第6話
マリ◯カート8デラックス。
「Oh……sh○t!」
玲香と隣合わせでマ◯カをプレイする僕は暴言を吐き散らしながら地面を蹴り飛ばす。
僕と玲香の前に置かれているテレビ。
玲香が持ってきたSw◯tchに繋がれた僕の家の数少ない高級品であるテレビにはマ◯カの画面が表示されている……この画面に表示されている情報が正しければ僕の順位は最下位となっていた。
「教祖様として相応しくないぞ!そんな言葉!」
僕が最下位に終わった傍ら、一位でゴールした玲香が僕に向かって笑いながらそんな言葉を投げかけてくれる。
「いえ、神は己がぶれぬ信念の元に行う行為を我らが神はお褒めになってくれます。僕の暴言も神は許してくださるでしょう」
『いや、暴言は許さないのじゃが?暴言は辞めるべきじゃ』
僕はそんなことを宣う空白を無視する。
この宗教の教えを決めるのは僕なのだ……たとえ神であっても口出しさせない。
「うちの宗教。びっくりするくらい緩いよね」
「我らが神は寛容にして寛大ですので」
『なんか勝手にそういうことにされたのじゃ……』
「じゃあ、今から私が輝夜を押し倒しても神は許してくれるよね?」
「別にそれも神はお許しになりましょう……しかし、それと同じように僕が玲香の魔の手より逃げることもまた、神は許してくれるでしょう」
「ふふふ……ひ弱な輝夜が力持ちの私の魔の手から逃げられるかな?」
「僕は溶けますが?」
「……それはズルじゃない?」
決して死ぬことのない『不死者』の僕にとって一番の敵は殺されずに拘束されること。
そんな事態に対処したかった僕は……自分で自分の体を溶かすことで解決した。
ちなみになんか知らないけど、自分よ溶けろ!と思えば僕の体が勝手に溶けるので、なんで僕が自分の体を溶かせるのかはわからない。
「にしてもゲーム下手なんだねぇ」
「あんまりゲームはやらないんだよ」
「じゃあ、これから毎日私とゲームしようね?」
「勉強をするはずでは……?」
「ちょっと何を言っているのかわからない」
僕の疑問に対し、玲香は目を背けながら口を開く。
「そんなことよりゲームだよ!ゲーム!」
「まぁ、良いでしょう……次はビリにはなりません」
僕は玲香から借りたゲームコントローラーを手に持ち、テレビの画面へと向かう。
「それじゃあ、行っていこー!」
「うん」
僕と玲香は時間となって玲香が家に帰るまでずっとゲームを続けたのだった。
ちなみに僕の成績は半分以上がビリで、最高6位とトップスリーに一回も入ることが出来なかった。
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