第13話 通気性が良いってものはいいようだよね
無慈悲に突き放した後は勉強などやることが沢山有ったので部屋に籠っている。
ここでよくライトノベル小説にあるような姉貴や妹の登場は無い。
せいぜい従妹は居るがこの街からだいぶ離れたところに住んでいるため来ることは無い。
つまり、このパート何もないただの男子高校生の勉強風景ということだ。
どこに需要あるねん。
前の話の過去編突入してええやんけ。
「っつても異世界ファンタジー的な要素を地球にもとめる方が間違っているよな。」
異世界に行ったから幽霊もでも見れるわけじゃないし。
魔法を使えるわけでもない。
さらに言うなら妖怪は空想上の存在。
そもそも人間の目の前に現れないってことはそれだけ、臆病な性格か、それとも人間が滅ぼしたかの二択でしょ。
「それとも誰かが見えなくなるようにしているとか?」
今のネット社会を舐めない方が良い。
ネットで大抵のことは調べられるし、投稿した瞬間にダークウェブにへと落とされるような不思議パワーでも働いていない限り情報の流出は困難だ。
情報の流入を見ればわかるようなファンタジーに出会える機会なんてなあ。
と思いながら部屋の明かりを見ていた。
「あ、トンボ。」
我が家は築50年の歴史を誇る家なので隙間が多く虫など、ちいさな生物が偶に入ってくることがある。
流石にトンボなどは滅多に入ってくることは無い。
季節は初夏だが窓は開けていない。
どこから紛れ込んできたのやらと思っていると俺の鼻に留まった。
「とりあえず外へお帰り。」
羽を取ってそのまま外に流すが、そろそろこの家の隙間問題を解決してほしい。
ってか引っ越したい。
そんなこと言ったら親父が汗水たらして働いてくれたことを否定するようで口が裂けても言えないけど。
「ん?」
幾度となく3年間嗅いだことのある匂いを感じた。
一通りの勉強は終わったので家族には少し勉強が片付いたのでコンビニに行くと言い家を後にする。
家族からはもう遅い時間だから警察から補導されるなよという程度に言われただけなのでとりあえず匂いの正体を確かめることだけに専念した。
「此奴は。」
モンスターの住処の匂い。
勇者のおっさんが納めるまで異世界の街に充満していた匂いだ。
異世界の人達にはわからなかったが一部の騎士や俺にはわかった。
「それがなぜここに。」
ひっそりと臆病に暮らしている。
そう予測したばかりなのに。
ありえないと心の中で否定した事象が起きているとでもいうのか。
日本の年間行方不明者は約2万人。
少数で暮らしているなら十分な量の食料がある。
冷や汗が止まらない事象が浮かび上がった。
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