第3話 山口とは・・。

俺の名前は山口正太郎(ヤマグチ マサタロウ)

今は食品加工会社の工場で大手コンビニチェーンから請け負った弁当などの商品の製造をしている。


本当は好きな野球関連の仕事につきたかったのだが俺が就職する頃は超氷河期と言われるほどの就職難。

特別成績の良かった訳もなく父親のつてでなんとか就職したって寸法だ。


学生時代から無骨で不器用だった俺は口下手でいつも損をしてきた。

友達にどんどん彼女ができても俺は独り。

決して女性が嫌いな訳ではない。いやむしろ好きだ。好きでたまらない・・。


が、無骨ゆえ好きな女性に気軽に声をかけたりなんてできなかった。

もう少し俺に社交性があれば。

もう少し俺に興味を持ってもらえれば・・・。


やがて友達も結婚し子供が生まれ、ついには妹まで結婚してしまった。

華やかで甘酸っぱい青春時代は俺にはなかった。


無骨で硬派な性格と寡黙な顔立ちが女性を遠ざけてしまったのさ。

じっくり内面を見てくれる女性なんてそうそういない。


テレビで若い女性も言っていた。

「顔がすべてではないけど顔が悪ければ中身なんて見てもらえない!」と。


すべての人がそうではないが全くその通りだ。

世の女性は俺の良さに気づいていないだけ・・・。

そんな言い訳をしながらダラダラと生活し、ついには40を過ぎてしまったのだ。


なんとなく仕事をこなし特別出世を望むでもなく彼女が欲しくてたまらないのに全く行動を起こさない。


そんな自分にもんもんとしながらも無骨だから・・・を言い訳にしている。

もういいかげんに自分を変えよう!


そう決意しながらも趣味の競馬のために競馬場に来ている。

それが俺。

山口正太郎なのさ。


そんな時ある男が話しかけてきたんだ。

それから、まさかあんな事になるなんて・・・・。


俺の人生は劇的に変わる事になるのだった。




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