南の島を舞台に、僧兵と薩摩武士とが激しく斬り結ぶ物語。
突き抜けた設定が魅力の、アクション娯楽大作です。
いわゆるパルプ、あるいは「トンチキ」と呼ばれる類の作品……には違いないのですけれど、しかし決して支離滅裂なわけではないところが最大の魅力。
言っていることは全部めちゃくちゃなのに、でも確かに「それがこの世界の法則なのだ」と実感できるこの読み心地。
それだけでもう相当に気持ちよかったです。ずるい……こんなのクセになっちゃう……。
もうこの世界観や舞台設定だけで楽しいお話なんですけど、一番好きなのはやっぱり山場のアクションシーン。
あるいはその決着というか、勝ち負けというか。
もう痺れました。こんな設定なのにうっすら感動させられている……!
自分でもよくわからないうちに心のど真ん中を鷲掴みにされていたお話でした。
可換環非可換環。とても面白かったです。