第18話
「はぁー」
今日は疲れた……。
何故かわからないけど、ぶつかり合う玲香とレーシアの仲裁。帰ろうとしない二人を強制的に家へと帰すための交渉。
実に伸びて、伸びて、伸び切った。
僕の精神力は死んだ。疲労感はカンストした。
『お疲れなのじゃ』
「……おぉん」
いつもはムカつく根本的な原因の癖して傍観者面を決め込んでいる空白の態度をなんとも思わなくなるレベルで僕は疲れていた。
「はぁー、さっさと寝るか」
布団を敷くのも面倒だが……流石に床で寝るわけにもいかない。
床で寝るのは結構体に来るのだ。
「んしょ」
僕が寝室としている家の狭い和室に僕は通販で買った安っぽい布団を敷き、そこに転がる。
「……かてぇ」
床よりはマシだが、引いているのは安っぽい敷布団。
僕の体を優しく受け止めてくれる寛容さはない。
「おやすみ、空白」
『うむ。おやすみなのじゃ』
僕は空白へとおやすみの挨拶をし、目をつむる。
よほど疲れていたのか、僕の意識はすぐに落ち、闇へと包まれるのであった。
■■■■■
今、月はどれくらいの位置にあるのだろうか?
暗闇に包まれ、月と街頭とほんの一部の建物以外の光がなくなる深夜。
本来静寂であるはずの空間でゴソゴソという僅かな物音と自分の体にかかる重さを感じて意識を浮上させる。
「……んっ」
「ッ!」
瞳をあげ、上半身を持ち上げた僕。
薄っぺらい布団が僕の体からズレ落ち、僕の体が外気に晒される。
「……は?」
そして、僕の下半身辺りで蹲っている玲香の姿を見て固まる。
「……ッ!か、輝夜……」
「なんでここにいるの?玲香」
何故か空いている窓の光に晒される玲香へと僕は疑問をぶつけた。
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