第14話
輝かしい満月が天上で輝く真夜中。
「信者二人目きちゃーッ!!!!!」
僕は喜びの雄たけびを上げた。
『お主、近所迷惑じゃ』
「あっ……ごめん」
そして、空白に怒られた。
「でも、ようやく信者二人目だよ?雄たけびも上げたくなる……うぅ。着実に前へと進んでいるよぉ」
『お疲れなのじゃ。お主はよく頑張っているのじゃ。いつもありがとう……それで?あの子は本当に信者となってくるのじゃ?』
「前半と後半の優しさの高低差すごくない?まぁ、良いけど。心配しなくともなるさ……というか、させる。あそこまでこちらに歩み寄ってくれたんだ。後はこちらに引きずり込むだけだ」
僕はレーシアがここから居なくなる直前に告げた言葉『私はもう誰も殺したくない……貴方と一緒に居たいッ!助けて欲しいッ!』その叫びを思い出しながら笑みを深める。
あそこまで言わせたのだ。
こりゃ勝ちだろ……ここまで来てやっぱお前とかどうでもいいとか言われないよ。
『にしてもどうするのじゃ?あのお願い……お主に対処出来るような案件かのぅ?』
レーシア。
彼女はヤのつくような組織に仕える人間であり、その組織に出された依頼に沿って暗殺を行う暗殺部隊の人間だったらしい。
レーシアを助けようと思ったらそのヤのつくような組織を叩き潰す必要があるだろう。
「問題ないね。僕には頼もしい親戚がいるからさ」
金に困っている子供に一銭も寄越すことなく、両親を失った子供を引き取ることもなく、両親の遺産を親戚の大人たちに貪られている子供に助言の一つも寄越しやがらない頼もしい親戚様が僕にはいるのさ。
「こういう時の為に国家権力があるんだよ」
弱者をロクに守ろうともしない国家権力ではあるが、治安維持のために裏の組織くらい潰してくれるさ。
「それに僕自身も戦えるしね……いや、むしろ僕が戦った方が良いか?神の奇跡!とか言って圧倒的な力を見せれば信者獲得できるのでは?」
『あんまり危険なことはしないでほしいのじゃが……』
「じゃあ、教祖辞めるぞ」
『それは辞めて欲しいのじゃ……』
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