第54話 シエスタとクッキー ①
【シエスタside】
転生前も含めて初めてお城に入りましたが、想像より狭かったですね。
まあ、現実なんて こんなものなのかも知れないです。
謁見の間で貴族達に囲まれての皇帝陛下との謁見を想像していたのですが、応接室のひとつに案内されました。
どうやら、私のことは秘密にしたいようですね。
やはり、ジュエリー王国絡みなんでしょうねぇ~。
応接室で待っていると、お城のメイドが現れてお茶を入れてくれました……何故だか、日本茶ですね。
原作者ルシアンは紅茶が苦手らしいことが、ルシアンのエッセイにありましたが、ここでも影響しているようです。
この世界には、テレビもラジオも無く、当然 インターネットもありません。
だからって、東京には行きませんよ……行けないですけどね。
「ユリウスカエサル皇帝陛下がいらっしゃいます 」
執事らしき人が私達に伝えると、皇帝陛下と宰相のフェルマー様が入って来ました。
私とアルフォンス様、そしてちゃっかり付いてきたクッキーとテリーが一緒に挨拶をしようとしたら、
「よい、よい、そのまま座って欲しい。
ところで 何と呼べば良いのかな、アメジスト王女 」
「シエスタでお願いします、陛下。
私自身、王女と言われて、大変戸惑っているのが現状です。
よろしければ、私を呼び出した理由をお聞かせ頂ければ幸いです 」
陛下と私の会話に付いていけないクッキーが、
「王様、王様も勘違いしていますよ !
シエスタは私と同じ騎士爵の娘ですよ !
それに、シエスタには気品が無いから、絶対に王女では無いですよ ! 」
陛下がクッキーの方に注目したので、私はフェイドアウトさせて貰いましょう。
出来れば、そのまま私のことは忘れて欲しいですね。
「もしや、貴女がクッキー・ペパーミント=ウイスキー令嬢かな。
……我が妹 アンリエッタにそっくりだったから直ぐに判った。
自由奔放な処などアンリエッタに似ているな。
そうだ、ジークフリートの兄であるデュークフリートが婚約者がまだだったな。
どうだろう、私の義娘に成っては貰えないだろうか ? 」
夢が叶いましたね、クッキー。
これで貴女もお姫様ですよ。
話題を独占して私の事を陛下の頭から忘れさせてくださいね。
「ヘッ、初耳なんですけどぉー !
私にはテリーが居るから、王様の息子さんは遠慮しま~す !
お姫様は魅力的ですけどぉ~、堅苦しいのは嫌いなんですよぉ~ ! 」
今のクッキーの様子を見たら、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます