第8話 意識高い系ってマニュアル無いと大抵破滅する系、でも這い上がったら出世確実なタイプじゃね
「今なんて言ったか教えてください。」
「イマナンテイッタカオシエテクァサイ。」
濁点が何故か苦手なようだ。
外国の言葉にも濁点が入る言葉は用いられるためさほど苦では無いように思えるが、彼女にとってはとても苦手なモノとなっている。
こうしてみると、彼女はとても可愛らしいと思ってしまう。
例えるなら一生懸命頑張る。赤ん坊のような可愛らしさだ。
この分なら情欲を抱く事はない。
ただ絶対にないとは言い切れないとは言い切れない。
高校生のうちにプロの仕事を求めるのは間違っているかもしれない。
だけども、プロを目指す上で必要な事は責任を持つこと。
責任が取れないうちに、その失敗を恐れるのは当然のことだろう。
この文面でプロと言うのは、プロフェッショナルワーク、報酬を得るだけの専門家の仕事ということ。
身近なところで言うと、スマートフォンの設定やパソコンの設定、これはプロに任せればものの数分で終わることだが、何も知らない人から設定を行ってくれと言われれば、数時間から数日時間を要することだってある。
私が求めているのはプロの仕事をしたいと言う事異世界にいた以上仕事はしていた。何も怠けていたわけではない。
高校生のうちからできる仕事はアルバイト程度が大半。
それもレジ打ちや給仕と言ったある程度、マニュアル化されたものが現代日本では多い。
だが、異世界は違う全てが臨機応変マニュアルなんてものは存在しない。
この言葉を教える授業なんてものは、まさにそうだ辞典はあったとしても、その時点の意味が正しい時と場合がある。
すなわち雰囲気とでも言うのだろうか雰囲気、空気を読み、言葉を選ぶことが重要なスタンスとなる。
ただ、訳すだけでは、敬語や丁寧語、異性への口説き文句など、遠回しな表現を言ってしまう可能性も無きに悪しからず。
どれを選択するかも含めてプロになるにはかなりの技量が要る。
それこそ今彼女は何を求めて話しているのか。
求めているものを聞き出さなければ話は始まらない。
「発音の練習をしたいなぁ。
濁点音の練習ってできる?」
このように指摘するのは簡単だ。だが、しかし発音を優先させるが、あまり他の言葉の覚え方がおろそかになってしまっては伝わるものも伝わらない。
日本では主語を用いない会話が成立する。
要は、遠回しで曖昧な表現でも会話が成立してしまうと言う意味合いである。
まず覚えさせるべきは、その主語のない会話であるからして難しい。
なぜなら、他の言語には全て主語があるからだ。
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