MISSION:121 無限残機のポヨポヨポー

 ニセモノ事件は、わりと強いほうのユッグベイン支部を退治したんじゃないか、と思ってる。だから邪人を殲滅したわけじゃなくても、しばらくは大人しいかもしれないんだよね。人攫い邪人を何組か狩ったら大人しくなったし。


 なので僕が考えた案は「街灯になって邪人見つける隊」を作るというもの。ネリネリに練ったよ。明るければ普通の犯罪も減るだろうし、いろんな所に立ってればダンジョンマスターとしての権能で、邪人も発見しやすいと思ったんだー。


 町の門とかにも設置しておけば、冒険者に擬態してるヤツらも発見できるしね。もちろん能動的にアチコチ飛び回るのも忘れてないよ。

 指揮蟹島やニセモノ事件の離島の件もあって、本土と近い場所に大規模な実験場を持ってる可能性が高くなったからさ。


 ただ、ダンジョンをオープンせずに出入り口を閉じたままで悪事を働かれると、見ただけでは発見できないんだよな。結局は囮作戦で拠点まで連れて行ってもらわないとダメっぽい。

 僕のニセモノ事件の時は使わなかっただけで、囮捜査は継続してる。


≪お前たちは包囲されている! 無駄な抵抗はやめ、大人しく出てきなさい!≫

「ポーちゃんがうても聞こえんじゃろ」

「そもそも邪人に赦しなどあり得ませぬ」

「ん。殺すする来た。死ぬする」


 リドゥリー北東の諸島の1つ。

 邪人ダンジョンを発見したのは、ライオン型ライカンスロープのントゥカさん率いる囮捜査官の偽装家族。


「スー家のかたには申し訳ござらん。すでに任務完了しております」


 フーちゃんがガーーンって顔した。

 僕も想定外だった。


≪行くまで待っててって言ったのにー≫

「戦い、ない、なるした。残念」

「捜査が実を結びましたのでな。つい……」

「ん。でもいことー!」


 作戦開始から6ヶ月くらい経ってるし、ワカルケドォ。

 初の成果っていうことだから嬉しくなっちゃったのも、ワカルケドォ。

 待ってて欲しかった。これで僕らの任務は囮捜査官の輸送だけ、ということが確定した。


「ここのダンジョンは、もろうてえんですか?」

「ハッ! ダンジョンであった場合は、ワワンパァ殿にお任せせよと陛下より承っております」

「儲けたなら良しということにするであります~」

「ほんじゃ、メンテドールに任せて帰りますか」

「勤務地、どこする?」

「チヒですがリドゥリーでも構いませぬ」


 休暇が待ってるからだって。そんなわけで捜査官を、ラーハルト辺境伯のところにポイして、僕らはワワンパァダンジョン上空に待機してるパンツァーポーへ、向かうことにした。


 ネーネさんから依頼を受けてるんだよね。そこまで急ぎじゃないけど、落ち着いたら手伝ってって。


 永久凍土の緑地化計画をね。


「当代を見つけました」

「ばっちゃま、いるした!?」

「それはいいんでしゅが……」


 氷像になってんだって。

 ダンジョン化してて、それをなんとかしようとしたんだろうって。

 コアに触れたところで氷像になってたって。


「ばっちゃま、やらかすした?」

「してましゅね。不用意に触ったんでしょう」


 これはパーティへの依頼というより、僕への依頼だそうだ。

 当代コロコロのやらかしでできた不自然な大自然。

 大陸の4分の1を永久凍土にするような、力のあるダンジョンコア。


 みんなじゃコアに触れないのは分かるし……魔力を奪うのは僕の残機でイケるってのもワカル。でも触ったら凍るんでしょ? 氷の玉になっちゃうな、僕。

 ウーン、走る椅子隊並みに残念な部隊ダナー。


 氷の玉を無限に作る隊って……。


 これからの戦いは残念です。

 もうちょっと生産的なのがヨカッタヨ!


≪食べれたら食べていい?≫


 それくらいは許してよね。

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これにて完結です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

戦闘シーン上手くなりたいっ。

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コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~ ヒコマキ @cell_makimaki

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