第2話 破滅フラグを叩き折ります。 ①

 イライザの機嫌が悪いようですね。

 淑女教育でストレスを溜めていたのを、クッキーで解消していたのをアルフォンス様が止めた為です。


 イライザには、大好きな男の子が居ます。

 公爵令息の キャスバル=ダイギンジョウです。

 そして、キャスバルはクッキーのことを気に入り何かにつけて逢いに来ているのが、またイライザには許せないのでしょう。

 そして、平民の癖に家名が有るのも気に入らない理由でもあるようです。

 この世界、平民には家名がありません。

 なのに、クッキーにもシエスタにも家名があるのは、二人共に名誉騎士爵の子女だからです。


 戦争などで手柄を立てた平民騎士が一代限りの貴族の位を頂いたのが、名誉騎士爵な訳です。

 そして、私は父母を亡くした為に一時的に孤児院に入った処を伯爵であるオスカー=バーボンが、アンポンタン兄妹専属使用人として引き取った訳なのです。


 もう、設定がガバガバでありきたりだから底辺作者のままなのですよ。


 そして、イライザがイライラしている訳が、キャスバルもイライザも婚約者を決めなければ、いけない時期だからです。


 えぇ、えぇ、私の仕えるアルフォンス様にも既に婚約者が居るくらいですから、貴族社会と云いのも面倒臭い世界ですね。


 ギロッ


 おや、私の方をにらんでいるようですが、どうしたのでしょうか ?

 ……なんて思ってもいません。

 理由は、早朝にコルセットを付ける時、何時もよりもキツめにしぼったことを恨みに思っているのでしょう。

 狭量な娘ですねぇ~、そんな事では、キャスバル様に振り向いては貰えませんよ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る