MISSION:77 メイガス
≪この7個。どう?≫
「精霊さん、いるする。呪い、侵されるしてる」
全機集合したのでフレッシュゴーレムの魔石を見てもらったんだけど、やっぱり呪われた精霊が入ってるそうだ。
「精霊の泉を見つけるだけじゃ」
「はい。絶対見つけるでありますよ!」
その前にダンマス退治だね。標高が高いと思ったら雲の上だよ。雲海に巨大な城が建ってる。邪悪なヤツがダンマスじゃなかったら、テンション爆上がりしそうなのにね。どうやって雲の上に城が建つのかサッパリ分かんないもん。
僕らには関係ないけど、攻略も難しそうだよ。切り立った崖の上に山が乗ってる感じというか。日本アルプスくらいの高さはあるからさ。登山道があるにはあるけど、見るからに整備なんてされてないし。
≪近くで見たらスゴイなあ≫
「巨大あるー」
「なにもかもが大きすぎるのです」
「なー、ウチぁねえ、なんとなく予想が付いた」
ワワンパァ
「ヤミちゃんとフラムブチョーと同等か、それ以上の強さのはずじゃ」
「望むところする」
「ウーン、戦い辛そうでありますな」
≪まずは足を痛めつけるのがいいのかなあ?≫
ぶっちゃけ僕を吸い込ませたら、終わりな気がするんだけども。それをやると強さを磨けないから、ブーブー言われちゃうんだよね。
危なくなるまでは使わないようにしよう。
ワワンパァは装備の変更を申請して来た。ガトリングガンは効きそうにないから、外すってさ。そして斧じゃなくてモーニングスター2本にチェンジ。防御力が上がるのと、装備破壊の付与がされてるからね。
「ほんでも効かんのじゃろうなあ。+2じゃし……」
「それがしはキャノン砲を撃ち終わったら外しますので、壊されないように持っておいてくだされポーちゃん」
≪オッケー≫
ルァッコルォは接近戦するつもりだね。ジャマダハルに加えて、ショックの付与がされてるダガーも一応持っておくってさ。電撃で痺れ効果があるから便利だからだそうだ。
忍鳥のハヤテも電撃が使えるけど、連れて来てないんだよね。今はワワンパァダンジョンでゴブリンニンジャたちと訓練してたりする。
僕とフーちゃんはそのまま。変更は特になにもないかな。戦闘用の荷物だけ持った小さめのエアタンカーと、
それから一応危なくなったら問答無用で、敵内部から仕留めるって伝えておく。
「行くするー」
≪いや、だからフーちゃんは軽いんだよぉ≫
「問題ないある」
「まあ、フーちゃんじゃし」
「緊張が取れて
僕がオカシイのかい?
≪まあいいか。では突入!≫
「「「おーっ!」」」
巨大なドアだったので開けるのに苦労した。全開にする必要もないし、少し開いた隙間からチュルンと侵入。するとどうでしょう!
『無粋で傲慢な招かれざる客よ。そなたらには素材となってもらうとしよう』
ダンジョンマスターからのインフォメーションが届いたよ。
「殺すする来た。死ぬする」
「根こそぎいただくのであります!」
「ウチがこのダンジョン、有効利用しちゃるけん安心しときんさいや」
なにもかももらうのは僕らのほうだね。だって武闘派だもの。
……やっぱなんかオカシイ気がする。なんというかぁ、カワイイ女の子なんだからさ、もうちょっとカワイイことして欲しい気がしなくもないよ?
日本のアニメが世界に誇る「カワイイ女の子がカワイイことしてる」っていう文化で過ごしたいのでありますれば。
≪CGDCTは遠いナー≫
「じーじーてぃーてぃーちー?」
≪んーん、なんでもないよ≫
幼女が軍服で首傾げてる破壊力っ。そいっ。ワワンパァとルァッコルォはホワァってなってる。シュバッ。もちろん僕もホワってる。カワイイの来たからセイッ、良しってことで。
CGDCTは近くにあったンダオラオラオラァー。
「ゾンビのせいで動きぁ遅いし、死肉のせいで柔らかいし、ジャイアントが弱いと勘違いしそうなんじゃけど」
「フーちゃんのお陰で死臭もありませんし、なんだかとっても楽ですな。最終ステージなのに」
≪城が大きすぎて飛べちゃうしね≫
ところでさ、ジャイアント族のゾンビが待ち構えてたんだけど、正直アイアンゴーレムのほうが強敵かもしんない。臭いで存在がバレちゃってたし、悪臭もフーちゃんが風の精霊に頼んで消臭したし。
「ジャイアント、ネクロマンサー、いるする?」
「ウチぁ聞いたことない。普通は戦士系じゃろ」
「術師系であれば、ゴリ押しで行きましょう」
ルァッコルォはマジックブレイクの武器だしね。魔法を切れば問題ないってことか。飛んでくる魔法を切るの、難しそうだけどなあ。
なんでもないことっぽいや。
そうは言っても注意が必要だろうな。ジャイアント族をゾンビにできる強さが、ダンジョンマスターにはあるってことだもんね。コアルームのあるであろう、この場所に敵を迎え入れるダンマスだし、己の強さには自信があるタイプと見た。
今までは素材にされた冒険者が、いたのかもしれない。だけどそれも今日までだね。ワワンパァも言ってたけど、色々と貯め込んでそうだし結構儲かりそうな予感がしてるんだー。困ったことにどうしたってヌッフッフしちゃう。
困ったことに。
≪気を引き締めて行こう。みんなの顔がニヨニヨしてるし≫
違うとか、そんなことないとか、言ってるけど僕は見てたよ。ニヨニヨするの見てた。油断はダメなのだ。
「油断禁物」
「じゃね」「ですな」
僕らとジャイアントゾンビの戦闘を見て、無駄だと思ったのかは分からないけど、敵との戦闘がなくなった。
僕らを疲弊させるという点では、無駄じゃない気もするんだけどな。魔物の消費が、もったいないということだろうか?
