9月
9月に入って暑さも和らぎ、ようやく一息つけるが、その一息はため息なのである。
先述したが、8月の暑さで白ねぎが腐る。腐ったねぎは元には戻らない。ゆえに、腐って解け落ちた白ねぎは畑に吸収され、跡形も消えてなくなる。
9月、続く10月というのは、その8月の暑さにやられたまま復活できず、出荷量がイマイチになりやすいのだ。ゆえに、ため息が出てしまう。
しかし、まだもうひと働きせねばならないのだ。
9月に入ってまずやることは、『トンネルねぎ』の播種である。
そう、もう1年は回ってきて、この頃からトンネルねぎの準備を始めねばならない。苗を作り、畑に植えるのは11月の後半なので、ここいらが種を撒くベストなタイミングとなる。
そして、ビニールハウスに残っていた苗をすべて吐き出し、トンネル用の苗以外は、9月の末尾までに畑に植えておかねばならない。そうすれば、来年の春には収穫できるようになるのだ。
あとはいつもの作業をこなしつつ、台風が来ないことを祈るのだ。収穫、出荷、畝上げ、植え付け、農薬散布、これらの作業はいつまでもつきまとう。
また、気温が落ちてくるので、白ねぎがかかる病気も変化するため、散布する農薬も変更していかなければならない。
こうした狭間の時期が一番悩ましい。夏と秋、両方の病気に気を配らなくてはならないので、気を遣うし、金も使う。
残暑にやられることがないように気を付けつつ、秋の風を感じて次のステージを待つのだ。
~ 10月に続く ~
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