』と言われるヒロイン、白雪祈里(しらゆきいのり)
この子の距離感がバグり散らかしてます。あ、でも不具合修正はしなくて大丈夫です。その方が紳士のみなさまに好都合なので!
彼女がなぜ「じゃない方」と言われるか。それは双子の姉である白雪希美(しらゆきのぞみ)が華やかな有名人だからです。
似た容姿になのに扱いの歴然たる差。花のように目立つ姉の引き立て役。名前すら覚えられない祈里ちゃん。
多くの人は、扱いに差を感じると悲しくなるものでしょう。あの感覚です。あれを日々感じてきたのかと思うと、つらいものがあります。
ある日、主人公はそんな祈里ちゃんを偶然助けます。
主人公は今どき珍しい「学生の本分は勉学だ!」と言い切る男の子、九重くん。
彼は祈里ちゃんと行動を共にするにつれ、彼女の扱いを知り、自分のことでもないのに憤りを感じます。なにかしらの信念があったのでしょう。真っ直ぐで熱い男という印象です。
ただやはり、この男も男。距離感バグな祈里ちゃんには、ぎこちない振る舞いと心情を読者に見せちゃいます。
青春してんなぁ……
7話時点でこのレビューを書いてますが、まだ姉である白雪希美ちゃんが出てきていません。この物語のキーである存在なので、登場が楽しみです。
また、なぜこんなにも扱いに差がついてしまったのか?というのも、もちろん祈里が陰キャなのもあるけれど、それ以外の理由もあるのかな?と思いました。そちらも気になります。
イチャラブの匂いがビンビンして、それだけでも満足なのですが、作中で主人公が覚える英単語『equality』のように、平等、格差などのテーマが、このお話では掘り下げられるのかなぁと。
特に、snsが浸透している今。格差を感じる人は多いと思います。共感する人も多いんじゃないかな?
まあそんな真面目なお話は置いといて!
距離感バグってるバカップルなイチャラブと(ただし付き合ってない)
九重くんが、祈里さんの呪いをかき消すカッコいいところ、期待しております!