第16話 学園編、本番の始まりです。 ②
【シエスタside】
再会を喜んでいるイライザお嬢様とクッキー様。
原作では、お互いに嫌っていましたが、今は嘘のように打ち解けたようですね。
ジークフリート王子とキャスバル様が、あまりにも二人の胸をガン見していたので、男性達は隣の部屋に移動して貰っています。
「キャッ ! 」 ガッシャァーン !
クッキーが連れて来たメイド、グレースが何も無い所でコケてお茶菓子をばら撒きました。
いわゆる、ドジっ子 と云う奴で、私やクッキーと同じ孤児院からクッキーのお願いでメイド見習いとして引き取られたのです。
私やクッキーと同じ騎士爵の娘で、グレース=オレンジブロッサムと云うのが、彼女の本名ですね。
後から知りましたが、私達が居た孤児院は訳ありの貴族の子供達を中心に集めて運営していたようです。
正直、彼女は苦手です。
妄想癖があり思い込みで行動するタイプなので、理知的な私には理解出来ない存在です。
クッキーに手伝わせる訳にはいかないので、私がカタズケを手伝いました。
「ありがとうございますぅ~、シエスタせんぱ~い。
やっぱり、シエスタ先輩は優しい~です 」
……この間延びした会話をするから苦手なんですね、そして胸もデカっ !
私やクッキーが孤児院に居た頃は、私と同じくらいだったていうのに……不公平な女神は許しません !
♟♞♝♜♛♚
お茶会と云う名前の戦略会議です。
ポイズン共和国から入ってくる生徒がいます。
マクシミリアンロベスピエール=ストリキニーネ
未来のポイズン共和国の大統領ですね。
現・大統領フランクリンデラノルーズの息子です。
共和国といっても形を変えた独裁国家で名前が、やたらと長いのが面倒臭いです。
正直、関わりたくは無いのですが、原作でミツジョウシュ侯爵が手引きして戦争になるので無視する訳にはいきません。
「ポイズン共和国のマクシミリアンロベスピエール=ストリキニーネ大統領子息が入学してきましたが、要注意人物なので警戒しておく必要性がありますわ 」
カタリナ様がリーダー替わりに話し始めました。
リキュール辺境伯家は、ポイズン共和国と隣り合わせの領地で常に警戒しているのです。
本来ならジークフリート王子やキャスバル様が主導するのですが、リキュール辺境伯家は戦略家の一族でもあるので任せているのでしょうね。
原作ではアルフォンス様が、シンキロウとマクシミリアンロベスピエールの企みに巻き込まれて最後に追放されるのですが、国王派にいるので大丈夫ですね。
私の努力が報われて良かったです。
「問題はバーボン子爵令息のニール様がミツジョウシュ侯爵令息シンキロウ様と行動して、マクシミリアンロベスピエールに近づく気配があることなのです 」
忘れていました、親戚筋のニールが仕出かせば、バーボン伯爵家も影響を受けるでしょう。
これをきっかけに没落してしまうとアルフォンス様と一蓮托生の私まで貧乏に成ってしまいます。
私の平穏の為にアルフォンス様たちには頑張ってもらいましょう。
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