キラー情報No.――
人や建物で追跡を解除するも歩くのは危険と判断。デパート最上階にある飲食店立ち並ぶフロアで一息つくことに。アンティークな雰囲気漂う喫茶店。そこに立ち寄るとトレイがニコッと微笑みながら言う。
「いやー先程はすみません。殺し家系の殺し屋さん二人に目をつけられるとは思いませんでした」
俺の目の前にウィンナーコーヒー。トレイの前にはクリームソーダ。飲むのが異常に早い。互いにスマホを弄り、表では日常的な話をしつつ裏では“ゲーム”について聞く。
【■■■@Gh】
『先程の二人ですが一人は“
|
【■■■@Gh】
『名前:
: 駿(弟)
年齢:壮年
住所:不明
職業:殺し屋
殺害数:■■■
逮捕歴:無し
追記:キラー名:セクトと関係あり
死亡したはずの末っ子』
送られた情報を目にしたとき、違和感を感じ彼を見る。『彼らは兄弟』と言っていたが、他にもいるのか『追記』の部分がやたらと気になる。
「あの、追記なんですが……」
コーヒーを飲みながら俺が指摘すると嬉しそうに笑みを浮かべアイスを頬張る。
「殺し屋の中にはどうしても殺したくて『探せ』と言ってくる輩がいるんです。だから、場所を突き止められては逃げる日々。『言えば殺しはしない』と脅されますが一度やったら彼らの駒でしょうね」
一瞬嫌そうに画面を睨んでは、機嫌良くしたように笑う。気まぐれな人なのかコロコロと変わる気分の激しさにネットは別の意味で話しかけづらかった。
「野暮用に巻き込んでしまったので私がお支払しますね」
伝票片手に彼はレジへ。俺は店の外で待っていると目の前に信号で見た堺兄弟。ガン飛ばされるも腹の虫が聞こえ、弟が小さく笑う。
「
壮年にしては若々しいしゃべり方。兄は俺をずっと睨み付け、出てきたトレイに中指を立てる。
「あら、やだ。まさか、行きつけじゃないですよね。此処気に入ってるんですけど」
店を指すも兄は無視。何も言わず中へ。消えることもない殺気。遠目で見た時よりも遥かに怖い。
「神っち以外。日常に扮して間近で見るのはお初ですか?」
「まぁ。あ、でも……昨日」
「把握済みです。応急手当が間に合って良かった。さもなくば、お二方捕まっちゃいますからね」
クスッと小さく笑う。同時にスマホが震えた。
「戦闘は別として。貴方でも殺せそうな人リストアップしました。私が信号機狂わせたように殺ってしまえば簡単ですよ」
周囲に人がいるのに遠慮ない言葉。「電波塔を此方のモノにしてしまえば複雑そうに見えてそうでもない。自分で好き勝手に出来るんですから」と赤の他人のように続ける。
「ねぇ、
微かに甘く誘惑する声。笑顔で俺を見る彼の裏には何かあるような気がした。
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