第18話 学園編、本番の始まりです。 ④
【クッキーside】
なんだかんだ、面倒臭い態度を取っても聞いてくれるシエスタは優しいよね。
本人に言っても否定しそうだから言わないけど。
そうそう、忘れるところだったわ。
「ベティのことも気になるけど、一般生徒……平民の女子生徒にニールが嫌がらせしていたから注意したらね、
『公爵令嬢といっても養女の癖にボクちゃんに文句を言うなんて生意気だぞ !
ゾルザル、少し痛い目にあわせてやってよ ! 』
なんて言って、子分の男の子をケシカケたんだよ ! 」
私が言うと、ため息をしながらシエスタが、
「頭が悪すぎますね、『ゴニョゴニョ』。
それで、どうなりました ?
白馬の王子様かダークヒーローでも現れましたか ? 」
私のことが全て解っているみたいで、たまにお姉ちゃんみたいに思ってしまうわ、私より小さいけど。
シエスタは否定するけど、胸にコンプレックスを持っているみたいで、メイド時代にはメイド仲間で話題にするのは『タブー』に成っていた。
独り言が多いのは、たまにキズだけど、言っている意味は解らないし聞かなかったことにするのは優しさよね。
「それでね、ゾルザルと云う男の子が私に乱暴しようとしたら、カッコいい男の子が助けてくれたの !
その男の子がニール達を
その後、名前も言わずに立ち去っちゃた処もカッコいいなぁ~。
それでね、それでね、平民の女子生徒達に聞いたら彼の名前が判ったんだよ !
テリュース=カンパリオレンジ と云う名前なんだって !
不良みたいで少し
何だか、私ばかりが
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
【シエスタside】
はい、はい、テンプレ、テンプレ !
まったく、底辺作者ルシアンも仕方ないですね。
まあ、クッキーくらいの年頃の娘は、陰がある不良に
やっぱり出ましたね、かまってちゃん不良モドキが。
一匹狼を気取りながらも寂しくてかまって欲しいんですよね。
原作小説では、キャスバルの死後に現れる男の子で学園生活ではテリュースことテリーとクッキーは、良く学校をサボりながら街をデートしていたのを覚えている。
クッキーだけで無く、イライザまでがテリーを好きに成っていた。
ソレもまあ、私がフラグをへし折り、キャスバル様が生きているなら、どう変わることやら。
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