第2話 学校と書いてうちと呼べる奴はそれなりに学校に愛着のあるやつ

「学校指定のカバンはどうした。

 これはメッシュ素材のものじゃないか。」


 近道をしてバスをギリギリで追い越し、遅刻せずに校門にまで来たときどうやら抜き打ち検査か何かやっていたようで生徒と教師が揉めていた。

 一瞬ギャルかと思ったが近くで見れば外国人のモノと解るスーパープラチナブロンドの生来の髪。

 顔の作りは彫りが深く彫刻のようだった。

 最近外国人が増えてきたけれどもそれでも珍しいことに変わりない外国人が何故此処に居るのか疑問だった。

 でもあの子学校では見たことが無かった気がする。

 あんなに印象強い子がいたら、意地でも覚えるでしょ。


前髪は隠れるくらい長いが髪自体が目立つので美人を連想させる。

その隠れる前髪の中に青系の瞳が見え隠れしている。

ニキビやシミが一つもない透き通った白い肌は雪の中を駆けまわる妖精を思わせるような女子だった。


 そしてこちらは忘れることが無いヅラの教師。

 ヅラの教師だ。

 なんせあの年で黒髪。

 しかもヅラが致命的に周りの侵食しつつある薄毛との髪の量が違いすぎるためヅラ教師と心の中で囁いている。

 噂になることは無い。

 暗黙の了解か、それとも俺だけが気づいたくだらないことなのか、誰も知る由は無い。

 

「なんだ言葉がわからないのかええと学校がばんの指定の鞄を持ってください持って前でここは通せないぞ。」


「Mener du posen? Jeg kunne ikke ha det fordi jeg er allergisk mot biff.」バックの事ですか?私は牛肉アレルギーなので持っていくことが出来なったのですが。


 英語?ではないな。

 英語に近いけどなんか違う。

 ヨーロッパ系であることには変わりないと思うけど、意味が解る。

 異世界に居た当初の気分みたい。

 異世界に居た当初は意味は解るけどどんな言語体系をしているのかさっぱりわからなかった。

 今回も似たようなかんじ。

 ただ、英語をベースに当てはめているので文法やら言い方の発音はなんとなくだけど解る。

 異世界召喚時のスキルを得たのか。


「てか。

 先生そんなこともわからないんですか。」


「なんだ、万年平均点の秋芽はわかるのか。」


「あのですね、学校の英語はアメリカ英語じゃないですか。

 私は、動画投稿サイトの押しがイギリス英語だから、同じ北欧系なら彼女の方が聞き取りやすいだけです。

 発音の齟齬とか結構多いですし、沖縄の人に津軽弁でしゃべっているようなもんだと思ってください。」


「それで何言っているか訳せ。」


 禿げ頭教師は勉強に活かせないことがわかると興味を失ったのか何を言っているのか訳せという。

 そこは時代の便利なツールに頼みましょうよ。

 彼女もそれに頼らないのはなんでだろうと思いながら、言語理解によって承った完璧な解釈で話す。

 

「私としては彼女の言ってることはわかりますがアレルギーですね。」


「アレルギー?

 鞄にアレルギーなんてありゃしないだろ。

 外側のアレルギーなんて甘えだろ。」


「アレルギーは甘えって弐ちゃんのざまあスレ。

 先生、アレルギーって結構ひどいもんですよ。

 養蜂農家が蜂を大量に放流しても、パンパンに腫れ上がるまで刺されて死んでも文句言うなって言っているようなもんですからね。」


「いやそれとこれとは話が違うだろ。」


「高校(うち)のバックで牛革ですよね。

 牛乳アレルギーの子とかは場合によっては免除されるって校則にも書いてあったはずですけど、確認してますか。」


「へ?」


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