ダンジョン運営に関わってるから、そういう視点で考えられるようになったかもしれないゾ。さっき思った自分に自信ありタイプなら、自分でブッ飛ばしたい系の可能性が高いけどさ。
「誘われていますな」
指し示すように開いていくドア。
≪でも閉まってるドアの向こうから魔力反応があるよ? マジックアイテムあったら欲しいよね≫
「あと、するー」
「ほうよー、どうせ傘下に入れて全部もらうんじゃけえ」
≪ダンジョン探索の醍醐味だと思うんだけどなあ≫
ダメって言われた。開かないドアは僕が分解して穴開けちゃうから、無駄な修理費が掛かるってぇ。
≪(´・ω・`)しょぼーん≫
「ック、急にカワイイ文字やめぇ!」
「しょぼーん」
「ルーちゃん、しょぼーん顔、真似するない!」
≪(´;ω;`)しょぼぉん≫
ベチィって叩かれた。
「行くする、ね! 分かるした?」
「分かっておりますよ。少々ふざけただけであります」
≪ダンマスを油断させる作戦≫
「ポーちゃんの文字までは見えんじゃろ……」
そう言えばそうだった。大き目のメッセージウィンドウにならないと、判別できないんだった。
「愚かな選択であったな、小さき民よ」
誘われるまま進んだ先には、ジャイアントゾンビなんかよりも巨大な人が待ち構えていた。ローブのフードが顔に深くかかってて影になってるから表情はよく見えない。
「わざわざ戦いやすい場所に誘っていただき、ありがとうであります?」
壊されたくないとのお返事がありました。3階建ての家くらいの巨人が、自由に動けるサイズの広場。訓練に使ってる様子が分かるね。電柱くらいの剣だの槍だのが壁に掛かってる。
ンン? 魔術師系じゃないの?
「我が名はヘレウェーエル。12賢人が1柱、メイガスのヘレウェーエル。死を誘う者なり」
「ヘ、へうぇ……ヘー。私、コロロの森のフィアフィアスー。ヘー、悪、臭い強いする。殺すする来た。死ぬする」
≪フ、フーちゃん、ヘーはさすがに……ヒドイ≫
笑っちゃったせいでプルプルする僕。でもワワンパァが注意喚起してきた。
「気ぃ付けぇ! 最強のジャイアント族、ストームジャイアントじゃ!! 弱点なし、雷撃無効ッ!」
「ストームジャイアントある!?」
「絶望に酔いしれよ」
大きすぎてゆっくり動いているように見える。でも実際は超高速で振りぬかれた巨大な両手剣。
「パァちゃん!!」
「ごめん、やってしもうた」
「中身が出てるでありますッ!」
ワワンパァが切られてしまった! サイズが違い過ぎて、間合いが取り辛いんだ!
しかも剣なんて持ってるようには見えなかったぞ? ローブに隠れてたのか。
≪とりあえず合体!≫
地面に落ちた下半身はエアタンカーに任せる。僕はワワンパァの中身が、これ以上漏れないように蓋をした。くそぉ、油断しないようにって話してたのにな。腰の辺りで切断されて、彼女は半分になってしまった。
「か、かっこ悪いんじゃけどぉ」
≪空中戦なら足はなくても平気でしょ。飾りだよ飾りっ!≫
「滑稽である。あがけ、懸命にな。せめて我を楽しませよ」
「ムゥ……なぜある?」
ヌヌヌ、笑いおってからにー。お饅頭型がオカシイんだから、もうちょっとシュッとした感じにビルドマイイイイイィィンッ。
スラスターがいっぱい付いてる感じになっておこう。
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次回≪MISSION:78 堕ちた賢人≫に、ヘッドオン!
素材 他ルートも換算済み
モックドレイク43体
魔石x43 皮&竜鱗x31 爪x18x31 牙平均55本x31
ワイバーンの魔石x18
オーガ26体 魔石x26 角x36
ロック鳥 魔石x21
ゴブリン級の魔石x125
オーク級の魔石x102
ウッドゴーレム 魔石x13
ボーンゴーレム 魔石x13
マッドゴーレム 魔石x13
ストーンゴーレム 魔石x12
フレッシュゴーレム 魔石x13(呪われた精霊入り)
アイアンゴーレム 魔石x12 +2ツーハンデッドソードx6
≪空中戦なら足はなくても平気でしょ。飾りだよ飾りっ!≫
偉い人には分かんないヤツ。中身出ないようにとりあえず合体してみたら笑える状態になってしまった。オカシイナ?
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