第15話
いつも玲香が学校終わりに僕の家を訪れ、僕と共にゲームをする時間帯。
「むぅ……」
「むぅ……」
「……な、何かな?」
そんな時間帯に集まった僕と玲香とレーシアの三人。
三人が集まる中、僕は何故かはわからないけど、玲香とレーシアの二人から実に不満げな視線を向けられていた。
「誰?この女」
「誰でしょうか?この女」
玲香とレーシアは静かに睨み合いながら、僕に疑問の言葉を投げかけてくる。
「え、えっとこちらは高校生の間宮玲香。それでこちらはレーシア。これでおーけー?」
「「名前を聞きたいわけじゃないッ!!!」」
僕の言葉に対しての返答がぴったりと重なる玲香とレーシア。
「ひぃ!?」
だが、そんな重なりになんて何の反応も出来ず、二人の怒号に悲鳴を上げる僕。
何故かはわからないけど今すぐにでも僕を殺さんばかりの殺意を向けてくる玲香とレーシアの二人。
な、なんでこの二人を突き合せた結果、僕はこんな恐怖を体験をしているのでしょうか……?
『お主、阿保の子なのじゃ?』
そして、なぜかはわからないけど空白にまで阿保の子扱いされる始末……一体僕が何をしたというのか?
「と、取り合えず睨み合うのは辞めて欲しいだけど……」
「だけど!」
「ですが!」
「お、お願い、ね?落ち着こ?僕はこれからのことを話したいのだけど……」
「……まぁ、良いわ。とりあえず話を聞かない限り何も始まらないしね」
「……良いでしょう。一旦は落ち着きます」
「よ、良かった……」
落ち着いてくれた二人を見て僕は安堵の息を漏らす。
『お主の話を聞いたらこの二人、再度ぶち切れ出すのではなかろうか?』
「……」
おい、空白。
不穏なことを告げるなや、ぶち殺すぞ?……というか、僕の話の一体どこに二人がキレる要素があるというのだろうか?
ただ、これからのプランについて話すだけなのに。
「えっと……まず、これから我らが教会の進むプランについて簡単に話していくよ」
未だに僕は死ぬことに慣れない……いや、もはや死ぬことに慣れることはないのだと悟った。
もう、次の段階へと歩みだすべきときだろう。
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