第9話能力発動1日目その2
俺の今の仕事は大手コンビニチェーンから受注した弁当の製造ラインの管理だ。
俺のラインで実際に作っているのは、学生バイトやパートで社員は俺と入社3年目の佐藤君だけ。
そして今週からは某コンビニがお弁当割引セールをやるらしく非常に忙しい。
休みづらい・・・・。困ったものだ。
しかし、今はあの『能力』のことが気になって仕方ない。
どこで使うか?
何に使うか?
やっぱり・・アレだよね?(照れ)
いやいや・・・ダメだよね・・・。
どう使えば5時間のリミットを有効に使えるかな?
そもそも5時間きっちり透明なのか?
ぶつぶつ唱えながら仕事をこなす。
キーンコーンカーンコーン・・・。
昼休みのチャイムが鳴る。
まずい。もう昼だ。どうする?少なくとも2日間は休めるように手配しなければならない。
社員食堂に向かうと、ちょうど直属の上司である池添部長がいる。
もうここで決めるしかない・・・・。
「部長!お疲れ様です!」
「おう。山口。お疲れ~。」
「部長、実は朝からお腹が急降下しておりまして・・・。まともに立って仕事ができない状態であります。食品の製造に携わる人間として一番マズイ状態です。本来なら今朝も出勤できない体調でしたが今週からのお弁当セールに支障が出てはいけない。私の責任感が出社させた訳ですが、これ以上は限界であります!今後の対応は佐藤君にキチンと伝えておきますので引継ぎ終わり次第早退させて下さいっ!」
相手の目をしっかり見て真剣な顔でビシッ!と決めてみた。
「お・・おぅ。そうか。 まあ佐藤もそろそろ一人でも大丈夫か。ある意味いい機会かも知れないな。」
「いいよ。お大事にな。引継ぎだけ頼むな。」
案外簡単だった(´-`).。oO
俺は顔立ちこそ、ふざけているが仕事自体は真面目にやってきた。
それゆえに上手くいったのだろう。やはり普段の行いが大事。
とりあえず佐藤君に引き継いで家に帰って作戦を練るか。
「佐藤君。・・・・・という訳であとはお願いするよ。」
「えっ!セールですよ!?僕にできるかな・・。」
「佐藤君。落ち着いてやれば大丈夫。これはピンチに見えて実は君にとってはチャンスなんだよ!大変かもしれないけど自信もって楽しんで!」
(俺は透明になって、あんなこと、こんなこと楽しむ予定だけどね・・・。)
・・・・。佐藤君は少し考え込んで。
「そうですよね。わかりました!やってみます!」
「Yes!その笑顔!」
もうテンション上がってるから変なこと言っちゃった(´-`).。oO
という訳で俺は急いで家に帰宅するのだった。
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