第4話 ヅラじゃない植毛だw
「一部リーブ31主任から聞いていると思うが、ノルウェーからの転校生が来ている。
入ってくれ。」
ハゲ教師もといリーブ31主任だったのか。
道理で不自然な髪の比率をしているわけか。
担任は若い教師で松本先生という男の先生だ。
特にこれといった特徴は無いが今日はなんか荒れてる。
「Hallo.」
ガタっという大きな音が一回鳴ってから、ガラガラと建付けの悪い引き戸が開かれる。
これ、引き戸を開けようとした?
男子女子共に感性の声が上がる。
陽キャ感強くていやだわ。
明るくするのって必要なくね。
進学校って言ってるのにここで自制できないのはどうなのよ。
一部の闇を好み陰に属する者たちは声を上げることは無い。
転校生を見るなりメモを取る生徒が居たり、唇を噛む生徒も居る。
陰に属する者たちは各々の趣味嗜好、生き方を変える気は無く、彼女が同類かどうか品定めすることは無い。
陰ならばいずれ解ることだから。
「今回新しくクラスに入ることになったノラさんだ。」
「Hyggelig å møte deg, jeg er Nora.」初めましてノラです。
「え、英語じゃない。」
「英語は話せるんですか?」
「I speak only a little English.」少ししか話せない。
「Nice to meet you, I'm Nora.」
みんな英語と共通する部分とそうでない部分に困惑しているようだ。
俺には言語理解があるので意味は聞こえるけど、伝える手段としてスマホが無いとキツイ。
言語理解とは言語を理解するだけであって発音方法などの発声に関する補助を行ってくれるわけではない。
話すための筋肉をうまく動かせない、もといロレツがマワラナイ。
巻き舌が苦手な人間なので英語もかなりカタコト。
あちらの勇者の人は英語ができたのと同じく言語理解を持っていたの日常会話程度の英語は話せるようになったけど、日本で通用されるかというと微妙。
結局イギリス英語系だったから苦手なことには変りないのだ。
「リーブ31主任から聞いたが秋芽、オマエ話せはしないがある程度のコミュニケーションはいけるって言ってたぞ。
英語の先生からも今度から北欧系英語について教えて欲しいって通達あったから後頼む。」
「く、あのヅラ教師、俺のことを巻き込みやがって。」
「あ、オマエ、リーブ31主任のことそう思ってたのか。
アレはリーブ31だぞ。
ヅラじゃない。」
「嘘だ!
アレはヅラだ!」
「んなことは今はどうでもいい。
スマホの使用許可もぎ取ったからあとよろしくな。」
「いやです!」
「内申点くれてやるってさ。」
「やります!」
言質はボイスメモにツッコませてもらったぜ。
「あ、でもホームルーム最初から使っているスマホは没収な。
あくまで翻訳機能目的だから学校の備品を使え。」
だ、だにい。
俺のSSRガチャの入ったスマホが!!
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