九月六日
「
「行ぐ行ぐ。又三郎も行がなぃが。」嘉助がさそいました。耕助は、
「わあい、あそご又三郎さ教えるやなぃじゃ。」と云いましたが三郎は知らないで、
「行くよ。ぼくは北海道でもとったぞ。ぼくのお母さんは
「葡萄とりにおらも
「わがなぃじゃ。うなどさ教えるやなぃじゃ。おら
みんなは学校の
すると又三郎はいきなり、
「何だい、
「わあ、又三郎、たばごの葉とるづど
「わあい。専売局でぁ、この葉一枚ずつ数えて
「おらも知らなぃぞ。」
「おらも知らなぃぞ。」みんな口をそろえてはやしました。
すると三郎は顔をまっ赤にして、しばらくそれを
「おら知らないでとったんだい。」と
みんなは
「あの家一年生の
「わあ、又三郎なんぼ知らなぃたってわがなぃんだじゃ。わあい、又三郎もどの通りにしてまゆんだであ。」
又三郎は
「そんなら、おいら
「早くあべ。」と云って先にたってあるきだしましたのでみんなもついて行きましたが、耕助だけはまだ
「ほう、おら知らなぃぞ。ありゃ、又三郎の置いた葉、あすごにあるじゃい。」なんて云っているのでしたがみんながどんどん歩きだしたので耕助もやっとついて来ました。
みんなは
「こごおれ見っ
すると三郎は、
「おいら
又三郎はそれを棒きれで
そのうち耕助がも一つの
「わあい、又三郎何する。」耕助はうらめしそうに木を見あげました。
「風が
耕助は
「さあ、このくらい持って
「おら、もっと取ってぐじゃ。」耕助が云いました。
そのとき耕助はまた頭からつめたい
けれども樹の
「わあい又三郎、まだひとさ水
「風が
みんなはどっと笑いました。
「わあい又三郎、うなそごで木ゆすったけぁなあ。」
みんなはどっとまた笑いました。
すると耕助はうらめしそうにしばらくだまって三郎の顔を見ながら、
「うあい又三郎
「それから、あとは? それからあとは? どうだい。」「シャップもとばさな。」
「それから? それからあとは? あとはどうだい。」「
「それがら
「アハハハハハ、ランプはあかしのうちだい。けれどそれだけかい。え、おい。それから? それからそれから。」
耕助はつまってしまいました。
耕助は顔を赤くしてしばらく考えてからやっと答えました、「風車もぶっ
又三郎はやっと笑うのをやめて云いました。
「そらごらんとうとう風車などを云っちゃったろう。風車なら風を
「さあそれでぁ行ぐべな。」と一郎は云いながら又三郎にぶどうを五ふさばかりくれました。又三郎は白い
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます