第4話諜報準備と薬作り
執務室にダルがやって来た。
「お呼びでしょうか」
「ああ、呼んだ。ダルにやって貰いたい事があるんだ」
「何でしょうか」
「他領へ行って諜報活動をして貰いたい」
「わたしには、荷が重いです。これという能力もありません」
「ダルには、それだけの才能が有るんだよ君の才能はこれだ」
鑑定結果が書かれた用紙を見せる。
名:ダル
歳:21
HP150
MP50
スキル
俊敏Ⅳ:判断や行動が早い、世の中の動きに鋭敏に反応する
商いの才覚Ⅲ:算用や話術が得意で、儲けに敏感な才覚がある
魔法
黒魔法:影に身を隠したり、黒球を発射できる
「ダルには、俊敏や商いの才覚と黒魔法の3つを持っていたんだ。それを活かして商人として行ってもらいたい。商売しながら片手間でいいから情報を集めて欲しい。その情報は、鑑定でハズレと鑑定された人達を探し出して、ここへ連れてきて欲しい。もう1つが他領の経済状況を調べて欲しい。これはあやしまれない程度でいい。どうだやれそうか」
「これが、わたしの能力だと・・・やらさせていただきま」
「魔法の訓練方法はダークに教わるといい。魔法を使っていると、翌日にはMPも少し増えるから頑張ってくれ」
ダルは元気よく部屋を出て行った。
次は製薬方法の伝授だ。
研究室に行くと6人が待っていた。
3人が鑑定師で後の3人が無魔法持ちで、棚には十分な量の薬草や草が
まず一
「この薬草の量が一瓶分の薬の量です。器に薬草を入れて」
「ちょっとお待ち下さい。グラムでどれくらいになりますか?」
「ああ、ちょっと焦りすぎた。50グラムだ。このように無魔法で細かく
両手をかざして薬草を空中に浮かせて細かく粉砕していく。
無魔法持ちの者が「待って下さい。そんな事をやった事がありません」
「え!できないの・・・とりあえず君達の分までやっておくからできるところから参加してくれ」
器の上では粉のように舞う薬草。
「このように粉砕した薬草を1つにまとめて圧縮すると汁がでてきた」
汁が器に溜まったので無魔法持ちの面々が驚き顔をして見てくる。
無魔法持ち達は、首を激しく横に振っている。
私は見なかったように次の段階に進んだ。
圧縮し終わったカスは捨てて、汁を無魔法で空中に浮かべる。
「このように浮かべた液をこのように回転して、回転速度上げていき徐々に液が分離する。そこから鑑定師が内側と外側の液を鑑定し続ける。鑑定結果が薬効ありと薬効なしに為ったら、外側の液と内側の液を離してそれぞれの器に入れる。回転が弱いと分離できないから注意するように・・・内側が透明になるので分かると思うよ」
でき上がった透明の液を瓶に注いでゆく。
その瓶に特殊な液を一滴を垂らす。
あれよあれよと赤い液に変化・・・これで完成だ。
軽い切り傷なら一滴で治り、ひどい傷でも直接かければ治る薬だ。
「どうだ簡単だろ」
皆は「無理、無理、ムリです」と言っている。
「最後に垂らした液は何ですか?」
紙に書いたレシピを見せる。
【強化剤】
ペイペイ草10グラムとマイマイ草40グラムを乾燥させて、200ccの水に入れて低温40度にキープしてじっくりと1時間を待つ。後はろ過紙でろ過した液を常温にした液が強化剤になる。
最初から私みたいな事は無理なのだろうか・・・
しばらく考えて、だした答えは道具を使う事だ。
粉砕は、包丁で細かく切ればいい。多少時間がかかるだろう。
液の圧縮は、布で包んで板などで挟んで絞りだす。
回転は、難しいから6人に丸投げでいい。
この事を6人に伝えると、渋々了解してくれた。
「この研究室を使っていいから、道具は商業ギルドに頼めばいいからあとは頼むよ」
執務室に戻って、報告書を確認しているとモンスターの買取が少ない。
理由が書いていなかったので、ナルタを呼びつけた。
「なんでも強いモンスターが現れ、冒険者が狩りを控えているみたいです」
「視察に行こう。準備してくれ」
「今からですか」
「今からでも行ける時間だと思うが・・・」
「分かりました。行きましょう」
「行くとするか」
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