補助金でホジョホジョしたい(←イミフ
さて、農業開始のための元手金の話をしたので、せっかくだからお金の話を続けよう。
今回は最重要項目『新規就農者の使える補助金』の話だ。
と言っても、自分が使用した補助金が今でも使えるかどうかは不明であるし、仕様が変わっているかもしれないので、その辺りは先に断りを入れておく。
自分が利用した補助金は、主に三つだ。
まずは「農業次世代人材投資資金」。
これは新規で農業を開始した若者(就農時49歳以下)に支給される補助金で、年間最大で150万円が支給される。農作物を作って売るまで資金は目減りする一方であるため、軌道に乗るまではかなり頼りになる補助金だ。
この補助金がなければ、自分も途中で資金ショート起こしていた可能性が高い。
収入が安定するまでの貴重な収入源であり、ある意味一番頼りになる補助金です。
先述した4年目から受け取りを拒否した補助金と言うのは、この補助金のことである。稼げるようになると、割合で額が減額するうえに、色々と書類審査が面倒であったので、4年目からは切ったというのが真相だ。
次に「就農条件整備事業」。
この補助金は大型機械やビニールハウス等の営農施設を購入する際、その半額を補助してもらえるという制度だ。
例えば、300万円でトラクターを購入すると仮定した場合、その半額、つまり150万円を補助してもらえるということだ。
新規就農者の場合、各種機械の購入に加え、梱包の作業場等の施設の建設等、いくらでも金が飛んでいくので、大きな買い物をした際の“半額”はとてつもなく大きい。
ちなみに、自分が「就農条件整備事業」を使って購入したものだと、トラクター(280万円)、ビニールハウス(90万×2棟)、動力噴霧器(70万円)、エアコンプレッサー(50万円)、ねぎ皮むき台(35万円)、移植機(120万円)、収穫機(400万円)となる。
以上の機械を購入する際に、“半額”を補助金で賄ったことになる。
なお、上限購入金額は1200万円で、最大600万円の補助が出ることになっている。
自分はこの補助金によって、500万円以上は受け取っている計算になる。補助金様様。これがないと、もっと厳しい経営を強いられていたであろうことは疑いようもない。
最後の補助金は「青年等就農資金」。
これは新規就農者の利用できる、優遇された融資枠のことだ。なんと、最大3700万円まで“無利子・無担保”で借り入れができる制度だ。
補助金というよりかは負担軽減の制度と言った方が適切かもしれないが、“借入日から12年以内の返済”で、利息なしで借り入れができるのである。経営者ならば誰しもが羨ましがる最高の融資ではないだろうか。
しかも、融資の大元が日本政策金融公庫で、窓口がJAバンク。最強の布陣である。
この「青年等就農資金」と、先述の「就農条件整備事業」の合わせ技が強力無比である。なにしろ、購入代金の半分を補助金で賄え、残り半分も“無利子”による借り入れによって賄えば、手持ち資金を使うことなく大きな買い物をすることができるのだ。
無論、あくまで借り入れであるため、返済は必須であるが、5年間据え置きもできる。つまり、12年返済で無利子だが、その12年間の内、最大で5年間は返済猶予もできるのだ。
自分の場合は、2年据え置きを利用した。つまり、最初の2年は返済をせずにそのままで、3年目から残り10年で返済するというプランだ。
残り年数に返済残高が集中するが、資金繰りが特に厳しい1年目2年目の返済を猶予してもらえたのは、手元の資金を使わなくて済むので、日々の諸費用にあてることができた。
以上3つが、新規就農時に利用した大きな補助金制度です。
他にも、農地賃料のキャッシュバック補助や、水田転用補助など、各自治体ごとに細々した補助金制度が存在します。
自己資金のみでの開業は厳しいですが、これら補助金があれば、負担が少なく営農を行うことができるのです。
考えてみてください。毎年150万円貰えて、買い物は半額出してもらえて、無利子で銀行がお金を貸してくれる。これほど優遇されたものがほかにあるでしょうか?
他の業種だったら、絶対あり得ませんよ。融資に銀行へ行っても門前払いか、よさげな担保を要求するかでしょうね。
つまり、新規の農業こそ、最も手厚い補助のある職種であり、国も自治体も力を入れているということです。
もし、読者の中に将来の新規就農を考えている方がいらっしゃるのなら、こうした各都道府県や自治体の補助制度を調べ、自分に合う作物と補助金制度を見つけてみましょう。
うまく利用できれば、自分のように3年目からガッポガッポ儲けることができますよ。
~ 次話に続く ~
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