第3話 今ってそんなヅラの教師なんていないし、せいぜい同窓会でウィッグつける人がいるくらいじゃね。
「ほ、ホントだ。
書いてある。」
俺の持っていた生徒手帳のページを見て納得した。
「ということでこの子を通し上げましょうね。」
「ぐぬぬぬ、こちら側の言い分が悪かった。」
自分に非があるのに歯を食いしばるとは反省していないな。
これで教師をやれるのは大丈夫かと思うが、ここは謝る相手が違う。
彼女に目をやり、意味が伝わったことを先ず伝える。
「えっと、Do you speak English?」英語は話せる?
「I speak only a little English.」少ししか話せない。
「OK GG, それは御免、一応先生には牛アレルギーのことは伝えたからを英語にして。」
「Sorry, I told him about my cow allergy.]
「Thank you so much.」ありがとうございます。
ペコリときれいなお辞儀をした。
日本語がうまく話せず、英語もあまり。
発音がやや怪しいだけで大体は話せるとは思うけど、何人だろ。
北欧系ではありそうだけど。
某アメコミ映画でよく聞く発音のそれとは明らかに違うしなあ。
俺の能力の都合上イギリス英語の延長上で何とか解りましたでごり押しするしかないけど、翻訳家の人に聞かれたら怒られるんだろうなあ。
異世界言ってましたなんて口が裂けても言えない。
人体実験の名のもとに俺が解剖される未来も。
それこそ勇者の人が見つかったらやばそうだけど。
「とりあえず、お前は話せるみたいだから翻訳頼むわ。」
「先生!
それにともなって俺にスマホの所持許可をください!」
「それはダメ。」
さっき見せてたやん。
GG使わないと伝わらないんだって。
髪とともにまともな思考も落ちてしまったのか。
なんてかわいそうなヅラ教師。
融通聞かないなんて。
「えー。
俺は話せはしないですよ。」
「許可を下すのに教頭の許可が必要だからだよ。
うちはまあ進学校だから、そのあたりいろいろ言われるんだよ。」
家から近いという理由で選んだんだけど下の上、中の下の俺が言うのもあれだけど頭良い人でいっぱいだったんだなこの学校。
スマホの使用は教頭に確認するのに鞄のことは教頭やらほかの先生に確認を取らないのな。
頭いいのか悪いのかわからんわ。
「先生、もっときちんとしてくださいよ。
そのこと言うなら鞄のことも確認を取るべきですって。
アレルギーのことを甘えとか言うなんて、手帳持ちながら生活している人たちに失礼ですよ。
社会科の先生に聞けば、わかりますよ。
社会は身体的な症状を持っている人たちに対して不憫をさせないようにできていますが先生はどのようにお考えで。
このことは場合によっては教育委員会に発言しなくてはいけない行為になります。
今回は未遂になりますがきちんと校則ぐらいは把握してくださいね。」
異世界に帰ってきたばかりで現代社会のいやな部分を見ると帰ってきてよかったと思えなくなるからやめてほしい。
自分がすっきりしたいから言ったけど、これは後で生徒指導室に来いとか言われるのかな。
... ..- .-. .- .. -- ..- -.. --- ..-
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます