第5話付与魔法
馬車に乗り込み「出発だ!」で走りだす。
向かうのは、魔の森近くのラクノスの街だ。
護衛を務めるのはダーク隊だ。装備もローランドの装備に変わっていた。
それにしても馬車は揺れて、乗り心地がいい物でないぞ。
帰ったら馬車の改善をしないといけないな~。
道も変な所で曲りくねっていて、乗り心地を悪くしてるぞ。
これなら真直ぐな道にできそうな気がする・・・
御者に向かって「なぜこうも曲がってる」
「昔からこのような道です。わたしに言われて・・・気を付けて走りますのでお許し下さい」
気を付けると言っても、どうしようもないだろうと思った。
こんな物と思っているからなおらないのか。
道の整備も考えるべきだ。どんな道が良いだろうかと妄想が膨らむ。
2日かけてラクノスの街にたどり着いた。
街役が出迎え部屋に案内されると、冒険ギルドマスターが居た。
「これが鑑定結果のモンスターです」
【バラモス】
歳:120
HP1400/1500:片眼が負傷
MP0
スキル
堅剛:皮膚が固くなる
魔法
なし
想像するに通常の武器では刃が立たないようだ。
バラモスはもっと奥深い森に住んでいて、この辺には居ないモンスターらしい。
仲間同士の争いに負けて傷ついた流れ者だと、ギルドマスターは推測している。
「道案内を頼むぞ。バラモスは私達が討伐しよう」
「領主様の意気込みは分かりました。わたしが案内しましょう」
冒険ギルドマスターが進みでていた。筋肉もりもりのマッチョ系の大男であった。
歩きながら探索していると、薬草を大量に見つけた。
「この薬草は回収しないのか、大量に有るが」
「はい、沢山有るから誰も買いません」
「そうか・・・私が買取ろう定期的に送るように」
「1束銅貨1枚なら採算が取れますが・・・」
「それでいい」
「有難う御座います。買取った物を全て買取って貰えますか?」
「心配無用だ。全て買取る」
道ばたの草をしばらく鑑定しまくっていると、薬草に似た草が成分も似ている。
しかし、その成分に1つ足らない。もったいないな~。
足らない成分を持った草を発見、混ぜて作れば出来そうだ。
「しばらく休憩をする」
休憩時間に早速作って見ると、薬として充分な薬効がある。
しかもMPを回復する薬効付きだ。
早速ギルドマスターに2つの草も、買取ると約束した。
「え!いいのですか、ただの草ですよ」
「ああ、2つで薬草の値段で買取ろう」
遠くからモンスターの鳴き声が
急ぎ向かっているとバラモスが別のモンスターを仕留めた場面だった。
私が持参した弓を引き放つと、頭部に刺さる弓矢から垂れ下がった銅線を握り返す。
雷魔法の雷を一気に流し込んだ。バラモスは
鑑定結果も死んでいた。
私が近づき弓矢を抜き取ると隊員達もゾロゾロと近づいてバラモスを撫で回している。
「これ、どうやって持ち帰るんだよ」
「馬10頭でも無理だろう」
「私が持ち帰るから大丈夫だ」
無魔法で浮かせて、もう1体も浮かせたので帰る事にした。
周りの隊員は、口を開けた状態で見ている。
ダーク隊長に蹴りを食らいながら、正気に戻った隊員はやっと付いて来た。
街の解体場に置くと、街の住人が恐る恐る遠くから見ている。
ヒソヒソと話す声がしだいに大声に変わり話が盛り上がっていた。
「うちの領主様は、凄く強い領主様だ」
「王国1番の強い方かもしれないな~バラモスは、それ程の強いモンスターで有名だから」
「これで安心して暮らせるぞーー」
隊員に話を聞こうと群がる住人に、隊員は自分の事の様に話し出した。
冒険ギルド内のマスターの部屋に行き、ギルドマスターに対して話し合った。
「ギルドマスターに良い話を持ってきた」
「何でしょうか」
「ここに盾10枚・片手剣10本があるが特別製だ。盾には衝撃反射の付与が付いている」
「付与と言えば伝説の付与魔術士ラーランの盾ですか」
「いやラーランの作品では無い。その子孫が作った物だ。剣には切れ味5倍の付与が付いている。どうだ、使いたいと思わないか」
「ぜひ使わせて下さい、しかしそれに見合う対価は持ち合わせが無く・・・」
「今とは言わない、無利子で半年おきに払えるだけでよい。どうだ良い話だろう」
「良すぎて
「騙してなどいない。ギルドに対しての投資だ。これでモンスターの討伐数が増えて領内も豊かになる。それこそ領主の務めと思わないか」
「思います」
「これも不治の病を治す対価で貰った物だ。私の懐は痛くない・・・分かってくれるか」
「分かりました。不治の病とは」
「黄土病の特効薬が最近発明され、ローランド辺境伯領の特産になった。だから私の所に訪ねてきた。そんな訳だ」
「そんな物が発明されたのですか、分かりました」
「私も忙しいので帰らせてもらう、頑張って討伐してくれ」
私は
私に付いて来たダーク達は
冒険ギルドから出てから。
「さっきの話は全部嘘だ。付与は私が付けた。これは秘密だからな・・・」
そして王都でラーランの原本を読んで、付与方法を知っている事も話して聞かせた。
「何故そんな嘘を付いたのですか」
「ラーランの話だけでギルドマスターは、私に対して忠誠心が芽生えたはずだ。王国に立ち向かうには、協力者が必要なんだ分かってくれ」
「何となく分かった気がします」
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