第17話 学園編、本番の始まりです。 ③

【シエスタside】


「シエスタァ~、助けてぇ~、 ベティが私を無視するんだよぉー !


『久し振り元気だった、ベティ !』


 と挨拶あいさつしても他人行儀に、



 なんて、言うんだよ !

 私のことを忘れてしまったと言うの酷いよね、シエスタァ~ ! 」


 ……だから私は、青いタヌキ型ロボットでは無いのですけどね。


「クッキー様、ベアトリス・モスコミュール=ウオッカ侯爵令嬢さま も立場があるのですから昔のようには、いかないのですよ 」


 もう、貴女方は上級貴族なのですから。


「 もう、昔みたいにおしゃべりが出来ないの、シエスタァ~ 」


「それに知らないのかも知れないですが、ウオッカ侯爵は貴族派の貴族な上に、ベアトリス様はシンキロウ=ミツジョウシュ侯爵令息の婚約者なのですよ、クッキー様 」


「ええー、初耳だよぉー !

 ベティは アンナ奴が好みなのぉー、趣味悪すぎぃ~ ! 」


 クッキー……様、本音は隠さないと !


「ベアトリス様の好みは関係無いかと。

 家同士の問題ですので、仕方ありませんね 」


「私、婚約者いないよ ?

 どうして 教えてよ、シエスタァ~ ! 」


 ローゼンマイヤー様でも治らなかったようですね、クッキーの奔放ほんぽうさは。

 それに婚約者のことを私に聞かれても判るハズないでしょう。


「『』は居なかったのですか、クッキー様 」


 少し、イラッ としたので嫌味を言ってしまいました。

 私も まだまだ ですね。


「やだぁ~、まだ覚えていたの、シエスタァ~

 アレは小さな頃の私の夢の話だよ 」


 夢では無いのですけどね、原作小説では居ましたよ。

 私がフラグをへし折ったから、どうなるか判りませんが。

 既に湖のほとりの王子様に逢っているのに二人共、気が付かないとはフラグをへし折った副作用ですかね。


「キャスバル様とは、どうなんですか ?

 キャスバル様もクッキー様のことを憎からず思っていると感じますよ 」


 嘘は言っていませんよ、キャスバル様はクッキー様のアレが好きなようですからね。

 私は別にひがんでいる訳では無いですよ、たぶん。


「キャスバルさまは、確かに美形なんだけど何か物足りないんだよねぇ~。

 私の王子様は何処に居るの ?教えて、シエスタ ! 」


 知るかぁー ! と言いたいのですが、原作小説道理なら……


「それより、まだ他にも何か問題でも起きましたか ?」


 原作小説道理ならイベント厄介事が起こるハズですね、はぁ~。

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