第7話
あれから数時間ほどマ〇カを楽しみ、太陽が完全に地上から姿を隠した頃。
「じゃあ、また明日」
僕たちはゲームを切り上げて玄関の方に立っていた。
玲香が自分の家へと帰る時間になったのだ。
「うん。また明日。神の御加護があなたにありますように
僕はこれから帰る玲香へと祈りを捧げる……こういう地道な行為が玲香の中に信仰心を植え付けると信じて。
「えへへ。輝夜に祈ってもらったのなら今日も安全に帰れそうだね!」
「当然……だけど、神の御加護があるからと油断し、安全確認を怠ってはいけないよ?結局のところ、自分の身は自分で守るのだから」
「もちろん!わかっているよ!それじゃ!」
「うん。バイバイ」
玲香は僕の方へと手を振り、自分の家に向かって歩き始める。
僕はそれに対して彼女の姿が見えなくなるまで彼女に向かって手を振り続けた。
「よし、と」
玲香が見えなくなった段階で僕は手を下ろす。
「……夕食どうしようかなぁ」
僕の収入はほぼゼロ……というか、ゼロ。皆無である。
毎日己の飯をどうするか、格闘の日々である。切実にお金が欲しい今日この頃。
ゴンッ
僕が夕食について考えていると、天井の方に何かが落ちてくる音が聞こえてくる。
「お?」
『人の気配じゃな』
「……人の気配?なんでそんなものが?」
『それは見てみるまでわからないのじゃ』
「それもそうか」
僕はその場を跳躍。
自分の家の天井の方へと着地する。
僕のスキルである『不死者』は自分が死なないという単純な機能の他にも己の身体能力を上げるだったり、色々な能力があり、自分でも未だに底がわからない能力なのだ。
「ちょ!?」
何かが落ちてくる音が聞こえてきた天井……そこには血まみれで虫の息と表現するのが正しいような女性が転がっていた。
『ま、まずいのじゃ!早く助けるのじゃ!』
「わかっているよっと。とりあえず止血しないとこのままじゃ出血過多で死んでしまう」
僕は見たこともないような戦いやすそうなスーツを身に纏っているその女性を優しく抱きかかえ、自分の家の方へと急いで戻ったのだった。
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