第18話


 学校でノラさんが絡んでくることは無かった。

 でも、教員やクラスメイトが不便を感じているのか、しばし俺に質疑応答を代行してもらうことがあった。

 その度に申し訳なさそうな顔をして、お礼を言ってくる。

 クラスメイトも言語はわからずともその雰囲気が伝わる。

 

 彼女の困った雰囲気を散らそうと励ましの言葉を上げたりする分にはまだいいのだが、俺に非難の視線を剝けたりするのはやめて欲しい。


「悟は何があったか知らないけど、そんかっかすんなよ。

 好意を向けられているのはわかってんだろう。

 そいつを無下にするなんてもったいないゼ。」


 クラスメイトの中心的な存在を通称陽キャラ。

 彼らは誰にでも気さくに声をかける。

 既にグループが形成されているにもかかわらず、声をかける。

 これが何を意味するか、理解できるか、閉鎖的な村の中に1人社交的の若者が無断で入ってくるような構図である。


 何が言いたいかと言うと、よそ者が入ってくるんじゃねーよっていうことや。

 閉鎖的な空間にわざわざ来るっていうことはそれだけに殺されてもいいという戦線布告にも捕らえられかねない行為。


 今こいつは俺に向かって宣戦布告したのだ。


 こっちの島に喧嘩売ってきたのだから買ってやるよ。特別料金込みでな。


「かっかも何もしてないよ。

 俺はただ通訳をしてる子も、それ以上の関係になる気がない。それだけだよ。

 吊り橋効果にのこと言われても困るし、もしそれで恋人になったとしたらそれ迷惑じゃん。」


 整然とした理論攻めである。

 集団心理の下に基づく、情報操作に近い。彼らの行動はデモ行動によく似ている。

 どんなにルールを破っていいと罪が軽くなると言う免罪符のなのもとに集団性が強くなり、整然とルールを守らなくなる。

 まだ、日本人の書類は、ガラパゴス式の書類が多く集団心理で人を動かしやすいのが特徴だ。

 よって学級崩壊などが起こった際には大抵の集団主義によるいじめが行われているケースが多い。


 それでもって学校側言い訳をするために、校則でガラパゴス式の書類を作成している。

 が、是には、穴が有る。

 そもそもの話、生徒手帳ではガラパゴス式書類を作成しているケースが多々あるが、そうなる可能性があるといった意味合いでのニャアンス書かれている。

 つまりは、学校の先生の裁量次第ということ。

 この場合、担任のクラスの先生はそれを受けることになるため、責任をすべて他人のクラスの先生に押し付けることも可能。もしくは学校主任の先生だろう。

 そして、校長を最終的に言い逃れをするための準備が整っている。


 では、彼らを撃退する方法は何か。

 ボイスレコーダーによる録音もしくは書類による徹底的に追求である。

 校長先生の直談判こそが近道だが、常識で解いていけば、彼らは死ぬ。

 報道の自由を行えば良いそれだけの話。

 さあ、第三者視点から物言いを始めよう。


「それに、あなたは好意を向けられているから、といって、全てを受けれるんですか?

 もし、私に彼女がいた場合、それは不倫に当たりますよね。

 その場合の慰謝料等の設置はどうなるでしょうか学生といえど、責任を取る親、保護者と言うものは存在します。

 彼らによってたかって責任をとってるんですか?

 今、私たちで高校生ですよね。

 もうすでに働いてる人たちもいます。

 それらを踏まえた上で責任が取れるかどうかの判断がつく意味合いで言えば8割がたは着くと言っていいでしょう。

 その判断がついてる上であなたは発言しているとことですよね。

 では教えてください、自分のことを最も優先すべき現在の高校生活の中で、彼女からお世話をしろと言われたら、あなたは断ることはしませんか。

 私からするとこれは介護に近い行為です。

 給料もらってるわけでもない。慈善団体の行う行為ですし、いくら内申点がもらえるからといって、仕事を覚える社会に入ってからです。

 特に会社に入る場合は、面接がモノを言います。

 雇用において、試験を用いているところはありますが、あくまでも、油断させる手段として使われているケースが多々あります。

 そして学校生活ゼのことを言われたとして、そのことを話せばいいとおっしゃるでしょうけれども、果たしてそれらに対して他の成績が伴っていなければ良い印象を受けるでしょうか。

 これらのことを踏まえて再度ご意見をお願いいたします。」


 最低のビジネス用語で攻撃しました。

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